先日『革命の子どもたち』というドキュメンタリー映画を見たのだが、この映画の感想をそのまま書くよりも、まずはベルトルッチの映画について書いた方が「急がば回れ」になるのではないかと思い、とりあえずDVDで『ラストタンゴ・イン・パリ』を見直した。最初にスクリーンで見てから二十年ぶりのことになる。(以下ネタバレ有り) 初めてこの映画を見たのは、確か有楽町だったと思うが、とにかく見終わってから乾いた笑いが浮かぶばかりだったことを憶えている。 評論家で元東大総長の蓮實重彦は、ベルトルッチに試写を見せてもらって、涙がぼろぼろ出て止まらなくなったという。「それ以来彼(ベルトルッチ)は、僕のことを『泣きじゃくる教授』と呼ぶんだ」と対談で語っていたが、普段から泣きべそをかいたような顔なんだから、別に泣かなくても「泣き虫教授」くらいのあだ名はついたんじゃないか、という下世話な憶測はさておいて、笑ってしまう私と泣