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井筒俊彦は私にとって20代くらいから「スター」であり、天空にきらめく明星のごとき存在であった。まさにこれこそ、哲学のお手本であり、思想とはこういうものであるべきである。 幸いにも近所の図書館に著作集があり、体系的に読み直している。 あらためて気づいたのは「言語の深層」への関心が、たいへん強いことだ。その当時の構造主義的な世界理解の、ずっと先、深奥の領域に視線をそそいでいる。特に空海の言語哲学、あの「声字実相義」の世界に、かなり好感を抱いているように、思われる。またそれは、イブン・アラビーの「存在エネルギーの湧出」という世界観とも親和的である。その意味でやっぱり、『イスラーム哲学の原像』が、井筒思想への入門書であると同時に中核でもあるだろう。 井筒の言う「言語アラヤ識」とは、むしろ、「世界地平生成の作用」というものであることが明らかになってきた。言語というが、それは「原言語」なのであり、必ず
凡庸なる「哲学史入門」の本がたくさん生産されている。凡庸と言って悪ければ、常識に沿った内容だということだろう。つまり、近代ヨーロッパで成立した「哲学」のやり方を「よし」として、それについての基本知識を解説してあげようという本である。古代・中世と東洋(アラビアを含め)についてはほんのサワリ程度ですませ、デカルト以降がかなりくわしく現代までやって、最後にテーマごとに「考えてみよう」的な項目が並ぶ、というのが標準的な構成だ。だいたい高校の「倫理」の参考書と大差はない。ただ、高校の倫理では、ルネサンスについていまだに「宗教に支配された中世の迷妄を破り、人間的主体性の思想を確立した」のごとき古くさい観念が生き残っているので、そういう部分では新しい見方が取り入れられてはいる。 だが、こうした本をいくら読んでも、結局哲学というのは何を明らかにしようとするのか、よくわからないままである。つまり、人それぞれ
ところで、このへんで私の「スピリチュアル思想」について少し述べておきたい。 ●永遠主義の哲学 私の考えの基本は「永遠主義」の哲学である。それはヒューストン・スミスの『忘れられた真理』とかオルダス・ハックスリーの『永遠の哲学』に書かれている通りなのだが、近代以前にかなり普遍的に存在していた神秘的哲学である。それを単に研究対象とするのではなく、それは実は、かなり(人類が知的に理解できる限界において)「真理」に迫り得ているのではないか? 我々はそれと大まじめに向き合い、文明を再構築すべきではないのか? という考え方というわけである。こうした永遠主義思想の中でも代表的なものが、プロティノスの新プラトン主義思想、インドのヴェーダーンタ思想、仏教における華厳思想などである。思想とは新しくなければいけないというものではないのだ、ということである。 ●トランスパーソナル心理学との関係 一部は「トランスパー
科学知と哲学知(根本的な意味での)との関係をめぐっては、講義の準備の中でだいぶ考えてきた。血液型判定の迷信を見てもわかるように、あいまいに把握された「科学」への過剰な権威づけが、本来の「知」のあり方をゆがめているように思われるからだ。逆に言えばこれは哲学知の根源性がじゅうぶんに理解されていないことを意味する。これはまあ、哲学者自身にも責任があるのでやむを得ないが、世の中一般に、哲学的・思想的問題設定というものがほとんど理解されることがない。たとえば新聞の書評欄などを見てもわかるだろう。本を大量に読んでいる知識層と見なされる層の中でいっても、本当の意味での「存在の謎」という問題意識がどういうものであるのか、生きた経験として理解している人が何パーセントあるのだろうか。つまり世界がここにあって、「私」がここにあるということを自明の前提としたところから、99%以上の知は構築されているといって過言で
今年3月に出ました紀要論文を紹介します。 「透明な力で人を動かす ―無分節/分節の世界モデルより理解された身体とエネルギーの関係について―」 最近やってる武術的身体操作の研究の一つで、いわゆる「相手の中に入る」という現象(これが合気とも考えますが)について、その本質を考えたもの。これに際して、井筒俊彦の無分節・分節の世界モデルから解釈しています。一般的な近代的な世界理解からは理解不能であるものを、拡大した枠組みによって理解可能なものとするというわけです。 なお、そもそも相手の中に入るとか、無力化するという現象がそもそも存在するのか、という問いはここでは対象外です。 あえて、そのようなことが経験の地平として実在することは自明なものとみなしています。 そのこと自体は経験すればわかることであって、科学的あるいは学問的な論証の埒外にあると考えます。 もちろんそれを「信じない」という人に対して、実在
菅原晴氏の「エネルギーと意識」に関する見解は、以下のポイントに集約されます。 意識とエネルギーの統一性: 菅原氏は「意識とエネルギーは同じもの」という理解を持っています。彼によれば、宇宙意識は宇宙エネルギーと同一であり、個人の意識はその人のエネルギーと等しいとされています。 意識エネルギーの同調: 意識エネルギーを高いレベルに保ち、低次の自我(エゴ)に影響されないようにすることが重要であるとし、意識を高次元と同調させることを目標としています。 エネルギーワーク: エネルギーワークは「万物の源である霊的エネルギーとつながる」状態を作るための手段として述べられています。霊的エネルギー、あるいは高次元エネルギーの本質は意識であるとされています。 現実の創造: 意識の設定によって「新しい現実を創造する」という考え方があり、高次元エネルギーの同調を通じて現実のバージョンを更新することが可能で
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