「ほんとうに恋愛なんか信じているの?!」 諭すような顔で私に聞いてきたアニータさんは、派遣社員をしていた時に出会ったインド人であった。 彼女は、インドのなんとかという大変有名な会社で働くSEで、日本に3週間ほど出向していた。 私は、いつもいる1階の<派遣社員&アルバイト部屋>から、たまたま4階に「出向」しており、そこで私たちはであった。 私は、ちょうど留学帰りだったこともあり、好奇心いっぱいで彼女に話しかけた。 彼女は、日本に全く馴染めずにいた。 もちろん語学の問題は大きかった。 私が当時働いていた会社には、英語を話せる人はほとんどおらず、彼女は4階の隅の席でいつもひとりだった。 しかし問題は言葉だけではなかった。 彼女は日本になじむ気が全然なかった。インドが大好きすぎて、日本が受け入れられないのである。(こういうのを私が専門の文化人類学では、自民族中心主義という…) たとえば、彼女は口に