日本における法制度と法運用の問題点を、ドイツにおけるコロナ対策と対比して、鋭く指摘した横田明美氏のインタビューは、優れた記事である。 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/85384?imp=0 私は、法律学の専門家ではないが、同じ公行政の研究をしてきた者として、われわれが改めて熟考すべき重要な指摘をされていると思う。 わが国は法治国家であると自認し、多くの法令が作られ、日常的な行政の業務もそれに基づいて実施されている、と多くの国民が思い、法律家も行政官もそのように受けとめて行動している。だが、法治主義という思想が誕生した欧州諸国のそれと比較したとき、その重要な要素を欠いているのではないか。 それを感じさせたのが、この記事の最後の方の日本の弁護士からの「なぜ人権を大事にしているドイツやフランスでこんなに強度の制限ができたんですか」という質問の部分である。