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ノーベル賞
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酷い二日酔いだった。それなのに夏のような無慈悲な太陽の光が車内に射し込んでくる。サングラスをかけているのをいいことに、こっそり目を閉じ、何度かうとうとしていた。 「ここ、町があったんです」 T君がいった。わざわざわたしのために被災地を案内する役を買って出てくれた男だ。 その言葉を聞いた瞬間、眠気も胸のむかつきも消えた。 なぜなら、「町があった」とT君が言った場所にはなにもなかったからだ。ただただ平地が広がっている。 車を停めて、かつて町があったという地域をぶらぶらと歩いた。遠くから見ればそこはただの平地だったが、近づけば、確かにそこが町だったことが認識できる。 津波にも流されることのなかった家々の基礎がずらりと並んでいるのだ。 何百棟、いや、千棟を超える家がこの辺りにはあったに違いない。 そのすべてが基礎だけを残してすべて流されてしまった。 茫漠たる光景に言葉がない。胸が締めつけられる。
昨夜、アイセが永眠しました。 享年13歳と2ヶ月と6日。 長生きしてくれて、本当に感謝しかない。 ありがとう。お疲れ様。大好きだよ。 月曜の朝、散歩に行こうとしたら倒れて痙攣発作を起こした。 病院に連れて行ったが、とりあえず原因がわからないので経過観察をということに。 翌日の早朝も二回、発作が起きたが、かかりつけの病院はお休みの日だったのでそのまま様子見。 発作が治まると普通に歩くし、ご飯もばくばく食べる。 これなら大丈夫かなと思っていたのだが、夕方、ひときわ大きな発作が起き、その後は頭を上げ、四肢をばたつかせ、吠え続けるようになった。 北軽井沢の病院に連れて行ったら、おそらく脳梗塞だろうとのこと。 発作を抑える薬と睡眠薬を処方してもらい、帰宅。 その後は、眠るのと起きて吠え暴れるの繰り返し。 そして、昨日の午後7時過ぎ、息を引き取った。 あっという間だった。 前の日の夕方は普通に散歩に行
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