「ねぇ、美紀ちゃん。」 「なに? 久美ちゃん。」 「おまじない教えてあげる。」 「どんなおまじないなの?」 「怖いおまじないなの。 嫌いな子を殺しちゃうんだって。」 「怖いね。 どんな風にするの?」 「美紀ちゃん、殺したい人がいるの?」 「いないけど、知りたいな。 でも、怖いから久美ちゃんも一緒にやってね。」 「うん。 いいよ。」 「じゃぁ、教えて?」 「えっとね。 こうやって、左手で右の耳をつまんで、右手で肘を触るの」 「うん。 次は?」 「そうしたら、肘は触ったままで、左手を離して左の耳をつまんで、右手で右の耳をつまんで『おいでませ。おいでませ。』って言ってみて?」 「おいでませ。 おいでませ。」 「次は手を顔から離さないようにして、こうやって、ゆっくりと両手を自分の首の周りを掴むように持ってきて、『たのみます。たのみます。』って言うの」 「たのみます。たのみます。 って、変な呪文だね