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ノーベル賞
kurakenya.hatenablog.com
ライサンダー・スプーナー 「自然法,あるいは正義の科学」 ‘(訳注:以下Left and Right (主にロスバードによって書かれ,編集された雑誌)に書かれた解題) ライサンダー・スプーナーは,政治思想の歴史において多くの偉大な側面を持っていた.その一つは,彼は,立憲主義的な弁護士から個人主義的なアナーキストへと変貌していった歴史上唯一の人物だったことである.もう一つは,年をとるに従って,彼は次第に,そして容赦のない急進主義者になっていったことである.ベンジャミン・R・タッカー(Benjamin R. Tucker)が1881年に,輝かしい定期刊行誌リバティ(Liberty)を創刊して以来,スプーナーとタッカーは,盛んになっていった個人主義的アナーキズム運動における双頭の偉大な理論家であり,そうした状況はスプーナーが1887年に79歳で死ぬまで続いた. スプーナーと,より若いタッカーはあ
皆さん お久しぶりです. なぜお久しぶりかというと,僕は1月の終わりに翻訳の仕事を引き受けたからです. http://www.amazon.com/Money-Bank-Credit-Economic-Cycles/dp/1610161890/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1425650555&sr=1-1&keywords=money+bank+credit+and+economic+cycles この本はリバタリアンとして,あるいはオーストリア学派の書籍として面白い内容を含んでいるのですが,とにかく長い.900ページを超える大著で,このところ40日以上の全時間を投入しても,いまだの全体の40%にも届かないほどです.今は授業がないのですべての時間を投入できますが,4月以降は授業があるので,おそらく全体の翻訳には夏までかかると思います. さて本書の1章は,預
Nicholas Wade の「The troublesome inheritance」を翻訳する話が出たので,抄訳(特に僕がオモシロイと思ったところを協調)したものをつくった.話は流れてしまい,別の方が翻訳することが決まったので,僕の原稿はこのまま載せます. ___________ やっかいな遺産 遺伝子,人種と人類の歴史 1章 進化,人種と歴史 ヒトゲノムが解読されて明らかになったことは,人類の進化は5万年前に終わっているどころか,加速してきているということだ.人類の14%ものゲノムが3万年から5千年前に発生したものだ.チベット人は高山に適応した遺伝子を3千年前に獲得したし,カナダのケベックでは女性の初産年齢がわずか150年の間に26歳から22歳にまで遺伝的に下がったのだ.これまで社会科学では,ボアズの人類学を始め,人間はどこでも遺伝的に同じだが,文化だけが違うと考えてきた. 人類集団
1.例えばbitcoinがすべての国でのデファクト通貨になったとしよう。その時、国家の通貨発行権はどういった影響をうけるだろうか? (経済学junky はKiyotaki & Wright のモデルを参照のここと)。 ほとんどすべての巨大な国家は、納税に関しては法定通貨を要求するだろう。法定通貨で納税する義務が発生するのであれば、政府通貨と引き換えに財を売買することも当然に合理的であり続ける。とすれば、法定通貨の流通量は現在よりもはるかに少なくなるとは考えられるが、ゼロにはならない。 パラオからジャマイカほどまでの国は、法定通貨の発行をあきらめて、納税も含めてほとんどすべてをBTにするのが、通貨のかえって合理的だろう。硬貨の鋳造や紙幣の製造・印刷だって、ただではないのだから。 さて大国においても、流通量が減れば、基準となるM1, M2などが減るわけだから、政府(日銀)がわずかでも通貨発行
国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源 作者: ダロンアセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,稲葉振一郎(解説),鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/06/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (31件) を見る 今日 アセモグルの本が翻訳されていたことを見つけたので、むしろこっちについて書くことにした。アセモグルはMITの経済学教授で、発展経済学では間違いなく最も著名な学者だ。 ある国家が、なぜ豊かで、平和で、暮らしやすく、別の国はそうではないのか? という古典的な問に対して、「それは制度の違いだ」という本書の結論は、理解もしやすく、スバラシイものに思われる。 例えば、北朝鮮と韓国は全く同じ国民が、制度の違いによって、最貧国と先進国の違いにつながっているのだ。このことからは、制度が重要であることは、古典的な自由主義が発展につながることを意味しており、
わたくし、鉛筆 レオナード・E・リードさんに伝えられた私の家系図 わたしは鉛筆です。読み書きできるすべての少年少女、大人にはお馴染みの、普通の木でできた鉛筆です(注)。 ものを書くのはわたくしの本職でもあり、趣味でもあります。それ以外のことはしません。 どうしてわたくしが家系図を書くべきなのかを、不思議に思うかもしれません。ふーむ、まず第一には、わたくしの話は興味深いものなのです。そして次に、わたくしは神秘であり、木々や日没、さらに稲妻の閃光よりも、もっと神秘的なのです。しかし悲しいことに、わたしを使う人たちからは、まるで背景など存在しない、単なる偶然であるかのように、当たり前のものとして扱われています。この傲慢なる態度が、わたくしを凡庸なるレベルにおとしめています。これは嘆かわしい過ちの一種であり、危険なくして人類が存続できないものです。なぜなら、賢人G・K・チェスタートン(訳注)が見て
fuyu-sha さんからの指摘でロンドン大学のサトシ・カナザワの論文を読んでみた。この人は、昔から「知能の進化は適応であり、それは広範な行動の変化を伴う」という進化心理学(右派と呼ぶべきか)の立場の論文を書いてきている割と有名な研究者だ。 http://personal.lse.ac.uk/Kanazawa/pdfs/SPQ2010.pdf この論文でも、「知能の高さは無神論、宗教心の無さ、男性の一夫一婦制の支持」につながっているとしている。 つまり、ぶっちゃけ、知能が高いやつは平和を愛する左翼であり、右翼・愛国主義者は平均して低知能だ、というわけだ。なるほど、彼のブログは「scienctific fundamentalist」であるわけだ。 とはいえ、彼の意見は新しいものではない。John Jostも同じように左翼は好奇心が旺盛で、高知能であることを指摘しているし、おそらくこの知見はロ
おととい、日本双生児学会というものに行ってきた。この学会は、双子研究をしているだけでなく、その養育の情報交換もしているのだけれど、僕は行動科学として興味がある。 なかで面白かったのは、慶応大学の敷島さんの発表。敷島先生は、このエリアでは有名な、慶応双子研究の主催者である安藤さんの研究室にいた人。 それは多くの社会学者の主張とは全く反対に、家族間に学歴は固定していないし、むしろ反対に流動化しているというものだ。 もし、よく言われるように、高学歴、高所得の家庭に育った子どもが高学歴になるのなら、時系列的に見て、親子の学歴相関は上がっているはずだ。 実際には、戦後、一貫して下がってきていて、戦前生まれでは0.7〜8もあり、戦後まもなくは0.6以上もある。それが80年代以降生まれの子どもについては、親も高学歴化してきているため、親の学歴と子供の学歴の平均の差があまりなくなってきているだけでなく、親
たまたま最近アメリカの高騰する医療と、国民皆保険の是非をめぐっての記事を幾つか読んだので、ちょっと思うところを書いてみよう。 これはまた、よくリバタリアニズムを批判する際に、「自由の国アメリカではGDPで16%もの医療費を支払っている反面、保険に入れない人が5人に一人もいるじゃないか」という声を聞くことにも関連している。実際のところ、アメリカの医療費の増大は顕著で、ムーアの法則よろしく、戦後一貫して10年あたり3倍以上増加している。ちなみに日本は9%ほどの支出で、国民皆保険になっており、アメリカほどには医療費の伸びは顕著ではない。ヨーロッパ諸国はその支出、伸びともに中間的である。 まず、日本やヨーロッパでは医療費が抑制されている原因の重要な点は、医療費や薬価が公定されているということにある。そうすると、医師の国家資格が公定されている以上は、サービスの総供給量が抑制されているわけで、結果とし
こんにちは。 夏の夜長に、たまには学者らしいことを書いてみよう。 例えば、異星からの知的な生物が地球にやってきたとする。彼らが宇宙を押し渡ってくるテクノロジーをもっているからには、高度な数学と物理、化学、そして彼ら自身の個体への理解である心理学、自身の形成する社会への理解である社会科学をもっているはずだ。 トラやクマのように群れを作らない動物が、高度な知能を発達させるとは思われない。外界の知識の獲得(自然科学の発展)には必然的に知的な分業を伴っているはずで、それなりの社会性が必要だ。 とはいえ、彼らがハチなどの社会性膜翅類ほどに、個体が一体化してコロニーが超個体となっているのか、はたまた人間くらいに個体独自の生殖活動を独立に行い、血縁度が離れているのかについては、わからない。オオカミなどのように、主に夫婦が繁殖して、それを子どもの一部が助けるという中間的な「奴隷制」をとっている動物も多いか
小生は確か3年ほど前にD.フリードマンの「Law's Order 法の秩序」を訳そうと思って、 森村さんに頼んでもらったのだけれど、すでに版権が取られていたという経緯がある。 この本は素晴らしい本で、すべての法律家に読んでもらいたい。 そんなことはありえないだろうが、、、 それにしても、多くの翻訳家は仕事が遅すぎる。 あれから一向に翻訳が出ていない。 そういえば、キャプランの「選挙の経済学」も最近やっと翻訳が出た。 以下には著名な法律アーティクルであるマーガレット・ラディンの「商品化」の議論についての 反論が素晴らしくまとまっている。ついでにネコ科の余談も。 全訳ができなかったのは残念ですが、 一部を勝手に訳しましたので、楽しんでみてください。 ????????????????????????? Law's Order chapter 13 "Marriage, Sex and Babie
さて先日小生は『情況』編集部からの依頼を受けて、7月号に向けて、 「リバタリアンの構想するネットワークはどのようなものか」というような短文を書きました。 ご存知の方もいるかもしれませんが、「情況」は基本的に左翼誌なので、 そういうところに「貧困問題」への対処法と言う形で、 説得力のある短文を書くというのは大変困難なものだと痛感しました。 なんというか、そもそも常識と言うものを否定するための論述を展開するには 雑誌の数ページ程度と言う長さは、あまりにも短すぎるのです(苦笑)。 生協がしていることはヨーカドーがしていることと全くかわらないと思うのですが、 なぜか「営利目的でない」というのが、左翼的な人々の心に響く部分があるのですね。 それはしかし、税制優遇の部分以外については、 多様な助け合いのあり方として望ましいことです。 ????????????? 貧困問題のための新しいネットワークをリバ
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