「まどか☆マギカ」の世界を貫くのは徹底した因果応報だ。何かを得るにはそれと同じだけの代償を支払わなくてはならない。魔法少女は叶えた願いの分だけ、必ず、それと等価の絶望を抱え込む。その絶望に耐え切れなくなったとき魔法少女は魔女となり、希望によって生まれたはずの魔法少女は、今度は呪いを撒き散らす存在へと成り果てる。 作中で杏子が言ってたように、希望と絶望の差し引きはゼロなのだ。 まどかの願いは、全ての魔女を生まれる前に消し去ること。魔法少女が力尽きるとき、まどかはその傍らに立って絶望を引き受ける。魔法少女たちが、希望を信じて死んでいけるように。魔女にならずにすむように。 そうして魔女は消えた。魔女が消えたことすら誰にも分からないほど完全に消え去った。魔女が消えたなら「魔女を消す」という概念は誰にも認識できなくなる。まどかの存在を認識できる者はどこにもいなくなる。当の魔法少女たちですら。 そうし