冠詞 復刻版 第1巻 定冠詞篇 作者:関口 存男三修社Amazon 「ドイツ語の神様」関口存男の天下の奇書『冠詞』が復刻された。彼の著書の中でおそらく唯一読んでいない本だ。なにしろ天下の奇書であるからして一冊五万円は決して高くはない。ただ自分に残された時間を考えざるをえない年齢になってしまったわたしは、これから先買うことも読むこともないと思う。 ところで二十年来頭にこびりついて離れない疑問がある。他でもない「関口存男の本を読んでドイツ語ができるようになるのか?」というクソナマイキ極まる疑いである。 もちろん外国語の習得には実践が第一であるから、水泳や楽器と同じように、教則本ばかり読んでもうまくならないのはあたりまえだ。しかし関口存男の文法書群、特に中上級者向けの本はそういうのとは次元の違う問題をはらんでいるのではないか。 つまり、関口文法書群が提示しているものは、ほんとうのところ、ドイツ語