最初に結婚したのは晩秋のことで、すぐお正月がやってきた。年末までの2ヶ月でたっぷり「知らない土地での知らない暮らし」の洗礼を浴びてはいたものの、やはり正月はベツモノだ。年末年始じゅう、私の感情は乱高下しっぱなしであった。 なんでアレをやらないの なんでこんなことするの なんでコレがおせちなの。え、お雑煮ってこれ? そのとき出てきた婚家のお雑煮は、赤味噌(味噌汁かよ!)、ワカメ(味噌汁かよ!)、大きな大根(ふろふき大根かよ!)、どろどろに溶けたもち、という人生初の衝撃的なものだった。 婚家の雑煮をディスるつもりではない。いや、違う。当時は大声でディスっていた。「あんな味噌汁で年明けを祝えるか」と、東京の友達に言いふらしていた。今思えば私とて自分の家のやり方しか知らないくせに「あんなの普通じゃない」なんてよくも言えたものだ。申し訳ない。若さゆえのあやまちとはいえ、心から反省している。 結婚とは