世界で一番レアなレコード、それはどれか? 頭の中が中学生マインドなレコード好き(つまり、ぼくのような)がしそうな話題だが、じつはこの問いには正解がある。世界で一番レアなレコードはどれなのか、それはもう決まっている。存在するけど、おそらく今後永久に、市場やオークションでお目にかかることはないし、何億円払っても手に入れることはかなわないだろう作品。 1959年、そのレコードは世界でただ一枚だけプレスされた。 なんだ、テスト盤とか、そういう類の話かよ、と勘違いされるかもしれない。そうではなく、そのレコードはある女性のために、一枚だけプレスされ、やがて彼女の元に届けられた。 その女性とは今も91歳でイギリスの君主を務めるエリザベス2世。そして、彼女のために曲を作り、それをただ一枚だけプレスして献上したのが、デューク・エリントン。レコードのタイトルは「女王組曲(The Queen's Suite)」