いま、安倍さんの加憲提案について論じる本を書いていて、その関係でいろんなものに目を通す。へえ、そうだったんだと思わせるものも多い。その一つが、非武装中立VS中立自衛の真相である。 60年代から70年代にかけて、社会党が自衛隊違憲論と非武装中立の政策を確立する。一方、共産党は、自衛隊違憲論では同じだったが、防衛政策としては中立自衛政策をとることになる。 この二つは、安保条約の廃棄を意味する「中立」という点では同じだが、それ以外は本質的に異なっていた。非武装中立は文字通り非武装で自衛隊をなくそうということであり、攻められた場合は抵抗するが、「降参したほうがいい場合もある」と明言するものであった。他方、中立自衛というのは降参などせずに自衛権を発動して戦うというのが基本である。九条で自衛隊は認められていないからいったん解散するが、ゆくゆくは国民の合意を得て九条を改正し、自衛戦力が持てるようにすると