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1ヶ月以上も間が空いてしまいました。とりあえず元気でやっております。またぽつぽつ更新を再開したいと思いますので引続きどうぞよろしくお願いいたします。 とそれだけではアレなので、更新が滞った理由を色々考えてみました【休むに似たりのsvnseeds】。以下に挙げてみます。 毎年この時期は軽いウツというかなんというかもうとにかく何もする気がしなくなる 現在は僕の主な興味の対象が経済から歴史に移行しつつある端境期であるため、アウトプットよりもインプットが多くなっている もともと僕がここで書いている理由は自分で読みたいものがないので自分で書いている、というものだったのだけれど、最近はその理由が消滅している(むしろ読みたいものを読むのに時間が足りず追いつけなくなった) まだ散髪に行ってない どれが一番大きな理由かなあ。やっぱり最後のかな。わはは。 あ、パットメセニーさん、どうもお手数おかけしてすみませ
びっくりしたなあもう・・・。 お坊ちゃんつながりということで日中戦争を泥沼化させた挙句に内閣を投げ出した近衛文麿をつい想起してしまう【いつの話かsvnseeds】。まあ毛並みも*1全然違うし近衛の場合は退陣しても国民的人気はそのままだったんで、お坊ちゃん+嫌になって投げ出した、ってこと以外は全然違う罠。第二次安倍内閣なんてのができないことを祈ります。再チャレンジは別のところでお願いね。 ところで安倍元首相の業績を評価云々って話があるけど、結局は小泉のインチキ郵政選挙の遺産で数に恃んで法案通しまくっただけなんであって、別に安倍元首相がなんかやったって感じは全然しないのだけどどうだろう。誰がやってても同じだったんじゃなかろうか。 そういう意味で、安倍元首相の持論であったはずの「美しい国」「普通の国」*2「戦後レジームからの脱却」とか教育基本法改定して愛国心いえーいとか例の自衛隊強制ボランティア
数字だけの遊びであれば、例えば名目成長率15%という想定で計算すれば日本の財政はあっという間に解決する。ただ、国民の生活にとって物価が安定していることはとても大事だ。名目成長率を上げれば、確かに財政には寄与する。しかし、名目成長率をあげていけばいいというインフレ政策、悪魔的な政策は国民には迷惑な話だろうと思う。やはり地道にやっていくしかない 引用は与謝野馨官房長官の9/3のインタビューより。ロイターの記事が魚拓で読めます。魚拓のリンクはいちごびびえす経済板のこのレスより。どなたか存じませんがありがとうございます。 すでにbewaadさん、econ-economeさんの素晴らしいエントリがありますので今更僕が付け加えることはありませんが、あえて2つだけ、明らかにおかしい点について書いておきます。 ひとつめは冒頭の引用について。確かにインフレによる物価の上昇は国民にとって迷惑な話であるのは間違
bewaadさんのこのエントリ経由でessaさんのこのエントリを見たのだけれど、(お二人には大変失礼ながらこれらエントリのテーマに全然関係ないところで)今更ながらものすごく違和感をおぼえた点があったので書いてみる。 というのもessaさんの当該エントリ冒頭に引用されている梅田氏の2年前のこの文章なんだけど; 個人にある種の才覚とネット上での行動力さえあれば、リアル社会に依存せずとも、ネット上に生まれた十分大きな経済圏を泳ぐことで生きていける。 これって、次のように変更しても何の違和感もなく説得力を持つと僕には思われる。 個人にある種の才覚とリアル社会での行動力さえあれば、ネットに依存せずとも、リアル社会に既に存在する十分大きな経済圏を泳ぐことで生きていける。 というか後者の方が僕にとってはむしろ違和感ないしより説得力もある。こんなことは当たり前過ぎて誰も言わないだけだ。 で、こうやってちょ
最早全然最近でもなんでもなくなってしまったのだけれどとりあえずメモ。どれも内容ほとんど忘れているので簡単に。 岸信介政権と高度成長 作者: 中村隆英,宮崎正康出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2003/03/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る おすすめ。今年前半の岸信介特集絶賛開催中(その1、その2、その3、その4をご参照)にネットで買った本。ちなみに岸信介関係はまだ何冊か未読在庫があるのだけれど、現在は昭和戦前史関連ばかり読んでおり、更にその後たぶん明治の憲法制定時くらいまではさかのぼる予定のため、特集再開は来年初頭の予感。ってこのまま日本書紀までさかのぼっちゃったらどうしよう。わはは。 閑話休題。とかく外交方面に関しての話題が多くなる岸信介とその政権について、経済政策を中心に分析・検証した本。読んでいた当時は浅学にして存
ということで先週金曜のことですがアニサキスを除去してきますた。体調2cm弱の元気な個体ですた。即刻ホルマリン漬けになりますた。どうか成仏なさいませ。南無南無。 というか胃痛も参ったが初めて飲んだ胃カメラも参った。酒飲みだとやはり麻酔が効きにくいのかねえ。 皆さまもどうぞお気を付け下さいまし。 昨年誓ったとおり、今年はうちの前の特等席にゴザ敷いて奥さんの実家の皆さんとともに見物してみた。近くで見るとすごい迫力ですねこれは。 場所とりのため朝6時に起きてみたのだけれど(ちょうどまだ胃が痛くて目が覚めたw)、最前列は既にガムテープで陣取りされてますた。来年は(まだ引っ越してなければ)もっと早起きして最前列にチャレンジしたいと思います。 ちなみに2日目は吉祥寺に避難しますた。だってものすごい音量なんだもん。わはは。 スピリチュアルだのセミナーだのにはまる人の共通点ってあるよね【誰に同意を求めるsv
なんと本日の日経平均は5.4%の下げですか。昨日の米国市場が引けにかけてほぼとんとん(SP500は少しだけプラス)になったのとは対照的だなあ。ドル円レートもすごいことになってるし、これはだめかもわからんね。 しかも日銀は今日になってまた資金供給オペをやったと。以下読売の記事から。 日銀が1兆2千億円供給、短期金利の上昇抑制狙い 8月17日12時27分配信 読売新聞 日本銀行は17日、短期金利の上昇を抑えようと、金融機関が資金をやりとりする短期金融市場に1兆2000億円の資金を供給する即日オペレーション(公開市場操作)を行った。 午前の取引で、無担保コール翌日物金利が年0・53〜0・55%前後と、日銀の誘導目標(年0・5%)を上回ったため。日銀は16日にも4000億円を供給しており、2営業日連続となる。 日銀は米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題をきっかけとする市場の動揺を防ぐた
bewaadさんのところを見て、僕も何か書いとこうかなーと。例によって何も参照せずにぐだぐだいきますよ。何か勘違いしてるところがあればご教示いただきたく。 というわけでサブプライム騒動ですがまあたぶんそのうちおさまるんじゃないかなあ(希望的観測)。EUで弾けたのはちょっとびっくりだったけど、これも良く考えたらUSがもっとひどくなってからだとなんとなく思ってたからだったわけで、要するにタイミングの問題。USだってまだこれからどうなるかわからない。 日本でも今週以降ファンドや保険や証券会社がこけたりなんだりでぼろぼろ出てくる可能性があるかもしれん。まさかEU圏みたいに銀行がまずいってことはないと思うんだけどどうなんでしょう。ここでまた損失補填したり隠しちゃったりしたらバブル後の不良債権処理の二の舞になるわけで、その辺の対応もまあ見所ではあるかなと。そんな馬鹿なことしないよね。南無南無。 ただそ
先日書いた「結局先の大戦は、巷間流布する言説とは裏腹に、国民の熱狂的支持のもと始められたものであるなあ」という最近の僕の感想ですが、これに関連してかんべえさんのところ(8/4付)で大変面白そうな「日中戦争下の日本」(ASIN:4062583925)という本が紹介されていたのでメモしておきます。 すなふきんさんにコメントでご指摘いただいたとおり「巷間流布する言説」というのは大げさだったかなとも思うのですが、しかしかんべえさんのような方でも「『ああっ!』と思った」らしいので、まあそれほど外してもいないのかな、と思った次第。 これは方々で指摘されていることですが(うろ覚えですが例えば中村隆英「昭和史I」(ASIN:4492060588)など)、明治以降日中戦争まで、日本が経験した日清・日露や第一次大戦(これはまあタナボタみたいなものですが)の戦争については、すべて日本側が勝利したおかげで、国民の
気付いたら18冊も溜まってたのであっさりメモしておきます。 ナショナリズムという迷宮―ラスプーチンかく語りき 作者: 佐藤優,魚住昭出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2006/12メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (33件) を見る 確か年末のシンガポール旅行のときに読んだ本。成田で買ったんじゃなかったかな。僕にはあんまり面白くなかった。同じく昨年末に読んだ「獄中記」(ASIN:4000228706)がやたら面白かったので期待していただけにとっても残念じゃなかった慚愧に堪えません。 なんか最近の佐藤優は獄中で研究した本の消化試合というかそんな感じの本ばかり出しているんじゃないかという気がする。だから対談や雑誌連載のまとめの本ばかり出てくるんじゃないか。「獄中記」ではとても新鮮に思えた思想の現実へのアプリケーションが、この本ではやたら陳腐なものに見えてしまう。
どうもこうばたばたしており、かつ季節の変わり目は毎度のことながらなんとなくやる気も出ず、そもそもズボラでインプットは好きでもアウトプットはキライな性分なんで、一度更新しなくなるとずるずると放置が続いてしまいます。 エイプリルフールが花見をしている間に終わっていたのが残念orz。ネタは用意していたのでそのうちちょっと趣向を変えて出すかもしれません。 ということでまだ続いております(その1、その2、その3の続きです)。だんだん読んでる本の分野が岸信介関連から離れて戦後史そのものになってきつつありますがそこはそれ。早いところ今あるストックを読み切って戦前の昭和や明治時代にまで手を伸ばしたいのだけれど遅々として進みません【ストック増えとるsvnseeds】。のんびりやっていこうと思っております。 本の紹介の前に、ちょっと今の僕の問題意識というか興味の対象を整理しておくと、まずは論点として次の4つが
経済停滞の原因と制度 (経済制度の実証分析と設計) 作者: 林文夫出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2007/01/30メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 74回この商品を含むブログ (12件) を見る あちこち(というか極一部w)で盛り上がっているこの本ですがとりあえず第7章までをざっと読んだのでまとめてみました。既にドクターkoiti_yanoさんによる簡にして要を得てかつ面白いまとめがありますので激しくアレですがまあご参考まで。 とりあえず結論としては、林先生による最初の総論だけを読んでこの本を読んだ気になるのは大変危険だということです。例えば、日本の大停滞の原因は供給側にあって、しかもそれはTFPの低下によるもので、更にそれは追い貸しによるゾンビ企業の存在のためである、といった結論を本書に載っている論文群から導くのはかなり無理があります(が、総論だけ読むとそう取れなくも
前のエントリとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、本石町の日銀行ったんです。日銀。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで入れないんです。 で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、政策決定会合開催中、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、政策決定会合如きで普段来てない日銀に来てんじゃねーよ、ボケが。 政策決定会合だよ、政策決定会合。 なんか財界出身者とかもいるし。出身別固定枠で審議委員か。おめでてーな。 いやー年収下がっちゃいましてー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、天下り先用意してやるからその席空けろと。 日銀ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 円卓の向かいに座った奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、 刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。マクロ経済学素人は、すっこんでろ。 で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、コアコアC
韓リフ先生のところで紹介されていたサンフランシスコ連銀のキャリートレードに関する論説「Interest Rates, Carry Trades, and Exchange Rate Movements」を全訳してみました。面倒なので今回は一切許可とってません(笑)。 突貫で訳した(現実逃避w)のと原文が非常に難解*1なのとで変な訳があるかもしれません。例によってお気付きの点がありましたらコメントいただければ幸いです。 FRBSF Economic Letter Number 2006-31, November 17, 2006 金利とキャリートレードと為替の動き 米ドルは最近になって主要な通貨に対し著しい動揺を見せている。例えば、米ドルは2005年に円に対して18%、ユーロに対しては13%増価したが、一方で2006年の3月から5月にかけてはこれらの通貨に対して急激に減価し、その価値のほぼ1
以下はThe Wall Street Journal Asia, March 1, 2007, page A13に掲載された、Anil K Kashyapシカゴ大学教授による"Money Mess"の全文訳です。訳そのものは3/2に完成していたのですが、Kashyap教授及びWSJより正式に許可を得るのに時間がかかったため、本日の掲載となりました。原文はこちら(WSJ.com、有料)またはこちら(Kashyap教授のサイト)にて参照できます。 訳文の掲載を快く許可してくれたKashyap教授及びWSJ Asia Editorial Page Office ManagerのShandi Chauさんに感謝します(Professor Kashyap and Ms Shandi Chau, thank you very much for kindly giving me the permissi
また旧聞に属する話題ですが毎度ナニなお話をひとつ。似たようなことはきっともうとっくに誰かが書いてると思うし勘違いも多く含まれてると思うのでその点ご指摘いただければ幸いです。 例のホワイトカラー・エグゼンプション(以下WE)を導入する/しないで世間が盛り上がっているときに僕は一人でコリャいったいなんじゃらホイと思っていたわけですが、池田某釣り疑惑事件(笑)の最中に矢野さんのところで見つけた「経済制度の実証分析と設計」総括班ホームページのディスカッション・ペーパーのページからダウンロードできる、その名もズバリ「構造改革なくして成長なし」(PDFファイル注意)という林文夫先生の2002年の論文を(今更)読んで、ああなるほどなあ思わずハタと膝を打ったのでした。 この論文において、林先生は日本の90年代以降の経済停滞が需要不足により起こったとの説をさっくり退け、代わりに以下のような説明を行っています
以前教育基本法改定に際し書いたとおり、岸信介についての本を読み漁っているところ。ちょうどストックの半分くらいを読んだところなので(もっともそのストックも増えつつあるのだけれど)、区切りとして簡単にメモしておく。 overallでいうと、もともと憲法改定を睨み自分の立ち位置を固めたい、という狙いがあってあれこれ読み出したのだけれど、その狙いとは別に、岸信介という人物の面白さに触れることができ大変楽しい。良い悪いはひとまず置いて、まったく凄い人です。あと戦中・戦後史についてあまりに無知であることを本当に痛感。憲法問題とは別に継続的に勉強していく所存なり。 岸信介―権勢の政治家 (岩波新書 新赤版 (368)) 作者: 原彬久出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1995/01/20メディア: 新書購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (27件) を見る 激しくおすすめ。岸信介に
諸君 私もデータが好きだ。 というわけで例のフランスの話。僕もヘタレではありますがデータが好きなので(笑)ちょっと調べてみました。データはINSEEのここにあります(肝心の2006年の数字はまだ全部揃ってないのでしばらくしたらまたチェックしたいと思います)。 で、数字をざっと見て面白いなあと思ったのは次の3点。何のインプリケーションもなしに所見だけを並べてみます。 1. 婚外子が約半数を占めること 2005年の婚外子(Live births outside marriage)の割合は47.4%。1980年の11.4%から継続して増加してます。もしかしたら2006年には逆転してる可能性もあります。ちなみに参考:世界各国の婚外子割合。日本の婚外子割合はむちゃくちゃ低いなあ・・・。 2. 嫡出子の場合、両親のどちらかがフランス国籍外である子供が増えていること どうやら単純に移民の出生率が高いわけ
今年の初めに今年の目標は『年末に「今年の10冊」というエントリを書くこと』なので気の利いたコメントがなんら浮かばない場合でもがんがん読んだ本をメモしまくりますよええと書いたわけですが、結局いつものごとく駆け込みとなってしまいました。 とりあえず31日までに「今年の10冊」というエントリを書くために、頭だしを兼ねて今年読んだ本を簡単なコメントと共にずらっと挙げていきます。中にはこんな簡単な扱いでは申し訳ない本が結構あるわけですがどうもすみません。 では早速。なんとなくジャンル分けしてますが読んだ順ではありませんので念のため。あと書き溜めたメモを元にしてたりするので文体バラバラですがいつものことなのでご容赦くださいまし。 【経済系】 新刊本ばっかりで教科書を読むのは全然進んでません・・・orz。そうか新刊の教科書読めばいいのか【そういう問題ではsvnseeds】。 実験経済学入門~完璧な金融市
教育基本法の改定が終に可決成立したとの由。しかしその目的も何故こんなに急ぐのかも良くわからない。少し調べてみたのだけれども以前から感じている漠然とした不安がより強くなっただけだ。本当に現在の日本のふいんき(何故か変換できない)は戦間期のそれに似てきていると思わざるを得ない。 以下個人的なメモ。圧倒的に背景知識が足りないため今の段階ではメモ以上のことを書けない。情けない。 現行教育基本法と「教育基本法改正案」の比較。2006年4月時点のもの。 【正論】高崎経済大学助教授 八木秀次 道徳教育の理念補う教育基本法改正を 2001/03/03 産経新聞朝刊。少年犯罪が増加しているとの事実誤認を元に、教育の立て直しが喫緊の課題であり、そのためには教育基本法の見直しは避けては通れず、しかしてその見直しの内容とは道徳教育理念としての教育勅語の復活という。古い記事だが改定が必要との論旨は今も似たようなもの
ダメな議論―論理思考で見抜く (ちくま新書) 作者: 飯田泰之出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/11/01メディア: 新書購入: 23人 クリック: 1,054回この商品を含むブログ (177件) を見る 激しくおすすめ。以前飯田先生(id:Yasuyuki-Iidaさん)ご本人より予告をいただいていたので出てすぐ購入しました(例によってご紹介が激しく遅れましたけど)。とりあえず「ダメな議論」の例として取り上げられてなくてほっとしますた(笑)*1。 まず本書で面白いのは前提となる議論の展開の仕方。「ダメな議論」について議論するとき、実際には「良い議論」とは何か?って話になるのが普通だと思うのですが、著者はあえてそこには立ち入っていません。なんとなれば、「良い議論」の定義は時と場合によって様々であり、そもそも「良い」を定義するのは著者も言うように「哲学の究極目標」のようなものだ
毎度激しく今更ですが、サラ金の上限金利規制の有効性について、前回とは違う方向でちょっと調べてみました。こんなことはとっくに誰かがやってるでしょうし、時既に遅しの感もありまくりですが、以下ご参考まで。 【20061123注】 吉行誠さんによる同テーマの分析が東洋経済・金融ビジネス7/25に掲載されているとのこと。当然僕の以下のエントリよりも詳しく正確であると思われますのでご興味のある方はどうぞ。 また吉行誠さんには沢山のコメントをいただき、本エントリの至らない点をご指摘いただきました(ありがとうございました!)。このテーマにご興味ある方はどうぞコメントの方もご参照頂ければ幸いです(ちょっと長いですが(笑))。 貸金業の上限金利を現状よりも低く規制すべきとの論は、主に多重債務者を減少させることを目的として主張されているようです。しかしその有効性や副作用については疑問の声が多く挙がっています(こ
経済政策を歴史に学ぶ [ソフトバンク新書] 作者: 田中秀臣出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2006/08/17メディア: 新書購入: 7人 クリック: 69回この商品を含むブログ (53件) を見る 激しくおすすめ。出てすぐ購入、すぐ読了。でもご紹介するのが何故か遅れてしまいました。すいません。 既に方々で紹介され尽くされている(ざっと見渡したところ、読み応えのあるものとしてラスカルさん、cogecoさん、toshimさん、切込隊長さん、bewaadさんなど)ので今更な気が激しくするわけですがこれはいつものことですかそうですか。屋上屋を重ねることを自覚しつつ、メモとして書いておきます。 ということで無理やり要約してしまうとこの本はこんな感じです。 ・まず「格差」や「ニート」など最近話題となっている問題を取り上げてそうした問題と小泉政権の経済政策との関係を述べ(第1
これも激しく今更な話題ですが。 利息制限法改正による上限金利規制の議論についてはまったくついていけてないのですが(笑)、いちごびびえすでのすりらんかさんのまとめによると、上限金利規制の是非を考える際には貸金業界における超過利潤の有無の検討が必須とのこと。つまり、貸金業が「儲け過ぎ」であるのであれば、上限金利規制によって社会厚生が改善する余地があるよ、とのことです(意訳しすぎですかそうですか)。 そこでちょこっと調べてみようとしたのだけど、そもそも超過利潤の有無ってどうやってみれば良いのかわからんという罠。単純にROA(総資産純利益率)や総資産経常利益率を他業界と比べるわけにもいかないし(業界によってまちまちなのです)。 ということでちょっと視点を替えて、貸金業の中でも大きな問題となっている(と思われる)消費者金融事業者の個人向無担保貸付がどの程度「儲かる」のかを調べてみることにしました。こ
激しくいまさらですみません・・・。 所有と国家のゆくえ (NHKブックス) 作者: 稲葉振一郎,立岩真也出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2006/08/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (57件) を見る 稲葉さんと立岩さんの対談による本。僕は大変面白く読んだのだけど、万人にはおすすめできない、かなあ。先日の機会の平等と結果の平等を実現するコストについて考えてみたエントリをきっかけに購入。 万人におすすめしない理由として、まずは格差とか不平等(まあ同じことだけど)が気にならない人には面白くない点が挙げられる。「所有と国家のゆくえ」というタイトルだけれども、本書で話題になっているのはほとんど格差とか不平等の話だ。 それと何らかの結論を得たい人にもおすすめしにくい。基本的に本書の対談は、稲葉さんの問題意識を縦糸に、立岩さんの考えていること
先日のエントリ「日本語で上手な文章を書くには:10の「べからず」」には多くの反響があり驚きを隠せないでいる。はてなブックマークを見ると500を超えるブックマーカーたちに注目されたようだが、多くの者が[ネタ]とか[neta]などのタグを付けており、正直なところ私の意図が正確に伝わったのかどうか、不安に思う気持ちもなくはない。私は何もこうしたブックマーカーたちを糾弾しようとするものではないのだが、しかしながら、やはりこれはどうかと思う気持ちも一方ではあるのである。甚だしくは山本七平だのイザヤ・ベンダサンだの清水義範だのエイプリルフールだの[あとで読む]だのを持ち出すものもおり、うまくいえないのだが、これも時代というものであろうかと思い、またこうしたコメントをつける人が育った環境といったものの影響も少しはあるのだろうか。しかしまた一方ではこれがいわゆるウェブ2.0というものなのであろうと妙に得心
やや唐突ですが僕の友人のユダヤ系アメリカ人から面白いメモをもらったので、本人了解のもと転載します(名前は一応仮名にしておきます)。原文は英語ですが適当に訳してみました。事実誤認など突っ込みどころ満載なんですがあまりに面白いのでそのままにしてあります。 僕から見ると皮肉が利きすぎているように思うのですけど、本人はいたって大真面目のようです(笑)。どっかに載せるつもりなんだろうか。止めといた方がいいと思うけどなあ。わはは。 日本語で上手な文章を書くには アイザック・シュワルツ(仮名) 私たちには日本の公立学校に通う小学6年生の娘がいる。彼女は小学生になる前から日本で暮らしているため日本語には不自由していないのだが、毎年の夏休みの課題でどうしても良い評価をもらえないものがある。読書感想文だ。 日本の小学校には課題図書というものがあり、全国の小学生たちはみな同じ本を読んでそれについて感想文を書くこ
韓リフ先生のところ経由。なにこれ? 国公立大を9月入学に 「安倍政権」で検討 安倍晋三官房長官は30日、首相に就任した場合に政権公約の柱として掲げる「教育再生」の一環として、国公立大学の入学時期を現在の4月から9月に変更し、高校卒業から大学入学までの間にボランティア活動に携わることを義務付ける教育改革案の検討を始めた。 source: 東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006083001005554.html) 論点としては僕が見たところ以下のものが挙がっている感じですね。 まず「ちょwwwそれボランティアじゃないしwww」というもの。bewaadさんのところご参照。 自発性の発露の強要の気持ち悪いところはこれが突き詰めると特攻に繋がるところでして、アレが本当にお国のため、家族のための本人の自発的な行為であると信じることができるおめでたい人では僕は
稲葉先生のところより。稲葉先生はこれはまだopen questionだとおっしゃっているように見えるわけですが、僕にはかなり疑問です。この方面に不案内のため落とし穴や地雷がたくさんあるのを承知で少々書いてみます。 結論から言うと、確かに結果の平等の方がコストがかからない状況もあるだろうし、それについて詳しく調べられていないのも事実かもしれません。でもコストを理由に結果の平等を目指すことはできない、と僕には思えます。要するにどちらの平等を選択するかという問題に関してコストは考慮すべき要素とはなり得ず、また結果の平等を擁護することもできない、と。 まず、確かにどんな組織にしろ社会全体にしろ、局所的にはコストメリットを持ち出して「結果の平等」を擁護できるかもしれない。 でも大局的にはそれはパイの縮小をもたらし、やがては誰も満足できない「平等な結果」へ落ち込んでしまうように思える。 更に悪いことに
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