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■ 第 1 章 ヒトの認知のメカニズム 第１章 ヒトの認知のメカニズム -9 - ■ 第 1 章 ヒトの認知のメカニズム 1.なぜ脳研究なのか  1−1 世界認識と脳 本論文では製品の形態から形成される「カッコイイ」という印象や、想起され るイメージについて考察するために、ヒト脳の働きを中心に調査を行う。では、 なぜ製品形態を知るために脳の働きを調べるのか。それはわれわれの世界認識が 脳の働きによって成立するiと考えるからである。 そもそもわれわれが目で外界を見るという行為は、レンズで外界をフィルムの 上に写し取るといった、カメラがやっているようなメカニカルな客観的行為では ないのである。たしかに、外界は眼球の水晶体のレンズ作用によって網膜の上に 光点の集合として写し取られる。しかし、見るという行為は網膜の上で成立する ものではない。光信号は網膜で電気信号に変換され、脳に運ば