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◯「メンズエステ嬢の居場所はこの社会にありますか? 」鶴屋なこみん(KADOKAWA) コミックエッセイ。 著者の鶴屋なこみんさんはもともと時給730円の焼き鳥工場で働く、実家住まいのフリーターだった。 ところがある日、両親が家を手放すことになり、彼女は50万円を与えられて「あとは一人で生きていきなさい」と宣告される。 50万あっても、引っ越しをすればあっという間に消えていく。 一人暮らしで生活を成り立たせるには時給730円の仕事ではやっていけない。 かくしてなこみんさんは新しく仕事を探すのだが、そこで「時給4000円の仕事」を見つける。 それがメンズエステ嬢だった。 キャミソールとパレオをまとった格好で、四畳半くらいの個室で男性にオイルマッサージをする。 性的サービスはない。 風俗のようで、風俗じゃない。 それがメンズエステ。 客の男たちの中には性的サービスを求める人間が少なくない。 エ
新潮社の百田尚樹ヨイショ感想文キャンペーンはそんなに叩かれるようなことなのだろうか、とずっと思っている。 考えをまとめてから書こうと思ってるうちに批判にさらされる形でキャンペーンが中止になってしまった。 ネットの世界ではどうせ来週には忘れられてしまうだろうから、備忘録として残す。 ◎企画に対しての温度差 たぶん、今回のことは出版の世界から遠く、そして百田尚樹のことを「ヘイトスピーカーだが公権力を持ってる作家」ぐらいに思ってる人が一斉に「何それ…」と拒否感や嫌悪感を示した、というのが大筋だと思う。 「ヨイショ感想文」という言葉が「百田センセイ、もっともっと持ち上げましょう」というイメージを想起させた。 ただ、おそらく新潮社はそこまでゴマをする感じではなく「話題になる面白いキャンペーンをやりましょう」くらいのところから始まってると思う。 百田尚樹と仕事をしたことがある人から聞いた話と、「New
神田村の日本地図共販の店売には二十代半ばくらいの顔立ちの整った男の子がいた。 彼を見ると「雑誌の『FINEBOYS』に出られそうだなー」といつも思った。 俳優の大東俊介が、当時の彼の面影に近い気がする。 地図共販の店売はそこまで広くないので、だいたいカウンターに社員が一人でいて対応することが多い。 それまでは特に特徴のないスーツの中年男性だったが、あるときからイケメンの彼に代わった。 彼はなぜか私服で働いており、白いシャツとブルージーンズをよく着ていた。 神田村というのは神保町の裏手にある中小の出版取次が集まった地域で、都内近郊の書店はそこに行けば現物を仕入れることができた。 その名の示す通り関係者だけが出入りする“村”で、顔を覚えられれば挨拶されるが、それまでは「誰?」といういぶかしげな視線を浴びることになる。 地図共販というのは地図、旅行ガイドに特化した特殊な取次だったので他の取次とは
雨宮まみさんが亡くなったというニュースが回っています。 ほんとなんでしょうか。 本当に、ほんとなんでしょうか。 全然、全然実感がわかないです。 たちの悪いデマじゃないんでしょうか。 Twitterで「こんなタチの悪いニュース誰が流してるんだ」とコメントつけてリンクを張ったら雨宮さんから「なんなんですかね、これ」とリプライが来るような気がしています。 いや、きっと、ほんとなんだと思います。 ごくごく近しい人たちだけでお見送りした、という話を聞きました。 いろんな人が悼む言葉を発してます。 けれどそんな伝聞というか情報のようなものだけで「雨宮さんがいなくなった」というのが、実感にならないんです。 今も東京のどこかにいて、こうして雨宮さんのことをネットに書くと即座にリツイートしてくれるような気がするんです。 雨宮さん。 雨宮さんのことを少し書いてもいいですか。 「伊野尾さんとはそんな親しくもない
拝啓 樋口毅宏様 樋口さんこんにちは。 Twitterをやめられていてビックリしました。 作家引退宣言をしていたと知ってさらにビックリしました。 「伊野尾さんからすると複雑な気持ちになると思うのですが、僕の新作『太陽がいっぱい』読んでみてください」 と樋口さんからDMをいただいて、感想お送りしようと思ったらアカウントがないってどういうことですか。 私、樋口さんとはDMでしかやりとりしてなかったんで、もう感想を直接お伝えする手段がないんですよ。 なので、ちょっと全体公開になってしまいますが、ここに感想を残します。 どこかで読んでくだされば幸いです。 「太陽がいっぱい」読みました。 感想の前に、少しマニアックなレスラーの話をしてもいいですか。 樋口さんはコンガ・ザ・バーバリアンって選手ご存じですか。80年代後半に新日本に来てた外国人選手なんですけど。 全日本に来ていたバディ・ランデルは? あと
「この本が売れなかったら、もうダメですよ」 いい感じに落ち着いた雰囲気の神保町の老舗喫茶店で、杉江さんはそう言った。 杉江さんは本の雑誌社の営業マンだが、何年か前から編集にも携わっている。 高野秀行さんがアフリカにある国際的には未承認の国家・ソマリランドを訪ねて体験した出来事を描くノンフィクション「謎の独立国家ソマリランド」は杉江さんが担当編集した。 自分で作るだけあってノンフィクションの本もたくさん読んでいて、杉江さんが何かしら反応する本は読んでみるとたいがい面白い。 その杉江さんが会ってすぐに「伊野尾さん、角幡さんの『漂流』読みました?」と聞いてきた。 ちょうどそのとき読んでいたところだったのでそのことを伝えると、「あ、やっぱり?いやーこれすっごい本ですよ!」と高いテンションで言ってきて、そのあとに続いたのが冒頭の一言である。 これだけ時間と労力をかけて取材して、それも読み進めるうちに
太洋社の店売(書店が仕入れる取次の商品倉庫)にはお世話になりました。 初めて神田村に行ったとき、どこの取次店もこちらを見て「本屋さん?」といぶかしげに聞いてきたのに、太洋社の方だけは「いらっしゃいませ」と挨拶してくれたことを覚えています。 太洋社店売はコミックが充実していて、出版社在庫が切れて次の重版までなかなか入ってこないものも結構在庫があったりして、ずっと助かっていました。 コミックの棚は出版社ごとに並んでて、その時その時の売れ筋コミックに常に更新されていくわけですけど、どういうわけか講談社コミックの棚にはずっと「稲中卓球部」の単行本版が全巻並んでて、もうこれ持ってく本屋っていないんじゃないかな…と思っていたのですが、「稲中」は最後まで棚に残っていました。 集英社の棚には「こち亀」も全巻揃っていました。 店売には店売の力学みたいなのがきっとあって、在庫するには在庫するだけの理由がきっと
新宿のZARAで私はチノパンを見ていた。 平日の夜、外は雨で、お客さんは少なかった。 いくつかのパンツズボンからこれにしようと決めたカーキ色のチノパンは私のウエストに合うサイズがちょうどなく、一つ上のサイズと一つ下のサイズどちらを買うべきか、あるいは見切りをつけて別の店に行くべきか考えていた。 すると隣りに四十代くらいの化粧の濃い女性がやってきて、私が見ていたチノパンを引っ張り出して物色し始めた。 私は少し場所をずれて隣の棚の黒いパンツを見るともなしに見ていると、唐突に「38と95はどっちがいい!?」とその女性が口にした。 独り言?と思いつつ横を見るとその女性と目が合ってしまい、女性はあらためて私に向かって 「38と95はどっちがいい!?」ともう一度言った。 そこで初めて女性が東南アジア系の人だということに気がついた。 私の方を見て聞いてるからには何かしらの返答をしなくてはならない、と思い
高校の時の友人E君はどこか遊びに行くと、すぐ通りすがりの女の人を査定する人だった。 街を歩いていても、電車に乗っていても、どこか店に入っても、すぐ通りがかった女の人や女の子を見ては 「お、かわいい」「くーいいオンナだねえ」と口にした。 「今の子かわいくない?」「ああいうお姉ちゃんとどう?」みたいに同意を求めてくることも多かったので、そのたびに「あー…そうね」とか生返事をしてると「なんだよノリ悪いなあ。ホモなんじゃねえの?」と口にした。 アイドルとか芸能人ならともかく、通りがかりの女の人の容姿を公共の場であれこれ口にすることに抵抗があった。 そもそも私たちは正真正銘の童貞少年であり、人のことをとやかく言う以前に自分の容姿がよいとも思えなかった。もっとも容姿がよいからって言っていいものでもないが。 E君は一緒に遊ぶ分には楽しい人間だったが、街中を歩く容姿のいい女の人をハンターのように探す姿勢と
謹賀新年 あけましておめでとうございます。 2014年になりました。 21世紀も14年目ですよ。 そろそろ2000年生まれ、21世紀生まれのアイドルが出てくる頃ですね。 今年は消費税が8%になったり、ワールドカップがあったりしますがどんな一年になるのでしょうか。 という一年の始まりにあわせて、ここで「伊野尾書店2014年戦略発表会」というのを行いたいと思います。 本当ならどこかホテルの大会議場かなんか借り切って、私がスーツ着て壇上でパワーポイントで作った資料的な映像を出しながらあの変な棒みたいなのを持って「ステイハングリー、ステイフーリッシュ」とか説明するとハクがつくのでしょうが、時間と費用の関係でこのままブログでの発表と代えさせていただきます。 ひとつ目。 1)「店長のおすすめ」を月1で更新する はい。 今もやっているんですが、まあ正直更新時期は適当だったりします。 ほっとくと2ヶ月くら
平成の前に昭和という元号がつく時代があった。 流行の音楽は久米宏と黒柳徹子の「ザ・ベストテン」で知る時代があった。 そんな昭和61年、新宿区立落合第二小学校5年3組の男子はみなどこかしらの野球チームが好きでいなければいけなかった。 クラスの大半の男子にとって好きな野球チームを持つことは円滑なコミュニティを形成する必須条件で、「野球に興味ない」「好きなチームなんてない」という子はクラスの中でマイノリティに追いやられた。 ガキ大将的なリーダーのタケイ君は巨人ファン。 足の早いイトウ君も身体の大きかったマツムラ君も巨人ファン。 クラスの男子半分くらいは巨人ファンで、ついで多かったのが阪神ファン、それから西武、中日のファンがポツポツといるといった具合。 そんな中、家が銭湯を経営しているホソカワ君だけは大洋ホエールズのファンだった。 大柄な彼は温和で、何かと揉め事を起こす他のクラスメイトの中で常に「
というわけで村上春樹、すごかったですね。 って過去形じゃないや。 すごいです。今も。 今日(4月22日)で発売10日経つんですけど、今日に至ってもまだ熱が冷めません。再入荷したそばからボコボコ売れていきます。 けど一番すごいなーと思うのはそういうことじゃなくて、「普通だったらそうそう文芸書の単行本なんか買わないだろう」という方々が買ってくことなんですよ。 先日ちょうど在庫を切らしてた時、若い女性から「村上春樹の本ないですか」と問い合わせを受けたので「明日入りますよ」と答えましたのですが、どうも浮かない顔をされてて。 聞けば「義父が入院してて、なんかお見舞いを考えてたらあの本が話題になってるのでちょうどいいかと思って」という話だったり。(結局「海賊とよばれた男」を買っていただきました) 女子高生が思いつめたように春樹の本を持って考えてたかと思うと「今話題になってるのってこれですよね?」って聞
人気サイト「デイリーポータルZ」がこの度雑誌になります。 その創刊を記念しまして、下記のようなイベントを行います。 「本屋焼肉~『美味しい肉を食べる』特集の雑誌を創刊するので本屋で肉を焼いてみました」 〈日時〉3月24日(日)13:00~15:00(肉がなくなり次第終了) 〈場所〉中井・伊野尾書店店頭http://homepage3.nifty.com/inooshoten/shop.htm 雑誌「デイリーポータルZ」(特集:美味しい肉を食べる29の方法)の創刊を記念して書店店頭で、有名焼肉店直送の牛カルビを振舞います。 美味しかったらその場で「デイリーポータルZ」を買ってください。定価900円です。 ○希望者にはDPZウェブマスター林雄司がサインを入れます。 ○当日の購入者に限り、特典として本誌で出てくる「肉が美味くなるシートで作った生ベーコン」を振舞います。 ○本の販売は定刻の15時ま
石橋さんと初めて会ったのは「でるべんの会」という勉強会の席だ。 本の雑誌社の杉江さんが本屋大賞について語った会だった。 私はその少し前に「新文化」という出版業界紙に連載エッセイを書いていたことがあったのだが、その「新文化」の新しい編集長として紹介されたのが石橋さんだった。 その節はありがとうございました、みたいな挨拶から始まったのを覚えている。 石橋さんとはその後NET21の取材で会ったり、何かのイベントの時に顔を合わせたりしていたのだが、決定的に関係が変わったのは2007年の夏ごろに呼ばれたある飲み会の席だ。 当時某ネット書店に勤めていたAさんという方の幹事で開かれたその会に呼ばれたのは出版社、取次、書店、システム会社など7~8人の人間だったが、ひとつの共通項があった。 それは「○○さんはプロレスが好きらしい」という話がAさんの周りで挙がった人たちである。 その後この飲み会の参加者でメー
2023年の自店セールスランキングを調べました。 一番右の数字は冊数、隣の日付は発行日です。 (2022/12/1~2023/11/30 伊野尾書店) (総合) 1 街とその不確かな壁 村上春樹 新潮社 2023/4/13 47 2 永遠なるものたち 姫乃たま 著 晶文社 2022/12/16 34 2 マジキシュガーフレンズ デアゴスティ-ニ・ジャパン 2023/2/28 34 4 ハンチバック 市川沙央 文藝春秋 2023/6/20 32 4 くじら&Co.ビッグ デアゴスティ-ニ・ジャパン 2022/11/29 32 6 AMONG USフィギュアキーチェ 追放 デアゴスティ-ニ・ジャパン 2022/10/26 31 7 汝、星のごとく 凪良 ゆう 著 講談社 2022/8/2 30 8 続 窓ぎわのトットちゃん 黒柳徹子 講談社 2023/9/30 29 8 大ピン
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