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ノーベル賞
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物価動向をみるとき、エネルギー価格を除外して物価指数のすう勢をみることが習慣化している。しかし、常識に反してエネルギー価格は景気に敏感であり、消費者物価からエネルギー・食料(除く酒類)を除外したコア・コア指数の方が感応度は乏しい。デフレ脱却のためには、失業率が十分に低下し、エネルギー価格上昇が他の価格転嫁を促すとき、物価はプラスに浮上する。 <重視されるコア・コア指数> 日銀は、2010年4月の展望リポートで消費者物価(除く生鮮食品)が2011年度に前年比0.1%のプラス(政策委員全員のレンジはマイナス0.1%─プラス0.3%)に浮上する見通しを示した。日銀の見方は、自律的景気拡大が次第に浸透し、物価上昇圧力が高まってくるというものである。 こうした日銀の見方に対する筆者の見解を示す前に、まず、一般的な物価の見方について整理しておこう。通常、物価指標は、1)市況に敏感に反応するエネルギー価
<ついに公開会社法の議論が法制審の場へ> 「公開会社法」(仮称)の制定を視野に入れた会社法制の見直しが、2月24日の法制審議会に諮問される見通しである。昨年の総選挙で政権の座に着いた民主党は、選挙向けの政策集において「公開会社に適用される特別法として、情報開示や会計監査などを強化し、健全なガバナンス(企業統治)を担保する公開会社法の制定を検討します」と述べていた。 同党は2007年以降、プロジェクト・チームを設けて検討を続けてきたが、今回の諮問で立法への動きが本格化する。公開会社法構想の背景にある考え方は、上場会社など、幅広い投資家の参加する資本市場にアクセスできる会社には、250万社(旧有限会社を含む)に上る株式会社全てに適用される会社法の一般ルールとは異なる特別の規制を課すべきというものである。 民主党とは別に、早稲田大学の上村達男教授を中心とする研究グループも「公開会社法要綱案」を作
世界経済は大恐慌以来の大規模な経済危機の最中にある。危機への対応を国際的に担う場が、第1次石油危機では欧米の大国と日本だけをメンバーにしたサミット会議だったが、G20と呼ばれる中国やインドなどの急速に経済規模を拡大しつつある途上国を含めた形で進められようとしていることでも、危機の深さがうかがわれるだろう。だが、この危機はグローバルで大規模だが短期的な経済危機というよりも、市場経済のあり方をめぐる長期的な難問と深くリンクしている可能性がある。 <金融システムへの公的資金注入と金融機関の巨大化> 超短期における対応については、金融システムを防衛しなければならないという点で、ほとんど議論の余地はない。世界を代表するような巨大金融機関が軒並み破たんの危機あるいは実質的に破たんしている現状では、金融システムの防衛に公的資金を投入することは不可避である。 だが、中長期における金融制度のあり方に関する見
COLUMN-〔インサイト〕円高イコール交易条件改善は事実でない、輸出産業の受けた被害=エコノミスト 岡田氏 <比較優位の原理> リカードによって明確に定式化された古典的貿易理論の結論は「比較優位理論」として知られている。だが、多くの人々がこの「比較」の意味を取り違えている。ここでいう「比較」とは、国際比較ではなく、ある国の中での「比較」なのだ。つまり、あらゆる産業で高い生産性を有している国と、逆にすべての産業で低い生産性しか実現できない国とが国際市場で競争したとき、高い生産性を誇る国が一方的な勝利を収め、全ての産業の生産性で劣っている国に対して、一方的に商品の輸出を行うなどという意味ではないのである。 広範な国民に対して高い水準の教育を施し、練度の高い労働力を確保して、高度の研究・開発能力を有しており、さらに産業をサポートする堅固で先進的な金融産業を持っている国なら、どんな商品の生産にお
最近の経済指標では、良好ではなくても悪化のペースが緩んだ、あるいは悪化傾向に一服感が出ている指標も見受けられる。例えば米国の消費者信頼感統計で、1月の労働市場の悪化が止まった。ドイツのIFO景況感指数では若干、改善を見せている。確かに悪化を続ける指標も多いし、加速するものもある。1月米雇用統計では(非農業部門雇用者数の)50万人の減少が予想されている。 このような環境の中、投資家の関心が若干変わってきたように思う。今月中旬までは下方修正競争もあり、どれだけ悪化するかが主な話題であったが、ここ2週間では景気の底入れタイミングが話題になってきている。 <米住宅市場の底打ちまで2年かかる計算> タイミングをめぐる最大の問題は、やはり米国の住宅価格であろう。経済理論を背景にした信頼できる計量モデルはなかなかないようだが、チャート式分析は参考になる。例えば日本の場合、実質住宅価格は1990年にピーク
COLUMN-〔インサイト〕目立つ輸出産業の急速な調整、懸念される危機感のギャップ=エコノミスト 岡田氏 <実現しなかったデカップリング論> 2008年9月15日、リーマン・ブラザース<LEHMQ.PK>が米連邦破産法11条を申請し破たんしたことをきっかけにして、世界の金融市場はほぼ完全に機能麻痺(まひ)状態に陥り、その悪影響は直ちに世界中の実体経済にも波及を開始した。2007年春からくすぶり、7月にフランスの投資銀行であるBNPパリバ<BNPP.PA>傘下の投資ファンドがサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)関係資産の時価評価を停止したことで始まった金融危機は、2008年3月のベア・スターンズの事実上の破たんと救済合併を経て、沈静化に向かうのではという一部の思惑を生んでいた。 その根拠として、国内需要のおう盛な新興国家群、ことに巨大な国内市場を擁する中国、インド、ブラジル
最近の市場と経済の激動ぶりを評して「100年に1度」という形容詞が定着してしまった感がある。そのためか時間の経過は恐ろしいほどに速く感じられ、2006年1月にバーナンキ教授がFRB(米連邦準備理事会)議長に就任して既に3年近くが経過してしまったことに驚かされるのは筆者のみではあるまい。彼が経済学部長を務めていたプリンストン大学は、アインシュタインを擁していた高等研究所で高名だが、同時にマンハッタンへ1時間ほどという立地もあって、伝統的にアメリカの金融政策に強い影響力を持っている。その経済学部長にして、世界大恐慌研究の第一人者であるバーナンキがFRB議長に指名されたと聞いて、最初に考えたのは、これで世界大恐慌が再来しても万全の布陣が整えられたということであった。 <リーマン破たんの決断、危機を深化させた可能性> だが、現実はそうした楽観を簡単に打ち砕いている。栄華を極め、アメリカの経済力を象
<思い返される三洋証券の破たん> 1997年に始まった日本の金融危機は、最初に業界中堅の証券会社であった三洋証券の倒産がきっかけとなった。この証券会社の規模自体は、決して巨大ではなく、それだけで日本の金融システムを破たんに追い込むようなものではなかった。 だが、コール市場(金融機関相互の短期資金市場)の参加者であった三洋証券を、事業会社を前提とした当時の破産法制の下で処理したため、一時的とはいえ、債務不履行が生じてしまったのである。コール市場で取引される資金は、多くが無担保であり、翌日決済されるものだ。つまり、金融機関にとっては現金と同じものなのである。その資金に債務不履行が生じたインパクトは巨大であり、三洋証券の破たんの日を境にして、コール市場は事実上機能不全に陥ってしまったのである。 こうなると、金融機関は、たとえ十二分な優良資産を保有していても、日々の決済資金の調達に不自由を感ずるこ
デリバティブ取引のクリアリング機構設立が急務=金融安定化フォーラム 2008年10月11日 08:29 [ワシントン 10日 ロイター] 金融安定化フォーラム(FSF)は10日、ワシントンで開催の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に報告書を提出し、デリバティブ取引におけるクリアリング機構の設立が急務だと指摘した。 記事の全文 AIG、政府融資枠の57%を既に借り入れ=FRB 2008年10月11日 07:14 [ニューヨーク 10日 ロイター] 連邦準備理事会(FRB)の統計によると、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)<AIG.N>は、政府融資枠1228億ドルのうち既に703億ドルを借り入れた。 記事の全文 韓国証券業協会、株式市場安定化基金の創設決定 2008年10月10日 16:44 [ソウル 10日 ロイター] 韓国証券業協会は10日、株式市場が一時3年
<劇的な利下げ局面の終了> 日本の「バブル崩壊」は1990年初めの株価暴落から始まった。ところが、この時点で6.58%であった無担翌日物コール金利は、それから1年3カ月後の91年3月に8.28%まで引き上げられ続けた。そして、暴落前の最低水準であった3.3%(87年7月)の水準を下回ったのは、さらにそれから1年後の93年2月の3.28%であった。つまりバブル崩壊時点から25カ月で約3%のコールレートの引き下げが行われたことになる。 これを最近のFRB(米連邦準備理事会)の政策と比較してみよう。日本のコールレートに相当するフェデラル・ファンド(FF)レートの誘導目標は、2007年7月のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)危機の事実上の勃発(ぼっぱつ)時に5.25%であった。 だが、10カ月後の08年5月には2%まで引き下げられている。つまりFRBは日銀の2.5倍のスピードで
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