世界言語のなかの日本語―日本語系統論の新たな地平 作者: 松本克己出版社/メーカー: 三省堂発売日: 2007/11/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (11件) を見る 日本語はどこから来たのか。日本文化の発祥や民族の起源はどこに遡るのか。日本の始原をめぐるこの問は、歴史学や言語学はもちろんのこと、あらゆる人文科学、社会科学にとって避けては通れない問題である。俎上に載せられて百年近く、数多くの仮説が提示され検証が行われてきたにもかかわらず、一向に解決に達していないこの問題に対して、本書は極めて大胆な仮説を投げかける。 言語や文化の起源を求めることは、場合によっては特定文化の「国籍」を求めることと同一視されやすい。たとえば「天皇家の先祖は朝鮮人であるか」などが好例だろう。しかし、文化の国籍特定するという行為が、ある事象を国民国家の枠組みに帰属させる