今日、有袋類は南米とオーストラリア大陸にしか存在しないが、化石としては北米とヨーロッパの中生代と古第三紀の地層から発見されている。また古第三紀の有袋類の化石が南極、アフリカ、アジアからも発見されている。 これらの化石の産出状況と大陸移動の時期を考えると、有袋類の祖先はたぶん、中性代の終わりに北米で進化したのだろう。そして新生代に入ってすぐに南米に進出した。そのころの化石が北米と南米の両方から見つかっている。 当時の気候は温暖な状況で、南極にも北極にも氷河は存在しなかっただろう(石炭紀・二畳紀は寒冷化した時期で南極は巨大な氷河で覆われていたが)。そのため南米に入った有袋類は古第三紀の早い時期に、当時陸続きだった南極、オーストラリア大陸に分布を広げた。旧大陸では、その後現れた有胎盤類により有袋類は滅びてしまうが、孤立した大陸のオーストラリアと南米の一部に有袋類は生き残った。 そのため旧大陸では