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中東情勢
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一昨年,広島市の丸善ジュンク堂で平積みになっていたのを買ったものの,自宅の本棚に収納したままだった。 昨日,偶然目にしたので読んでみることにした。 それにしても買ったまま放置している本の多いこと。 「オルグ」という言葉の古さ。今ではほぼ死語に近いのではないかと思う。 オルグという言葉から連想されるのは,左翼の活動家が学生や労働者を煽って組織に勧誘する情景である。著者もそれは念頭に置いているようである。しかし,この本が目指しているのは,オルグと言う活動の一般化,理論化,体系化である。 オルグというのは,ドイツ語由来の日本語だろう。英語で言えば,organization,つまり組織化である。また,オルグと言う言葉はオルグ活動をする人,organizerを指すこともある。 個人は弱い。抑圧者や外敵に対抗しようとすれば,個人個人を束ねて組織化することが必要である。これがオルグ。 いったん,組織化が
大野の語彙法則という日本の古典に関する統計的法則がある。 『更級日記』もこの法則に従うかどうかを検討してみた。 「大野の語彙法則」というのは,国語学者の大野晋(おおの・すすむ)が1956年に発表した法則である。 正確な記述はWikipediaの記事を参照していただくとして,だいたいこんな法則(水谷静夫による改訂版)である。 (1) 万葉集,土佐日記,竹取物語,枕草子,源氏物語,紫式部日記,讃岐典侍日記,方丈記,徒然草の9作品に登場する語彙(ただし,助詞・助動詞を除く)を,品詞別に分けて集計し,構成比を求める (2) 作品ごとの名詞の構成比を横軸,動詞・形容詞・形容動詞の構成比を縦軸にプロットすると,動詞・形容詞・形容動詞の構成比はそれぞれ右下がりの直線上に並ぶ ようするに,日本の古典では,動詞,形容詞,形容動詞の構成比は名詞の構成比の関数となる,ということである。 論より証拠で,実際にデー
「極東ブログ」と「finalventの日記」という2つのブログを書き続けているfinalvent氏。 同氏が本を上梓したというので宮脇書店宇部店で買い求めた。ひょっとして置いてないかも?と思ったが,1冊だけあった。良かった。 "Denker"というドイツ語が好きだ。英語では"Thinker"。「思想家」として訳されるが,原義通り「考える人」というニュアンスで受け止めたい。 「思想家」というとそれで食べているプロフェッショナルというイメージだが,小生は"Denker"という言葉をプロでもアマでもなく,人生というか日常の様々な場面で,よく考える人,という意味でとらえたい。 で,小生にとって,finalvent氏はDenkerの典型である。 世間的・社会的に見れば,とりたてて評価するべきところが見当たらない普通の人生であっても,自分で考えるという行為を通して「生きている」実感を得ることができ,そ
ニック・ボストロムによる有名な論文がある: Nick Bostrom, Are You Living In a Computer Simulation? Philosophical Quarterly, 2003, Vol. 53, No. 211, pp. 243-255. (参考) この論文の中でニック・ボストロムは次の3つの命題のうち,少なくとも一つは正しいと主張している。 現代文明は「ポストヒューマン」の段階に達する前に滅ぶ可能性が非常に高い 自らの進化過程のシミュレーションを莫大な回数、実行するようなポストヒューマン文明は存在しないだろう われわれはほぼ確実にコンピュータ・シミュレーションの中で生きている ここで言う「ポストヒューマン」とは現実と区別がつかないほど高度なシミュレーションを実施できる知的種族のことである。そのような文明レベルはいわゆる「オメガポイント」に近いと言える
コロナ前,2019年5月に金沢に旅行し,小幡家所縁の「宮内橋」に行ってきたという話はすでに本ブログに書いた(参考)。 その宮内橋のことだが,古書城田で購入した「歴史読本」1978年12月臨時増刊号「都市・地名ものしり読本」に宮内橋に関連する記事が出ていたので紹介する。 戸部新十郎氏が書いた「石川県の人物地名21の由来」という記事(同増刊号359~360ページ)を読むと宮内橋についてこんなことが書かれている: ◇宮内橋(金沢市) 藩臣小幡宮内の屋敷脇にあった。宮内は前田利常の生母寿福院と義兄弟で名は長次。大坂の役後,累進して一万九百石を受け,御小姓番頭から家老・城代を歴任した。 宮内は風流人で,山城井手の玉川からカエルを取り寄せ,橋下の総構堀に放ち,夏季は,夜もすがらカエルの声を聞いて楽しんだ。維新後,総構を廃し,土居を崩したので,玉川のカエルは絶えたが,川縁の崖がかすかに名残りを偲ばせる。
1.はじめに 最近は統計処理のためにRを使っている。で、このたびRでパネルデータ分析にチャレンジしてみることにした。パネルデータというのは複数の主体の時系列データをまとめたものである。クロスセクション×時系列のデータ。例えば、1990~2007年の都道府県別一人当たり県民所得データはパネルデータである。この場合は、都道府県別というのがクロスセクションであり、1990~2007年というのが時系列ということになる。 Rでパネルデータ分析を行うためには、パッケージplmが必要である。でもplmはまた別のパッケージを必要としているので、以下のパッケージを"The Comprehensive R Archive Network"からダウンロードして解凍・インストールする必要がある: plm kinship nlme Formula VR sandwich zoo 埼玉大学の並河永先生のウェブページ「
またまた不景気の感を強くするニュースが昨日飛び込んできた: 「2009年3月期業績予想の修正と今後の業績改善施策について(2009年1月30日、日立製作所)」 連結で7000億円の損ってどういうことよ?という話である。そういえば1999年3月期も2002年3月期も物凄い赤字が出ていたはず、と思って日立製作所の連結純損益の推移を調べてみた(同社決算短信に基づく): 1998年3月期: 34億7700万円 1999年3月期: -3387億9400万円 (東南アジア経済危機、DRAM、システムLSI低迷) 2000年3月期: 169億2200万円 2001年3月期: 1043億8000万円 (米国経済高成長維持、アジア・欧州経済堅調) 2002年3月期: -4838億3700万円 (911同時多発テロ、世界経済減速、半導体需要減少) 2003年3月期: 278億6700万円 2004年3月期:
椅子は硬いほうがいい 座業が多いせいか,腰痛に悩まされます.それはさておき,ここでは日々の発見を記述します. この記事によると、アーバンコーポレイションはBNPパリバに嵌められたようですな:「アーバンコーポの倒産で荒稼ぎ:生き馬の目を抜くハゲタカ外資の裏技」(Net-IB 九州企業特報、2008年8月18日) 記事によれば、BNPパリバの手は以下の2重構造になっている: 第一幕 実際にはBNPはアーバンに92億円しか払っていない 7月11日、BNPパリバがアーバンの転換社債型新株予約権付社債(CB)300億円分を引き受け スワップ契約により、アーバンがBNPから調達した300億円はBNPに戻る BNPはCBを株式に転換して得た金から少しずつダラダラと時間をかけて300億円をアーバンに払う スワップ契約によれば、その支払額はアーバンの株価によって変動 しかも株価がある額より下になれ
著者たちはこのブックレットを通して、野外調査(フィールド・ワーク)が調査対象となった地域社会にとっては迷惑になり、場合によっては地域社会や地域の資源を破壊することもあるということを警告している。 『忘れられた日本人』などで知られる民俗学者、宮本常一氏の「調査地被害」という文章(1972年)を第1章とし、以後その問題意識を引き継いで、第2章から第7章まで安渓遊地氏がフィールドワークの経験にもとづいて「調査されるという迷惑」を語っている。 「おまえ、何をしに来た。なに調査だ? バカセなら毎年何十人もくるぞ」 調査地の一つ、西表島の人々から安渓遊地氏に浴びせられる言葉には、地域社会に対する調査者の態度に対する怒りがはっきりと現れている。 この本を読んで思い出したのは網野善彦『古文書返却の旅』(中公新書)である。これも調査地被害の一種を語った本である。 1950年代に漁村資料の資料館を設立する構想
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