首相交代後の一連の国会運営、そして6月17日に発表された民主党の参院選マニフェストの内容を読んで、菅政権は「新ファシズム」(ファッショ的専制政治)のまえぶれともいうべき、きわめて危険な政権ではないかとの印象を強く持った。理由はたくさんある。 第1は、言動不一致の大きさだ。野党のときはあれだけ「総選挙抜きの首相のすげ替え」を攻撃しておきながら、政権与党になった途端、なんの衒い(てらい)もなく首相のすげ替えをやる。また首相が交代したにもかかわらず、国会は所信表明と代表質問だけで、具体的な論戦の場を一切開こうとしない。極めつきは、小沢・鳩山の「政治とカネ」問題に頬かぶりしたまま、マニフェスト冒頭に臆面もなく「とことんクリーンな民主党へ」と書いたことだ。 第2は、国民への公約を破ることになんの痛痒も感じていないことだ。今回の参院選マニフェストは、昨年8月の総選挙マニフェストから1年も経ていない。だ