「CINEMA4Dなんか使ってるの?そりゃあダメだよ、話にならない」 「こんな作品をポートフォリオに入れちゃあダメでしょ」 もう15年以上も前、とある有名なCGプロダクションの偉い人は、僕の作品を見るなり笑いながらそう言った。 その時の記憶を鮮明に覚えている。プロダクションの会社名も、偉い人の名前も顔も、僕が「え、だめですかね」と困りつつ笑いながら答えたこともよく覚えている。 CINEMA4Dというのは当時から今に至るまでずっと使い続けているCG制作のソフトで、当時は今ほどのシェアはなく、業界的にはむしろ非常にマイナーな部類に入るソフトだった。 こんな作品と言われたのは、人間の皮膚のような質感の球状のオブジェクトに無数の釘が向けられていて、そのうちの一本が刺さってそこから血液のような液体が流れている、という、やや後ろ向きな作品だった。 たしかその時、大学の課題や授業が上手くいかず、自分が自