サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
体力トレーニング
katosei.jsbba.or.jp
化石燃料に代わるエネルギー源の確保が課題とされる昨今,光合成効率が高いシアノバクテリアや藻類を用いた燃料生産は,食糧生産と競合せず,カーボンニュートラルである点で注目を集めている.特にシアノバクテリアは,ゲノムや細胞の構造が単純で遺伝子操作が容易,増殖が速い,光合成能が高いなど,燃料生産ホストとして有利な性質を備えている.本稿では,多様性に富むシアノバクテリアのさまざまな性質を活かして,燃料生産技術の開発に取り組んだ最新の成果について解説する. シアノバクテリアと燃料生産シアノバクテリア(藍藻)という光合成を行う細菌をご存じだろうか? 海,川,池,はたまた陸上にも,至る所にさまざまな姿かたちのシアノバクテリアが生息している(図1図1■さまざまなシアノバクテリア).一般によく知られているところでは,食用のスピルリナや水前寺海苔,水面に大量発生するアオコ,砂利道の端でも増殖するワカメのようなイ
蚊は,人類の大敵である.蚊に吸血されると,かゆみが生じるだけでなく,生命を脅かすさまざまな伝染病,たとえば熱帯地域では,マラリアなどに感染する恐れもある.そこで人類は古くから植物からの抽出物を使って蚊を化学防御してきた.このような生存戦略をとった動物は,人類だけではない.たとえばオマキザルやハナジロハナグマなどの動物は柑橘類の果実の皮を身体に擦り付け,その忌避効果を利用していることが知られている(1)1) P. J. Weldon, J. F. Carroll, M. Kramer, R. H. Bedoukian, R. E. Coleman & U. R. Bernier: J. Chem. Ecol., 37, 348 (2011)..つまりヒト以外の動物も進化の過程で病原体を媒介する蚊から身を守る化学防御術を身に着けてきたようである.本稿では,ネコでよく知られたマタタビ反応も実は蚊
ウイロイドは最小の植物病原体であり,動物細胞からは検出例がないマイナーな存在である.また,環状のnon-coding RNA(ncRNA)という独特の構造である点においても特異な存在であった.しかしながら,近年,ncRNA, さらには200塩基以上のlong non-coding RNA(lncRNA)に関する研究が進展し,それらの生体内における役割や動態についても明らかとなっている.また,環状lncRNA(circRNA)が動物細胞から大量に見つかり,それらの役割についても明らかになりつつある.今後はウイロイドがマイナーな存在ではなく,自律複製能をもったcircRNAとして着目されることを期待したい. ウイロイドとはウイロイド(Viroid)は一本鎖環状RNA(250~400塩基)のみからなる最小の植物病原体である.1971年にDienerによってタンパク質をもたない病原体としてPota
糖尿病患者数は増加の一途をたどっており,Ketogenic diet(KD)はその独自性や特殊性から薬剤治療と異なる治療食としての効果が期待されている.また,癲癇やがんへの効果も報告されつつあるが,KDの生体にどのように作用し,影響を与えるかについての生化学的・分子生物学的な報告が少ないことと相まって,KDの使用には疑問が残らざるをえないのが現状といえる.また,KDが生体に及ぼす影響についても多くが事象論にとどまっているが現状である.本稿では,KDの作用メカニズムとして近年の報告を紹介し,その有効性をエビデンスに基づいて示したい. はじめにケトジェニックダイエット(KD)とは,糖質を制限し,糖質の代替エネルギー源として脂質を摂取する食事療法のことを一般的に指し,血中のケトン体(β-ヒドロキシ酪酸,アセト酢酸,アセトンの総称)が増加するのが特徴である.体重減少や糖尿病治療食として世間に知られ
はじめに蝶や蛾の翅の模様は多様に富み,特に枯葉や樹皮などへの擬態模様は多くの人々を魅了してきた(1)1) 海野和男:“自然のだまし絵 昆虫の擬態:進化が生んだ驚異の姿”,誠文堂新光社,2015..ダーウィン(Charles Robert Darwin)とウォレス(Alfred Russel Wallace)により始まる進化生物学において,生物のかたちや模様の多様性は進化による産物であると説明される.擬態は自然選択による進化を検証するための恰好の対象であり,その価値は現在でも変わらず重要である(2)2) 藤原晴彦:“だましのテクニックの進化—昆虫の擬態の不思議—”,オーム社,2015..擬態には,実にさまざまな戦略がある.代表的なものとして,背景に隠れる隠蔽擬態(crypsis),枯葉や枝などの自然物をそっくりまねる扮装擬態(masquerade),目立つ色や斑紋で注意を促す警告擬態(apo
© 2019 Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry © 2019 公益社団法人日本農芸化学会 改訂増補にあたってこの総説は,「統計検定を理解せずに使っている人のためにIII」の改訂増補版であり,「改訂増補版:統計検定を理解せずに使っている人のためにII」の続きである.改訂増補に当たっての詳細は,「改訂増補版:I」の冒頭をお読みいただきたい.この改訂増補版では,理解しにくい部分について,わかりやすい説明に努めた.また,研究者が比較的行う頻度が高いと考えられる多重比較や二元配置分散分析の対応のある関連多群の検定の考え方を主に書き足した. 「改訂増補版:I」では,母集団,標本,母分散,母標準偏差,標本分散,標本標準偏差,不偏分散,不偏標準偏差,正規性の検定について主に記述した.「改訂増補版:II」では,標準誤
© 2019 Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry © 2019 公益社団法人日本農芸化学会 改訂増補にあたってこの総説は,「統計検定を理解せずに使っている人のためにII」の改訂増補版であり,「改訂増補版:統計検定を理解せずに使っている人のためにI」の続きである.改訂増補に当たっての詳細は,「改訂増補版:I」の冒頭をお読みいただきたい.この改訂増補版では,「II」にあった誤りを修正した.また,理解しにくい部分について,さらにわかりやすい説明に努めた. 「改訂増補版:I」では,母集団,標本,母分散,母標準偏差,標本分散,標本標準偏差,不偏分散,不偏標準偏差,パラメトリック検定とノンパラメトリック検定の違い,正規性の検定について主に記述した.これらの理解が曖昧な場合は,再度「改訂増補版:I」をお読みいただき
© 2019 Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry © 2019 公益社団法人日本農芸化学会 改訂増補にあたってこの総説は,「統計検定を理解せずに使っている人のために I」の改訂増補版である.今後,「II」および「III」も改訂増補する.これら三部作は2013年に出版されたが,最近でもJ-STAGEでの「化学と生物」の論文アクセスランキングで常に上位を占めている.しかし,これら三部作には正しくない記載や,言葉足らずでわかりにくい内容があった.そこで,誤りを修正し,内容をさらに充実しわかりやすくするため,改訂することとなった.間違いのあった理由は,筆者の統計に対する理解不足にほかならない.筆者は統計学が専門ではない.本来このような学術雑誌には専門家が執筆すべきと考えるが,専門家による総説や専門書は,往々に
Kagaku to Seibutsu 53(4): 261-264 (2015) バイオサイエンススコープ 国際的に認知される日本の国菌 日本の国菌「和食,日本人の伝統的な食文化」は2013年12月4日ユネスコ(国連教育科学文化機関)の第8回政府間委員会で「無形文化遺産に登録」されることが決まった.この背景には,長年の日本人の平均寿命(2012年は84歳.内訳,女性は87.0歳[世界第1位],男性は80.0歳[世界第8位](2014年の世界保健統計による))ならびに健康寿命の世界首位の実績が注目されていることであろう. 日本を代表する生物をみる.国花はサクラ(桜,櫻)(「古来,花王と称せられ,日本の「国花」とし,古くは「花」といえば,桜を指している」(『広辞苑』)),「国鳥」はキジ(雉,雉子)(1947年日本鳥類学会により選定),「名産魚」はアユ(鮎,香魚,年魚),「国蝶」はオオムラサキ(
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『化学と生物 - 日本農芸化学会 -』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く