18歳の時、あたいはもう寸前まで迫っていた高校の卒業式を待たずに家を飛び出して、都市部のゲイ風俗に入店していた。 はじめは自分の住みかも無かったので、ゲイ風俗の寮に寝泊まりしていた。 寮と言っても、営業中(13時から深夜まで)はプレイルームとして使用している部屋だったので、ベッドは男くさいし、窓もなく換気の悪い室内は鬱屈としているもので。 「こんなとこにおったら気持ちが参るし、はやく寮を出て一人暮らししなきゃな〜〜」と思っていると、右も左も分からない世間知らずな新人のあたいを、すでに何度も指名してくれていたお客様が、 「もちぎとは腹を割って話もできるし、ちゃんと信頼できるから、俺の名義で部屋借りちゃっていいよ」と言ってくれた。あたいはラッキーと思ってすぐに一緒に部屋を探しに行った。いや今思うとあたいも彼もすごいな。 というわけで、あたいは晴れて東京で一人暮らしを始めた。安いワンルームアパー