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大谷翔平
junwaidan.studio.site
不細工な男だと思った。 ディズニー映画の、悪役のトカゲみたいな、がちゃついた前歯と愛想の悪い目が目立っていて、それ以外は特別でもなんでもない男の子だった。 そこらへんによくいるサブカル男子でしかなかった。 彼の存在を認知したのは、彼がサークルに入ってきてから2年目のときで、それまではわたしと彼はただの「サークルの人」だった。話をすることすらなかった。
大阪の大学に通っていた頃、ちょっと気になる男性がいれば積極的にセックスをしていた。 セックスは、他人には見せない特別な自分を見せられる究極の行為だと思う。だからセックスをすればその人のことがよく分かる。その考えは今でも変わらないが、当時は失うものがほとんどない無敵の21歳だった。セックスしまくっていた。 彼と出会ったのはそんな頃だった。 彼は特に目立つ容姿でもなく、女の子にがっつく風でもなく、斜に構えた文学青年だった。あと、口が悪かった。
社会人2年目で一人暮らしを始めた。 ベッドでゴロゴロしながらTwitterをいじってたら、同期の仲の良い男が暇してるというので、合流して飲むことになった。 同期は一週間前に彼女ができた、彼女が可愛い!という自慢話、私は海外転勤中の彼氏と会えなくて寂しいという話をしつつ、めちゃくちゃ酒を飲み、カラオケに行った。 目覚めたら次の日の朝になっていた。全裸で、ラブホテルにいた。 2人ともかなりの二日酔いで、交換交換でトイレに篭りながら、「ヤっちゃったね~まさかお前とヤるなんて~」とお互い言い合っていた。本当に仲の良い同期の一人だったけど、まさかセックスするなんて思ってもなかった。
ドアを開けると写真で見た顔がこちらの様子を伺うように笑っていた。私は(思ったより可愛い顔してるな)と思いながら、「初めまして」と言って5つ下の大学生を家に招き入れた。彼は私がお使いを頼んだコンビニスイーツを差し出して、「はじめまして、おじゃまします」と靴を脱いだ。どうやら初対面の人の家に入るのは慣れている様子だ。彼とは1週間前にアプリでマッチングして、何度か長電話しただけで直接会ったのはその日が初めてだった。暇だ暇だと連絡があったので、私が「落ち込んでるのでくっついて昼寝しませんか」と言って家に誘った。
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