去年買っていた『風と共に去りぬ』(鴻巣友季子訳/新潮文庫/全5巻)を、 旅の行き帰りに読んだ。 翻訳ものの苦手なわたしが、全5巻もある本を買ったのは、 こんな名作を未読であることを恥だと思う気持ちもあったし、 宝塚で舞台版を何度も観ていて、それが大好きだったからでもあった。 買ったはいいけれど、物語の長さに気後れしたり、 集中して本を読む気分になれなかったりで、なかなか読めずにいたところ、 宝塚でリンカーンを題材にした舞台を観て、 南北戦争から連想し、この旅で読もうと決めた。 読み始めてみると、これは、長い物語を必死で読むようなものじゃなく、 朝ドラのように、毎日少しずつ「どうなってしまうんだろう?」とハラハラしつつ日常を読んでいくようなところのある、 重厚だけれど軽く、人の興味を惹く展開が絶え間なく用意されている大変楽しめる小説だった。 本といえば、ひと息で読むか、読みづらくて時間がかか