距離計連動式カメラについて調べていると,よく「アルバダ式ファインダ」「採光式ブライトフレーム」「実像式距離計」などの用語が現れる.しかしそれらについてまとめて解説しているページがあまりないため,手持ちのスライドをカメラ技術向けに加筆修正し,まとめておくことにした. 倍率を作り出す光学系の形式 まずは裸眼(肉眼)から始めよう.我々の目にもカメラと同じようにレンズがある.まずは,レンズと画角の関係についておさらいしよう.被写体の見かけの大きさは焦点距離によって決まる.その焦点距離は,大雑把にいえば,上の図で◯から◯までの横方向の距離,f1で決まる.ファインダの倍率とは,この眼球とファインダの光学系を組み合わせた全体が作るレンズ系の焦点距離と,裸眼(水晶体単独)の焦点距離の比率のことである. まず,この肉眼だけで(レンズを使わずに)ファインダを作る場合について考えよう.一番簡単な形式は,上の図の