その本を買ったのがたしか昨年の4月だったはずなので、コトが起きたのはおそらくそれより後だったはずだ。修士課程1年目が始まってすぐ、僕は大学近くの吉岡書店で『コンピュータは数学者になれるのか?』を買って読んでいた。『コンピュータは数学者になれるのか?』では人工数学者が"原理的"に*1可能かという哲学的問題には明確には触れていないように記憶している*2が、読み進めていくうちに僕はそちらの問題のほうが気になってきた。僕の興味はべつに「数学者」に限定する必要もないものだった。「コンピュータは哲学者になれるのか?」という問題でもまったく構わないだろう。もっと正確に言えば、これは「ロボットは人間になれるのか?(それらの間に違いはあるのか?)」という古典的な問題への誰もが一度は抱きうる興味のたんなる言い換えである。 先に言っておくが、この記事は哲学の問題について考えるための記事ではない。昨年あった極めて