私 古屋哲夫は、2006年12月2日午後2時2分、この世を去りました。 自分の人生は、自分の能力からすれば出来すぎだ。 日本人として、初めて敗戦を経験する事も出来て満足している。 神様がもう一度初めから人間をやらせてやると言われても、御断りして、その分長生きさせてくれるよう御願いしたい。 今、死と言うこの世の運命を受け入れ、あの世の新しい運命と取り組みます。 昭和6年3月21日、私は、この世に生まれた。 この頃はアメリカから始まった世界大恐慌の波が日本にも押し寄せてきており、世の中は不況のさなかであった。そしてその背後では、軍部は戦争への道に歩み出そうとしていた。私の生まれる前日には、未遂に終ったとはいえ、軍部内閣をつくるためのクーデターが予定されていた。後に『三月事件』と呼ばれるようになったこのクーデター計画は、極秘のうちにもみ消されてしまったが、然しそれは、『満蒙侵略』についての暗黙の