サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
買ってよかったもの
ex.sakura.ne.jp/~ere
もしも君が破綻寸前の金融機関の経営責任者であるとしよう。間もなくやってくるであろう決算期を前にして、ボロボロになったバランス・シートを眺めながら打つ手は何が残されているだろうか? ちょっと考えてみて欲しい。 解答例としては以下の3つがある。 1. とりあえず大蔵省に駆け込んで、涙の限り嘆願する。 2. 手持ちの自社株をさっさと売却して換金しておく。 3. 出入りの外資系金融機関のセールスマンからありったけのオフショア・ファンド、仕組債等あやしげなデリバティブ商品を買いまくる。 1の方法は悪くない。頭は下げてみるものだ。プライドはいくら傷ついても、一滴の血も流れないのだから。手にする成果は充分にペイするだろう。実際この手はこれまで何度も威力を発揮してきた。公定歩合は下がって業務純益は増え、償却余力は多少出来た。不動産の評価替と、有価証券の原価法適用によりBSの見栄えも良くなった。
神奈川県相模原市の石油販売業ライオンズ石油社長の佐藤太治は、通産省内で記者会見し「160円前後の市価よりも大幅に安い138円の輸入ガソリンを販売する」と発表した。時は昭和59 (1984) 年12月6日、戦後政治の総決算を標榜する中曽根政権が参加したプラザ合意の9ヶ月ほど前にあたる。東京都北区出身、昭和28年3月生まれの佐藤は、当時31歳。富士短大卒業後、建売会社の営業マンを経て50年4月ガソリンスタンドの経営を始める。彼は自分自身を信長に見立て、現代の楽市楽座を実現するのが夢であった。 佐藤は休日が大嫌いである。毎朝6時に起き、帰宅は11時を過ぎる。人生50年とすれば、残された時間は僅か6,000日しかないのだ。 全国約59,000のガソリンスタンドは過当競争に喘いでいた。石油ショック以降、少燃費エンジンの開発等により、昭和45年に自動車1台当たり平均1,551?だったガソリンの消費
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『ex.sakura.ne.jp』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く