「そのまんまでいいんだよ」という甘い言葉 カテゴリ: コラム 心理療法 前回は、精神科のクスリ/向精神薬を飲みたくないひとのなかには、宗教的で保守的な世界観をもつひとがいるという話をしました。 そんなひとたちは、向精神薬によって自分を変えていくのではなく、心理療法やカウンセリングによって「ありのままの自分」を肯定していく、という治療の方に興味を示すかもしれません。 でも、「そのまんまでいいんだよ」という甘い言葉は非常にやっかいだと思うわけです。たとえば、斎藤環のツイート。 患者さん、あるいは支援対象のひとを無条件に全肯定するべきであるという意見です。SNSでは異常に人気がありますが、これを単純に受け入れていいものでしょうか? 心理療法はカルトっぽい?心理療法の大御所カール・ロジャーズは効果的な心理療法を始めるための基本として「傾聴・受容・共感」の重要性を説き、「来談者中心療法」を提唱しまし