サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
ノーベル賞
playatuner.com
メッセージ性の強いアーティスト ブラックミュージックは常にメッセージ性の強い音楽であった。問題解決のためにメッセージを叫ぶアーティストとともに成長してきたジャンルである。現代のラッパーのなかで、メッセージ性が強いアーティストの一人といったらKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)であろう。 ヒップホップ内外からも評価され、プラチナ認定もあり、グラミーを取るほど知名度もあるケンドリックであるが、彼にとって成功とは何なのだろうか? 上記の功績は彼にとって成功の定義からは外れているらしい。彼のForbesのインタビューを読むことにより、彼の「成功」にはさらに深い意味があると知ることができる。 ➖ 俺にとって成功とは、人々が人生をさらに歩み続けたくなるようなレベルまで、その人たちの心と繋がることだ。いつも「もう生きたくない」と言って自分を傷つけるような子供たちと出会う。でも俺の音楽を聞
(この記事は医療従事者が書いたものではなく、ヒップホップと音楽の観点で個人的な意見を書いています。) 音楽とドラッグカルチャー の繋がりは今に始まったことではない。大昔からスピリチュアルなものとして自然の物を摂取する儀式からはじまり、60年代70年代にも多くのロックスターなどがドラッグの産物としての音楽を創造してきた。ヒップホップ界でもドラッグディーラーとしてのし上がったラッパーも多く、遠い存在のように思えるかも知れないが、ドラッグは常に近い位置にある。 そんな「ドラッグ」との距離は年々近くなっていると感じる。入手の難易度が低いものが「流行り」として、若いアーティストたちにもてはやされているのである。そのようなドラッグによって苦しんだMac Millerの症状ついては下記の記事で紹介している。 特に近年話題に上がるのが、モリー、パーコセット、リーン、Xanaxなどのドラッグである。様々なラ
そんな彼がTwitterにて、とある曲を「自身の最も重要な曲」と宣言した。その曲は彼の「1-800-273-8255」という曲である。この曲にはどんな意味が込められているのだろうか? 彼がアップした画像は、米国の自殺予防相談センターのプレスリリースのスクリーンショットであった。彼の楽曲が自殺予防に一役を買っているのだ。「1-800-273-8255」とは自殺予防相談の電話番号であり、LOGICがこの楽曲をリリースして以来、電話で自分の鬱症状や問題を相談する人が大幅に増えたのである。そのクリティカルな相談のなかには、実際にLOGICの楽曲でこの電話番号を知ったという人も多かったと報道されている。 この曲はLOGICが「自殺志願者」としての視点からはじまる。「もう生きたくない。自分の人生が自分のものではないように感じる」というリリックから始まり、この世界に自分の居場所がないように感じると語る。
スーパー悪役 として知られ、カルト的な人気を誇る凄腕プロデューサー/MCのMF DOOM。「スーパーヴィラン」の世界観を作り上げてきた彼であるが、Adult Swimとチームアップし、毎週1曲ずつ公開するプロジェクトの真っ只中である。(追記:中止になりました…) 以前彼とJay Electronicaのコラボの噂が報道され、彼ら2人の性格的にも「絶対リリースされないでしょ」と思っていたが、どうやら私は間違えていたようだ。この度Jay Electronicaとのコラボ曲が公開され、さらにはMF Doomのキャリア初期に組んでいたKMDというグループのアルバムが今年中に発売されるとの報道もあった。 KMDはMF DOOM(Zev Love X)、Onyx the Birthstone Kid、故DJ Subroc(MF Doomの弟)によって結成されたグループであり、今回のアルバムは25年ぶり
大統領のスタント的な発言 に感化されたからか、過激な人種差別行動を起こす人たちが目に見える形で増えている。もちろん人の思想というものは、長年の経験に基いて培われるものであり、人種差別はトランプのせいで始まったことではないが、近年表立って目立つようになったと感じる。見た目や宗教観などが自分と違うというだけで、「この国から出て行け」と酷い言葉を投げかけられた人たちが多数いる。先日のシャーロッツビルでの白人至上主義者のデモ/暴動のような問題が毎日のように報道されるなか、私たちは何をすればいいのだろうか?非常に難しい問題である。そのような人種差別行動を起こす人たちを言葉や暴力で迎え撃つことによって、一時的に世の中が「良くなった」と感じる人もいるだろう。しかしそれは本質的な問題解決に繋がるのだろうか? なおこの記事は差別問題の解決などに対しての私の個人的な考え/意見を全面的に押し出すものであり、まと
ドープ or ワック ドープなのかワックなのか?このような議論は世界中のバーバーショップで常に行われている。ドープやワックは個々の定義があると思うのだが、例えばVince Staplesが言っていたように聞いていた時の年齢によっても変わってくるであろう。 恐らく自分がどのような理念で生きているかによってこのような「主観」というものは変わってくると思うのだが、様々なアーティストに聞いてみたいことではある。そのアーティストがどのような理念で活動をしていて、何を世の中に対して表現しようとしているのか?アーティストの「ドープorワック」の定義を聞くとなんとなく分かってくる可能性がある。 そんな「ワック感」についてインタビューにて語ったのがケンドリック・ラマーである。楽曲「ELEMENT.」では「ブラックアーティストとワックアーティストには違いがある」と語っている彼であるが、彼のワックの定義とはどの
素晴らしいプロデューサーたち についてはPlayatunerでは頻繁に取り上げている。もちろんスタープロデューサーという存在は少なくはないが、プロデューサーたちが今以上に評価されてもいいのではないか?と感じている人たちも多いだろう。そんな凄腕プロデューサーのうちの1人であり、Playatunerのお気に入りのプロデューサーがAlchemist(アルケミスト)である。 説明する必要はないと思うが、The Alchemistはベバリーヒルズ出身のプロデューサーであり、Dilated Peoples、Mobb Deep、Royce Da 5’9″、Nas、Action Bronsonなどのアーティストを手がけている。またエミネムのツアーDJも担当していた。1997年からプロデューサーとして本格的にキャリアをスタートし、さまざまなスタイルのビートを世に出してきた。90sブームバップ的なスタイルから
【GoldLinkインタビュー】GoldLink本人と探る地元DMVエリア。彼の音楽にどのような影響を与えたか? Interview & Translation: 渡邉航光(Kaz Skellington) Photos: Kento Watanabe 地元をフィーチャーしたアルバム というフレーズを聞くと、近年の作品で思い浮かべるのがGoldLinkのデビューアルバム「At What Cost」である。GoldLinkはワシントンDC出身のラッパーであり、ヒップホップ/R&B/ハウスなどの音楽を混ぜた独自の「Future Bounce」というジャンルを確立している。彼は2013年から2014年にかけてサウンドクラウドで話題になり、その後非常に評価の高いミックステープ「The God Complex」「After That, We Didn’t Talk」をリリースしている。 そんなGol
メディアとアーティスト の関係というものは大変興味深いものだ。アーティストのことをプロモーションをし、良好な関係を築けている場合もあるが、メディアの発信の仕方によっては最悪の関係性になる場合もある。「メディア」という言葉の語源「Medium(中間)」の言葉通り、音楽メディアはカルチャーやアーティストと読者の間に入り、情報を発信していくことを目的としている。メディアの理念によっては、独自の解釈や意見をきちんと「意見」だと示した上で発信したり、ヴィジョンを持ってカルチャーに貢献しようとしたりするものもある。逆に仕入れた情報を簡素化して、ニュースリリースのみを発信する場もある。 そのなかでどのような情報を発信していくかにより、世間のアーティストに対するイメージも変わってくるのだ。そのように意味でもメディアというものの責任は大きいと感じる。どちらにせよメディアとアーティストの関係性というものは非常
作品に対しての姿勢 という話題はPlayatunerでは今までに何度も取り上げている。アーティストが自身を表現する作品をどのように捉え、どれだけ時間を込めているか?このような話題は私のなかでも常にホットな内容である。様々なアーティストの事例を読み取ることにより、リスナーとしての作品との向き合い方も変わってくるのでオススメである。 そんな「作品との向き合い方」であるが、この度SZAの面白い話が出てきたので紹介したい。既に日本のメディアでもこの話は簡単に紹介されているが、なんと彼女のハードディスクがレーベルTDEに奪われたという旨である。TDEに所属しているSZAであるが、彼女はこのように語っている。From:The Guardian SZA:私は全部フリースタイルするの。それを改めて聞いて「これはクソかな…どれが駄目かな…」って考える。もしそれがクソで、手直しができない場合は「うわぁこれまじ
Writer: 渡邉航光(Kaz Skellington) アメリカ西海岸のモダンファンク 世間的には「ファンクは昔の音楽」というイメージが強いだろう。現代はDam Funk等に代表される「モダンファンク」というジャンルがあるが、実はカリフォルニアを始め西海岸にはモダンファンクのインディーズ・レーベルが山程あるのを知っているだろうか? どれもアンダーグラウンドシーンのレーベルだが、正直ここまでクオリティの高いモダンファンクをやっているシーンはアメリカの他の地域にはないだろう。ヨーロッパにもかなりモダンファンクレーベルはあるが、やはり西海岸の海沿いで生み出されるヴァイブズと比べてみると違いは明確だ。 ぶっといシンセベース、80年代ドラムマシーンの音… ここでは他のメディアではまず取り上げられないであろうそんな西海岸のIndieなモダンファンクレーベルとアーティストを紹介したいと思う。ほとんど
2017年7月も 素晴らしいアルバムたちがリリースされた。2017年は今のところヒップホップ的には素晴らしい年であると感じる。様々なアーティストがアルバムをリリースし、今年のトップ20は選ぶのに苦労しそうである。そんな2017年7月にリリースしたアーティストのうちの1人がTyler, the Creator(タイラー・ザ・クリエイター)である。彼については下記のモチベーショナルな記事がオススメである。 そんな彼が7月21日にリリースした新アルバムが「Flower Boy」である。リリースの10日前にはリークしていたので、リリース前から聞いた人は多いと思うが、このアルバムはCherry Bombに比べたら攻めてる感は少ないが、Tyler, the Creatorらしい「後発的じゃない」サウンドとなっている。このアルバムではフランク・オーシャン、ASAP Rocky、Anna of the N
インターネットの発達により 様々なアーティストがインディペンデントに活躍をするようになった。インターネットでバズり、それがきっかけでメジャーレーベルと契約する者もいれば、自分でレーベルを立ち上げ、自分の「アート」を作ることに集中する者もいる。特に2000年代後半以降はヒップホップ・コレクティブと呼ばれるアーティスト主導のレーベルのようなものが世の中に多く輩出された。 Odd Future、A$AP Mobb、Pro Eraなどのコレクティブは、実際に爆発的に売れる以前から話題にはなっており、日本でも情報をキャッチすることができた。大勢で活動し、お互いのスキルを補い合ってきた彼らのようなグループ編成は、瞬く間にインディーズラッパーの間である意味流行りとなった。しかし近年では、また違う流れが業界内でキテると感じる。それは逆に少数精鋭で活動し、「水面下で帝国を築き上げる」アーティストたちである。
2000年代のロックシンガー で最もアイコニックであった人が亡くなった。2017年7月20日にロックバンドLinkin Park(リンキン・パーク)のボーカリストChester Bennington(チェスター・ベニングトン)が自宅で自殺した。ラップ・ロックバンドとしてヒップホップ界隈にも愛されていたバンドであったため、様々なヒップホップアーティストたちも追悼コメント寄せていた。リンキン・パーク関連といえばPlayatunerではラッパー、マイク・シノダのソロプロジェクト「Fort Minor」について書いている。 Playatunerは一応ヒップホップメディアということもあり、今回の記事を書くか迷った。しかし私もリアルタイムのファンであり、ヒップホップファンに及ぼした影響も大きかったため、書かせて頂く。この記事は私の個人的な経験や想いから成り立っているので、他の「周知の事実を考察する記事
Dr. Dreドキュメンタリー は既にいくつか出ている。彼のファミリーツリーを含めて、彼の大きすぎる人生をおさらいすることにより、モチベーションが高まるので、私は彼のドキュメンタリーを見るのが好きだ。そういう意味で先日HBOにて公開されたDr. Dreドキュメンタリーは期待できる内容であった。彼の人生ストーリーはもちろん、彼のスタジオでの様子や仕事に対する理念を確認できそうな作品であった。 そんな新ドキュメンタリーの一部が様々な箇所でアップされているのだが、そのなかでも「エミネムとの出会い」が興味深いので紹介をしたいと思う。実際に彼らの出会いのエピソードは様々なところで語られているので、かなり有名な話であるが、再確認のためにも紹介したい。Playatunerでも頻繁に紹介している【ヒップホップドリーム】にも共通する話である。 Dre:当時俺は一緒に仕事をするアーティストがいなかったんだ。だ
数々の人気ヒップホップ番組が全米にて放映されるはるか昔、この番組「Graffiti Rock(グラフィティ・ロック)」の構想は始まった。この番組が「伝説」とされているのには複数の理由があるが、このグラフィティ・ロックは1984年6月29日に一度放送された限り、その後電波の日の目を見ることはなかった。パイロット版として、レギュラー化するための検討材料として制作/放映された番組である。全米初のヒップホップ番組であったため、世界初のヒップホップ番組でもあると言える。 この番組は1984年にMichael Holman(マイケル・ホルマン)によって構想/開始されたプロジェクトであった。彼はダンスグループ「New York City Breakers」のマネージャーであり、まだ当時一般的には知られていなかったヒップホップ文化を広めようという志を持っていた。サウス・ブロンクスで生まれたこのムーブメント
ファンキーな音楽を作りたい 現代音楽をやっている方であれば、一度はこのような事を思ったことがあるのでないだろうか。そのような希望を持っているミュージシャンにこの動画をオススメする。P-Funkのブーツィー・コリンズが笑顔でファンクの作り方をレクチャーする動画である。 よく「ファンキーなベースラインがつくれない」「後ろノリができない」「裏のアクセントが云々」などの悩みを聞く。しかしブーツィーが伝えたいファンクのベーシックはそのどれでもない。海外の文献やインタビューでは、ファンクのベーシックについて語られているのでここではっきりブーツィーおじさんに言って頂こう。 「ファンクのベーシックはド頭の1である。」 そう、ファンクのベースアクセントは1拍目につけるのである。 1..2..3..4..1..2..3..4 の中の1に大きなアクセントをつけ、後はその間に自由に感じた音を入れるブーツィー・コリ
そんな彼がインタビューにて語っていることに非常に共感したので、またもや紹介したい。彼の理念だけではなく、これは業界全体に言えることなのではないだろうか?恐らく音楽ファンの多くが疑問に感じていたであろう世間のアーティストへの対応について、彼はこのように語った。 Vince:90%ぐらいの話題は、作品のクオリティについてじゃないんだ。この番組以外で音楽について話したり、音楽の質問をする番組/インタビューってあるか? Ebro:確かに…ないな。 Vince:だろ?いつもインタビューの原稿や質問リストみたいなのが用意されているけど、大体はインスタグラムやSNSでの活動についてや、どんな生活してるかとか、他のインタビューで言ったことについての質問ばかりだ。例えば昔Lil YachtyやLil Uzi Vertがこの番組に出たとき、音楽の話しをしていたから、それが話題になったんだ。んで結局その後のイン
ヒップホップドリーム Playatunerでは頻繁にアーティストのモチベーションとなるようなストーリーを紹介している。以前は「DesiignerのPandaのビート」や「Fabolousの人生が変わった日」や「ファレル・ウィリアムスとマクドナルド」について紹介した。 今回はMobb Deepがどのようにしてラップゲームに入ったかを紹介したいと思う。現代では「ラップゲーム」に入るとしたら、やはりYouTubeなどのサービスを駆使する必要があるが、90年代のアーティストにとってはそうもいかなかった。Smif-N-WessunのTekにインタビューをさせて頂いたときにもそのように言っていたが、90年代のアーティストにとっては「外に出ていき行動をすること」が大切だったように感じる。それを実感できるエピソードをMobb DeepのProdigy (Rest in Peace)が紹介している。 Pro
ヒップホップ界はまた1人、レジェンドを失った NYクイーンズブリッジ出身のヒップホップデュオ、Mobb Deep(モブ・ディープ)のProdigyが本日亡くなったとのニュースが入ってきた。彼は42歳であり、現在Art of Rapツアーでラスベガスに滞在していた最中であった。 彼はGhostface Killah、Onyx、KRS-One、Ice-Tなどとツアーを周っており、週末にはラスベガスにてライブパフォーマンスもやっていた。彼は長年、鎌状赤血球症という遺伝性の貧血病と戦っていた。彼のパブリシストはXXLにてこのように発表した。 ➖ とても悲しく、信じたくない出来事ですが、我が友のアルバートジョンソン「Prodigy」が亡くなりました。彼は数日前のラスベガス公演の後に、Sickle Cell(鎌状赤血球症)が原因で入院をしていました。多くのファンは知っているかもですが、彼は生まれたとき
スタイルを変え、進化する アーティストはリスペクトに値する。周りからの評価がつきもののこの世の中では、自分の「表現」に沿って「アート」を出し続けることはとても難しい。批判を恐れずに自分が出したいと思ったものを出す、そんなアーティストはとても重要なのである。常に進化をし、スタイルを変えてきたヒップホップアーティストと言ったらOutKastのAndre 3000であろう。彼はまさにイノベーターである。 そんなOutKastのキャリアのなかでも、最も大きな変化と言ったら「Hey Ya!」が収録されているアルバム「Speakerboxxx/The Love Below」であろう。実質Andre 3000とBig Boiのソロアルバムとなった形であるが、実はあのAndre 3000もHey Ya!をリリースする際に「恐れていた」のである。2014年のHipHopDXにてこのように語っている。 And
LAのシーン は一概に説明できるものではないと感じる。90年代のギャングスタ・ラップから、ビートシーンまで、まさに音楽の「メルティングポット(人種のるつぼ)」のような場所である。以前Thundercatの「Drunk」にも曲を提供しているLouis Coleがやっているバンド「KNOWER」のインタビューをやったときに、彼らがとても印象的なことを言ってたことを思い出した。 「LAは他の場所から演奏しにくる人が多いのもあって、本当に色々な人が集まっている。」 様々なバックグラウンドを持った人たちがLAに集まり、活動をしているため、ある種の化学反応が起きていると感じる。そのなかでも2010年代を代表するLAのシーンと言ったら「ビートシーン」であろう。今でこそFlying Lotus、MNDSGN、Knxwledgeなどはシーンを超えて愛されているが、2013年時点でのショートドキュメンタリーが
そんな彼が私がイメージする「サイクル」について語っている動画が下記である。彼がBeats1のSoulectionラジオに出演した際にSoulection代表のJoe Kayと語った内容が面白いので紹介させていただく。 Joe Kay:Flying LotusをStones Throwに加入させようと思ったことはないの?ずっと気になってたんだ。 PBW:面白いことに、Flying Lotusは昔Stones Throwでインターンをしてたんだ。俺に曲を聞かせてくれたりしたんだけど、当時の彼の音楽はJ DillaやMadlibの音楽に似ていたんだ。もうMadlibやDillaはいるから、Flying LotusをStones Throwにいれることはしなかったんだ。でもその数年後、彼は「自分のサウンド」を見つけた。少し契約しなかったことを後悔しているけど、彼は自分のレーベル「Brainfeed
と言えば誰を思い浮かべるだろうか?Just Blaze、ファレル・ウィリアムス、カニエ・ウェストなど様々なアーティストが活躍をしてきた。90年代の良さも残しつつ、ポップリスナーが聞いてもインパクトのあるヒップホップがメインストリームにて広まった時代だったと感じる。その2000年代のサウンドを作り上げた1人と言っても過言ではないのが「Scott Storch(スコット・ストーチ)」である。 彼は日本ではあまり表立って名前が出ていないが、彼の作品を知らない人はいないだろう。The Rootsのキーボーディストとしてキャリアをスタートさせた彼であるが、彼の人生の転換と言ったらDr. Dre「2001」であろう。この作品はドレーとScott Storchによって作り上げられたものと言っても過言ではない。「Still Dre」のピアノフレーズはScott Storchのフレーズであり、その後も彼はB
Kanye West(カニエ・ウェスト) 今では業界最大手と言っても過言ではないアーティストとなったカニエ・ウェスト。去年はトランプ関連であったり、入院であったりで世間を騒がせた彼であるが、常に新しいことにチャレンジする精神を持っている数少ないアーティストのうちの一人だと感じる。そんな彼のデビューアルバム「The College Dropout」は2004年2月10日に発売された。ソウルの再構築とでも言うべきか、このアルバムでソウルの「ボーカル」を上手くトラックに落とし込むスタイルを確立したのである。400万枚以上のセールズ記録し、「最もクオリティの高いデビューアルバム」と呼ばれているこのアルバムであるが、有名なエピソードから隠された豆知識まで紹介していきたい。 レーベル探しに苦労した カニエ・ウェストはラッパーとしてデビューする前に、Jay ZやTalib Kweliなどを手がけ、プロデ
今年の5月に最新ミックステープ、”Coloring Book(カラーリング・ブック)”をリリースしたChance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)。インディペンデントアーティストとしてグラミーにノミネートされ、彼の功績は既に相当大きいものだ(追記:3部門受賞した彼のスピーチはこちら)。 彼は今年、地元シカゴの大学に呼ばれ、1時間以上にもおよぶ講義をおこなった。その内容を見ると、今後の音楽業界の流れが見えてくると感じたので前半の要約を紹介をしたい。後半はこちら Chance The Rapper レコード会社が悪役みたいに描写されてる映画とかを見たことある人いる?俺は自分の父親がそういう映画を見ていた影響で、レコード会社と契約することにマイナスなイメージを抱いてたんだよね。 実際の契約内容とかについては詳しくないけど、何かしら諦めることになるのは知っていたんだ。 実は2012年
音楽とプロテスト は常に隣り合わせであった。隣り合わせというより、音楽のなかにプロテストが生きているのかもしれない。特にヒップホップは歴史的にも公民権運動的な側面も強く、込められたメッセージはどのジャンルよりも強い場合もある。 特に今年はドナルド・トランプが大統領に就任し、彼のポリシーに対するプロテストが多く行われている。ヒップホップ界でもYGをはじめとし、スヌープ・ドッグ、エミネムなど様々なアーティストがトランプに対してものを申しており、プロテスト音楽としての本領を発揮しつつあると感じる。そんななか、政治にたいして今まで数回発言してきたのがNasである。彼は今までジョージ・ブッシュを批判したり、オバマに対して喜びを表したりしてきた。そんな彼がMass Appealにて綴った文章がとてもパワフルなので、ハイライトを紹介したい。 From: Mass Appeal Nas:黒人がアメリカにて
は自分がリスペクトしている音楽を新しくリノベートする役割以外にも、様々な意味を持っていると感じる。そのうちの一つは「若い世代に紹介」する役割であろう。特にブラックミュージックはサンプリングのおかげもあり、昔の曲が常に現代にて蘇っており、時代を超えて常にフレッシュに愛されている。 関連記事:ロバート・グラスパーがジャズとサンプリングについて語る サンプリングを使用したヒップホップは時代とともに進化をしてきたが、その進化について考えるとき、90年代の最後にリスナーを2000年代へと誘ったアルバム「Dr. Dre – 2001」を思い出す。そのなかで最も印象に残るサンプリングを使用した曲は「The Next Episode」であろう。サンプルを実際に生演奏で再現したという意味でも、90sのイメージとはかけ離れたサンプリングサウンドとなっている。 サンプリングにたいしてマイナスなイメージを持ってい
は今では日本でもたくさんのフォロワーがいる。フリースタイルダンジョンなどのテレビ番組の功績もあり、ラップバトルが様々なCMなどでも使用されるようになっている。そんななか、海外のラップバトルシーンの取り組みについて少し紹介したい。 海外のラップバトルシーンと言えば米国のSmack/Ultimate Rap League(URL)、カナダのKing of the Dot(KODT)、イギリスのDon’t Flopがラップバトルリーグとして有名所だろう。KODTなどはあのドレイクがわざわざチケットを取って見に行ったDumbfoundeadなども参加しており、人気バトルも生まれた名リーグとなっている。今回はそのようなラップバトルリーグが4月1日のエイプリルフールに開催する「褒めまくるラップバトル」を紹介したい。 日本でも「褒め殺しラップバトル」などの企画はいくつかあるらしいが、この手のスタイルはイ
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『Playatuner - Story Behind the Music』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く