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梅棹忠夫氏の本を1冊紹介したい。氏は,万博公園にある国立民族学博物館の創設(1974年)以来,同館館長を務められ,本年3月任期満了退官されたばかりである。創設当初よりコンピュータの専門家も加わったこの博物館は,民族学資料というものを収集,展示する伝統的な博物館ではなく,民族学的情報の収集,展示を目的とし,さらには,いわば館全体を情報のかたまりとみなす新しい運営が行われてきた。こうした新しい博物館像を実現してこられたのが梅棹氏である。氏の言葉では,民族学博物館は博物館ではなく,博情館なのである。 著作としても,『情報産業論』(雑誌『放送朝日』1963年1月号。その主張において重なるところが多いアルビン・トフラー『第三の波』に先立つこと17年。標記叢書に所収),『知的生産の技術』(岩波新書,1969年)等,情報に関する先駆的著作を発表してこられた。これらも,ぜひ読んでもらいたい。なお『情報の文
東京大学社会情報研究所助手 佐藤 卓己 ナチ・第3帝国・ヒトラー・ゲッベルス,そのいずれからも連想される言葉は「宣伝」である。総統ヒトラーと宣伝大臣ゲッベルスがドイツ国民を戦争に『駆り立てた』技術は神話化され,今日に至っている。だが,この「宣伝の魔力」なる神話こそ,ナチズムが創作し戦後のドイツ国民が自らの罪を忘れるために再生産してきた情報操作ではなかったか。「ナチ宣伝」は「宣伝神話」として,今なお生き続けている。 神話,未だ醒めやらず 図A:『大衆宣伝の神話―マルクスからヒト ラーへのメディア史』「啓蒙の神話:印刷 機に縛り付けられたプロメテウス(カール ・マルクス)」(左)と「宣伝の神話:< 社会主義労働者党>のプラカードで労働者 をひきつけるヒトラ-」(右) 『大衆宣伝の神話―マルクスからヒトラ-へのメディア史』という本(図A)を弘文堂から上梓してしばらく後のある日,某テレビ局から電話
江見 圭司 1. ゆとり教育? 1.1. ゆとり教育以前に何がおこったのか 1957年10月4日のソビエト連邦(現在のロシア)による人類初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げが成功したという報告は,アメリカ合衆国をはじめとする西側諸国の政府や社会に大きな衝撃や危機感を煽ることになった。これをスプートニク・ショック(Sputnik crisis)といい,このことが教育の現代化を行うきっかけになったのである[1]。当時のソビエト連邦が人工衛星打ち上げを成功させた秘訣を西側諸国が分析した。日本でも同様であった。結局,集合論とベクトル・行列を教育に取り入れることが結論づけられたようである[2]。 そのことを受けて,1971年に小学校に集合論が取り入れられて,1972年には中学校,1973年には高等学校にも集合論が導入された。また,高等学校の数学ではすでにベクトルは教えていたが,行列(行列式の計
本年(1994)京都では,平安建都1200年の記念行事が続いている。この1200年の間,数知れぬ文物が海外から輸入され,その都度,在来の日本の文化を刺激し,それをより豊かにしてきた。数限りない,無名の人々がそれに貢献してきたが,少数の人は幸いにも歴史に名前を残している。この,個人として特定できる人々のなかで,最大の功績をあげた人は誰だろう。思うに弘法大師空海は,最大の功労者の1人であるだろう。 空海は,唐から密教という,当時としては最新の仏教を,そっくりもち帰ったのである。このように,完備した一つの(文化)システムをもち帰った人は,日本の歴史を見渡したところ他にはいないのではないか。同時に入唐を果した最澄と較べても,そういえる。(*1) 彼がもち帰った密教は,今の我々の生活にも無関係ではない。密教から派生した多くの新興宗教の隆盛や,四国八十八ヶ所のお遍路はもちろんのことながら,もっと広く,
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