『冬に子供が生まれる』(佐藤正午・著) 昨年映画を観た『月の満ち欠け』の原作と同じ、佐藤正午さんの長編小説。 それ以来、七年ぶりの新作だそう。 『月の満ち欠け』の小説は未読だけれど、映画版は、使われていたジョン・レノンの曲といいとても心に残る作品だったので、こちらの新作は図書館に予約して、8月末に読んでみた。 tsuruhime-beat.hatenablog.com ストーリーは、輪廻転生を題材にしていた『月の満ち欠け』と同じく、不思議な話だった。 主人公である丸太優が、仕事から帰ったある夜スマホに、差出人不明の予言めいたショートメッセージが届く。「今年の冬、彼女はおまえの子どもを産む。」と。 そこから話が展開していく。 この物語は大まかにいってしまうと、小学生時代UFOを目撃した、同級生4人組のその後の話だ。 丸太優(マルユウ)と丸太誠一郎(マルセイ)、そして佐渡理と杉森真秀の4人はと