サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
都知事選
www.meij.or.jp
2023その他アフガニスタンパキスタン 公開日:2023/11/06 2023年11月1日より、パキスタン政府による不法移民・難民の強制送還開始を受けて、大量のアフガニスタン移民・難民がパキスタン領からアフガニスタン領に向けて移動した。これに先立つ10月3日、パキスタンのブグティ内相は、パスポートとビザだけが有効な書類でありそれ以外の身分証明書での滞在は一切認められないとし、パキスタンに滞在する不法移民は11月1日までに自発的に帰還しなければならない、さもなければ国の法執行機関が強制送還すると警告していた(詳しくは『中東かわら版』No.91参照)。 正確な数字は不明だが、ブグティ内相は10月30日、過去2カ月間に20万人以上のアフガニスタン移民・難民が自主的に帰還したと述べた。現地の映像を確認する限り、主にアフガニスタン東部ナンガルハール州のトルハム国境、及び、南部カンダハール州のスピーン
2023イスラエルパレスチナ東地中海地域 公開日:2023/10/30 2023年10月28日夜、ネタニヤフ首相は、戦争内閣の閣僚とともに記者会見し、戦闘が第二段階(地上戦)に入ったと述べた。イスラエル軍は、25日夜から小規模の部隊をガザに侵入させ始めた模様で、27日にはガザ内での地上軍部隊の攻撃を拡大したと発表した。同日には通信施設を破壊し、ガザでのインターネット、携帯電話の使用を不可能にしたが、その後一部で通信が回復したようだ。28日、イスラエル軍報道官は、改めてガザ北部の住民に南部への避難を呼びかけ、30日からはエジプトなどからの水、食料、薬などの支援物資の搬入が増加すると説明した。 10月7日に拘束された人質はこれまで計4人が解放されたが、まだ200人以上がガザ内にいるとされ、人質家族代表はネタニヤフ首相に全員一緒の解放を要請している。ガザの戦闘は人質解放交渉と並行して進められるこ
(出所)公開情報を元に筆者作成。 こうした動きを受けて、米国に住んでいるパフラヴィー元皇太子は17日、「反イランの体制(注:イラン・イスラーム共和国体制を指す)が、イラン国民の感情を傷つけた」と批判し、18日と19日の2日間を被害者と遺族に寄り添う日にするとツイートした。 また、諸外国からも反応が示されている。19日、EUはアミーニーに起こった出来事を「受け入れ難い」と表現する声明を発出し、イランの体制による拘留された者への権利保証と市民の基本的権利の尊重を要求した。また、ブリンケン米国務長官は20日、イラン政府は女性に対する体制ぐるみの迫害を止め、平和的な抗議活動を認めるべきだと発言した。 評価 イランで全国規模の抗議デモが発生するのは、2019年11月中旬のガソリン値上げに伴うデモ以来である。2021年7月中旬にも南西部フーゼスターン州で水不足を受けた抗議デモが発生したが、今次デモほど
2022イラン湾岸・アラビア半島地域 公開日:2022/03/08 2022年3月5日にロシアのラブロフ外相が行った発言が、波紋を呼んでいる。同発言は、ラブロフ外相がキルギスのカザクバエフ外相との共同記者会見時、記者からの質問に対してなされたものである。 同外相は、「最近になり、ロシアの国益に関わる問題が持ち上がった」と述べ、イラン核合意(JCPOA)の再建は「(ロシアの)イランとの貿易・経済・投資関係、並びに、軍事・技術協力の実施に関わる障壁を取り除くものだったはずである・・・(中略)・・・しかし、欧米諸国による攻撃的な経済制裁の雪崩が、我々にある考えを想起させている」と発言した。その上で、同外相は、「我々は、明確な答えを受け取りたい。これらの制裁が、如何なる形であれ、JCPOAで規定される貿易・経済・投資の領域に悪影響を与えない保証が必要だ。我々は、米国側に対し、ロシアのイランとの貿易
(出所)公開情報をもとに筆者作成。 なお、同日、ハイバトッラー・アーホンドザーダ指導者は声明を発出し、国家の統治と国民生活はシャリーア(イスラーム法体系)によって統制されるとの方針を示した。なお、同指導者の敬称には「信徒たちの長」が用いられている。 評価 今次リストは、あくまでも現下の諸問題に対処するための暫定的なものである点に留意が要る。政治体制の全体像、任期、正式な政権への権力移行プロセスなど、将来への政治的ロードマップは示されておらず、今後、状況に応じて閣僚が追加される可能性もあるだろう。 それでも、アフガニスタン政府が事実上崩壊し権力の所在が曖昧な状況が続いていた中、ターリバーンが暫定内閣を公表したことで権力移行プロセスが一歩前進したと評価はできる。今回、ターリバーンは早期に組閣する必要に迫られる状況下、9月6日、パンジシール州(カーブルから北方に位置する渓谷)を陥落させたと主張(
・制度創設の権力は人民が所有する。 ・人民はその主権を、人民が選出した憲法諸機関を通じて行使する。 ・人民はその主権を、投票や代議員を通じて行使する。 ・共和国大統領は人民の意思に訴えることができる。 ・大統領が重大な病気によって職務履行不能のとき、憲法評議会が開催されなければならない。この件があらゆる方法で真実と確認された後、議会にそれを伝える。 ・両院会合は、議員3分の2以上の票で大統領の職務履行不能を宣言し、45日間に限り、国家元首職を国民議会議長に託す。大統領の職務履行不能が45日以上続いた場合、大統領の辞任と共に大統領不在が宣言される。 ・大統領が辞任または死亡した場合、憲法評議会は最終的な大統領の不在を確定する。 ・国民議会議長は最大90日間、国家元首職を遂行する。その間に大統領選挙を実施する。国民議会議長はこの選挙に立候補できない。 ・大統領の辞任ないし死亡と国民議会議長の不
2018東地中海地域シリア 公開日:2018/07/18 2018年7月15日、アメリカのCNNは複数の外交筋などの話を基に、アメリカをはじめとする各国が、シリアの戦地で活動する救護団体とされる「ホワイトヘルメット(正式名称:シリア・シビル・ディフェンス)」の構成員とその家族らをシリアから脱出させ、各国が引き取るための協議を始めたとして要旨以下の通り報じた。 およそ1000人のホワイト・ヘルメットの構成員と彼らの家族について、シリアから脱出させる計画が必要である。彼らはシリアを脱出した後、複数の国に再定住することになるが、アメリカ、イギリス、フランス、カナダが候補地である。 消息筋によると、ドイツからもなにがしかの助力が得られることが期待されている。 この問題は、トランプ大統領が7月のNATO首脳会議の際に提起し、首脳会議の期間中にアメリカとイギリスとの間で若干の協議が行われた。西側諸国は
2017湾岸・アラビア半島地域サウジアラビア 公開日:2017/10/26 10月24日、サウジアラビアのムハンマド・サルマーン皇太子はリヤードで24日から26日に開催された投資フォーラム「未来投資イニシアティブ」において、新たな産業都市「NEOM」の開発プロジェクトを発表した。同都市はエジプト・ヨルダンにも跨るサウジアラビア北西部の紅海・アカバ湾沿岸に建設され、世界経済の中心として貿易やイノベーションのハブとなることが目指される。敷地面積は2万6500平方キロメートル、紅海に浮かぶティーラーン島、サナーフィール島を含む砂漠・山岳地帯に人工都市として新たに街を建設することになる。 NEOMにおける重点分野として、①エネルギー・水、②モビリティー、③バイオテクノロジー、④食、⑤技術・デジタル科学、⑥先進的製造、⑦メディア・メディア制作、⑧エンターテイメント、⑨NEOMの基盤である生活、の9分
2017湾岸・アラビア半島地域イラン 公開日:2017/12/30 イランの全国各地で反政府抗議活動が発生している。12月28日、イラン第二の都市でシーア派の聖地であるマシュハドや、ニーシャープール、ヤズド、シャーフルード、カーシュマルなど複数の町で数百人規模の抗議活動が発生した。抗議活動では、物価高や失業について批判する声が上がり、そのなかで「ロウハーニー(大統領)に死を」、「独裁者に死を」といった指導者を批判するスローガンも用いられた模様である。当局の発表によるとマシュハドでは52人が拘束された。 翌29日には、ラシュト、ケルマーンシャー、エスファハーン、ハマダーンなどでも数十人から数百人規模の抗議活動が発生した。テヘランの治安当局は、テヘラン市内でも50人が中心部の広場で行進を行ったため、そのうちの一部を拘束したことを発表している。 米国務省はこれに関し、イランの「平和的な抗議活動参
2017サウジアラビア湾岸・アラビア半島地域イランレバノン 公開日:2017/11/10 11月4日、外遊のためサウジ訪問中だったレバノンのサアド・ハリーリー首相は、サウジ国内から突如として辞任を発表した。ハリーリー首相は、父親のラフィーク・ハリーリー元首相が暗殺されたときと同様の状況が現在発生しており、自身を狙う暗殺計画があることを辞任の理由としている。辞任演説では暗殺を計画している主体について直接的な言及はなかったものの、イランによる地域への介入、そしてヒズブッラーが武力によりレバノン政治に影響を与えていることを強く批判した。 イラン外務省は、ハリーリー首相の辞任はトランプ米大統領とサウジのムハンマド・サルマーン皇太子との間で調整されたものであり、レバノンと周辺地域に緊張を生み出すことを目指すものであると反論している。また、ヒズブッラーのナスルッラー書記長は、ハリーリーはサウジによって
2017湾岸・アラビア半島地域サウジアラビアGCCアラブ首長国連邦カタルバハレーンエジプト 公開日:2017/06/23 6月23日朝、カタルと外交関係を断絶したサウジアラビア、UAE、バハレーン、エジプトの4カ国は、仲介役のクウェイトを通じてカタルに対して要求リストを提出したことが『AP』によって報じられた。 『AP』の報道およびSNS上で広く拡散している要求リスト原文のコピーによると、要求内容は13項目で、主な内容は以下のとおり。 1. イランとの外交関係縮小、革命防衛隊関係者の追放、通商関係の制限(対イラン制裁や湾岸地域の安全に反しない範囲) 2. カタルにあるトルコ軍基地の閉鎖 3. ムスリム同胞団、「イスラーム国」、アル=カーイダ、シャーム解放機構(元ヌスラ戦線)、ヒズブッラーなどのテロ組織との関係断絶 4. 4カ国や米国、国際社会でテロリスト指定されている人物・組織への資金提供
2017湾岸・アラビア半島地域サウジアラビア 公開日:2017/06/21 6月21日朝、サルマーン国王は、ムハンマド・ナーイフを皇太子・副首相・内相の役職から解任し、ムハンマド・サルマーン副皇太子・国防相を皇太子・副首相・国防相に任命する勅令を発出した。サウジ国営通信の発表によると、国王や皇太子の選出を担う忠誠委員会において、ムハンマド・サルマーンの皇太子任命に関する採決が行われ、34人中31人の同意が得られた。これにより、ムハンマド・サルマーンの皇太子就任が認められたことになる。21日夜には国民からの忠誠の誓いを受けるバイアの儀式が執り行われることが発表されている。 このほか、王族の人事異動に関する複数の勅令が発出されている。空席になった内相の後任には、アブドゥルアジーズ・サウード・ナーイフ内務省顧問が任命された。アブドゥルアジーズは故ナーイフ皇太子・内相の孫、サウード・ナーイフ東部州
2017湾岸・アラビア半島地域イランシリア東地中海地域 公開日:2017/06/19 6月18日夜、イラン革命防衛隊はシリアのデリゾールに置かれているタクフィール主義のテロリストの指揮所、兵站拠点、自爆用自動車製造工場に向けてミサイル攻撃を行ったと発表した。ミサイルはケルマーンシャーおよびコルデスターンの革命防衛隊の基地から発射された。革命防衛隊が発出した声明によると、同攻撃は6月7日にテヘランで発生した襲撃事件に対する報復であり、イランに対して再度非道な手段が取られた場合は革命防衛隊による報復が行われるということをテロリスト、そして域内および域外の支援者に対して警告することを意図したものである(襲撃事件の詳細は「イスラーム過激派:テヘランでの襲撃事件」『中東かわら版』No.50(2017年6月8日)、「イラン:テヘラン襲撃事件を巡るサウジへの批判」『中東かわら版』No.52(2017年6
2017北アフリカ地域湾岸・アラビア半島地域エジプトサウジアラビア 公開日:2017/06/16 6月14日、エジプトの議会は、ティーラーン島とサナーフィール島をサウジアラビアに引き渡すという内容のエジプト・サウジ間合意(2016年4月)を、賛成多数で承認した。11日から議会の立法・憲法問題委員会で審議が始まり、2島がサウジ領であることを支持する政府派議員とこれに反対する議員とが激しく対立したが、議会多数派である政府派が勝った。 他方、2島引渡し合意に関しては、2017年1月に最高行政裁判所が無効判決を出しており、合意に反対する議員や活動家などは、無効判決にもかかわらず政府が議会審議を進めたことは司法権力の無視であると批判している。また現在、最高憲法裁判所で最高行政裁判決の法的正当性が審理されている最中だが、この判決を待たずに議会の採決に持ち込んだことも批判した。一部の反対派は、憲法151
2017湾岸・アラビア半島地域サウジアラビアGCCアラブ首長国連邦カタルバハレーンオマーン 公開日:2017/06/16 6月5日にカタルと外交関係を断絶したサウジアラビアやUAE、バハレーン等は、陸路の封鎖や自国の空域の通過拒否、カタルに向かう船の寄港禁止など、事実上の経済封鎖と呼びうる措置をとってきた。これらの措置に関し、封鎖の一部を緩和する動きが相次いでいる。 カタルの空域は南部はサウジ、東部はUAE、西部と北部はバハレーンの飛行情報区(FIR)に囲まれており(図1参照)、いずれかのFIRを通過しない限り第三国に向かうことができない。5日の断交後、カタル航空はバハレーンのFIRを通過するかたちで航空便を飛ばしていたものの、これがバハレーンの許可を得たものであるのか不明な状態が継続していた。しかし、11日、バハレーンは自国の管制下にあるFIRのうち、バハレーン領空を通過することになるル
2017湾岸・アラビア半島地域サウジアラビアイランカタル 公開日:2017/06/09 6月7日にテヘランで国会議事堂とイマーム・ホメイニー廟に対する襲撃事件が発生した件につき、イラン国内ではサウジアラビアへの批判が高まっている(襲撃事件については「イスラーム過激派:テヘランでの襲撃事件」『中東かわら版』No.50(2017年6月8日))。 イランの革命防衛隊は、「このテロ攻撃が米国の大統領と後方の指導者(サウジ)とが会談したわずか1週間後」に起きており、「彼らが残忍な攻撃に関与していることを示している」との声明を発出し、報復を行うことを誓った。また、イランのザリーフ外相はTwitter上で、「テロを支援する独裁者は我々の本土に戦いを持ち込むと脅迫している」と述べ、事件の背後にサウジがいると暗に示唆した。 こうしたサウジへの疑惑は、事件前日の6月6日、パリ訪問中だったサウジのジュベイル外相
2017湾岸・アラビア半島地域サウジアラビアGCCアラブ首長国連邦カタルエジプトバハレーンイランクウェイトトルコ 公開日:2017/06/07 6月6日、サウジアラビアのサルマーン国王はトランプ米大統領と電話会談を行った。ホワイトハウスが発出した文書によると、両首脳は「地域のいかなる国によるものでも、テロ組織への資金流入を阻止し、過激主義の促進を根絶するという重要な目標」について議論したほか、トランプ大統領が「GCCの団結がテロの打倒と地域の安定に重要である」ことを強調した。また、トランプ大統領は自身のTwitterアカウント上で、「サウジ訪問の成果が既に出ていることを見れて非常に嬉しい」、「(イスラーム諸国の首脳から)過激主義への資金流入に対して厳しい対応をとると言われた、それらは全てカタルに言及していた」と述べた。 一方、『CNN』は、米政府高官およびカタル政府高官からの情報として、カ
2017湾岸・アラビア半島地域サウジアラビアGCCアラブ首長国連邦カタルエジプトバハレーンイエメンオマーンリビアイラントルコクウェイト 公開日:2017/06/06 6月5日にサウジアラビア、UAE、バハレーン、エジプトの4カ国がカタルとの外交関係を断絶したことを受け、周辺国は様々な動きを見せている(4カ国の外交関係断絶は「カタル:サウジ、UAE、バハレーン、エジプトが外交関係を断絶」『中東かわら版』No.45(2017年6月5日))。 サウジ等4カ国に続き、イエメン、モルディブ、モーリシャスの3カ国、そして東西に分裂するリビアでは東部政府がカタルとの外交関係断絶を発表した。また、カタルと外交関係のないイスラエルでは、リーバーマン国防相が「これがテロとの戦いにおける多くの協同の可能性を開くものであることは疑いない」と述べ、事態をイスラエルの国益に適うものと見なしていることを明らかにした。
2017湾岸・アラビア半島地域サウジアラビアGCCアラブ首長国連邦カタルエジプトバハレーン 公開日:2017/06/05 6月4日深夜から5日未明にかけて、サウジアラビア、UAE、バハレーン、エジプトの4カ国は、相次いでカタルとの外交関係を断絶すると発表した。 サウジ政府は、「テロリズム及び過激主義の脅威から国家の安全を守るため」にカタルとの外交関係を断絶すること、カタルとの国境を陸海空の全てで閉鎖すること、サウジ国民のカタル渡航を禁止すること、サウジ国内に滞在するカタル国民の14日以内の国外退去を決定したとの声明を発出した。声明では、「1995年以降、サウジや兄弟国はカタル政府に約束の履行や合意の遵守を要求していたものの、カタル政府はたびたび国際的な義務やGCCの合意に違反してきた」と述べるとともに、カタルがイエメンのフーシー派を支援していたことが明らかになった、サウジ東部のカティーフや
2017湾岸・アラビア半島地域バハレーンGCCアラブ首長国連邦エジプトサウジアラビアカタル 公開日:2017/05/25 カタルのタミーム首長が行ったとされる演説を巡り、同国とサウジアラビア、UAE、バハレーン、エジプトとの間で紛糾が発生している。5月23日朝、タミーム首長はシャマル兵役訓練所の卒業式に出席した。同日、カタル国営通信(QNA)は、卒業式でタミーム首長が演説を行い、カタルがテロを支援していると不当な批判を受けているものの、「ムスリム同胞団をテロ組織に分類したり、ハマースやヒズブッラーの抵抗運動としての役割を否定したりしている」ため批判は不適切だと述べたほか、「エジプト、UAE、バハレーンは反カタルの立場を見直すべきである」と主張したと報じた。また、「イランは地域およびイスラームにおいて無視できない力を持っており、カタルは米国、イランの双方と同時に強い関係を築くことに成功してい
2017湾岸・アラビア半島地域サウジアラビア 公開日:2017/03/16 3月12日から15日、サウジアラビアのサルマーン国王は公式実務訪問賓客として日本を訪問した。サウジ国王が日本を訪問するのは1971年にファイサル国王が初めて訪問して以来46年ぶりで、2人目となる。サルマーン国王自身は1998年にリヤード州知事として、2014年に皇太子として日本を訪問している。 日本滞在中、13日には安倍首相と首脳会談が行われ、サウジアラビアで進められている経済改革「ビジョン2030」に対する日本との協力の方向性、具体的なプロジェクトをまとめた「日・サウジ・ビジョン2030」が合意された。同合意では、日本の成長戦略にも資するかたちで、エネルギーやエンターテイメント、医療、インフラ、投資といった9分野での広範な二国間協力を想定しており、サウジでの経済特区の設置、投資協定の発効、査証発給の円滑化などを進
2017湾岸・アラビア半島地域イランサウジアラビアクウェイト 公開日:2017/01/26 1月25日、クウェイトのサバーフ・ハーリド第一副首相兼外相はイランを訪問し、ロウハーニー大統領、ザリーフ外相とそれぞれ会談した。同第一副首相は首長特使として派遣されており、イラン・湾岸諸国関係に関するサバーフ首長発大統領宛の書簡をロウハーニー大統領との会談中に手渡している。訪問に先立つ1月24日、同第一副首相は「イランと正常かつ公正な関係を持つことを望む」と述べ、「対話のチャンネルを開くことは双方の利益になる」と主張した。1月17日にはロウハーニー大統領が、「イラク、クウェイトの他に8から10の国」がイランとサウジアラビアとの間の仲介を申し出たことを明らかにしており、今回のサバーフ・ハーリド第一副首相のイラン訪問もその一環と見られている。 なお、クウェイトは2016年初頭にサウジアラビアがイランと断
2017湾岸・アラビア半島地域イラン 公開日:2017/01/10 1月8日、アリー・アクバル・ハーシェミー・ラフサンジャーニー元大統領(82歳)が心臓発作により死去した。ハーメネイー最高指導者は、「古い友人の死の報に接し、深い悲しみを感じている」、「意見の相違も二人の友情を壊すことはできなかった」と述べ、その死を悼んだ。イラン政府は三日間の国喪を宣言した。 ラフサンジャーニーは革命第一世代として、ホメイニーとともにイラン革命を成し遂げた人物の一人である。革命後は、1980年から1989年まで国会議長を務め、イラン政界で中心的な役割を果たしてきた。ホメイニーの死後はハーメネイーの最高指導者就任を手助けし、1989年から1997年までハーメネイー最高指導者・ラフサンジャーニー大統領という「二頭体制」が築かれるなど両者は協調関係にあった。しかし、その後ハーメネイーは自身の権力基盤強化のため、ア
2016サウジアラビアエジプト湾岸・アラビア半島地域 公開日:2016/04/11 サウジアラビア政府とエジプト政府は、二国間で係争となっていたティーラーン(チラン)島およびサナーフィール島の帰属について、サウジ側に領有権があることを確認したほか、両島の周辺部において両国を結ぶ橋を建設することで合意した。エジプトにはサウジアラビアのサルマーン国王が4月6日から5日間の日程で公式訪問中であり、4月7日にはシーシー大統領との首脳会談が実施され、シナイ半島地域開発のための投資を含む17本の投資協定や了解覚書(総額17億ドル)を締結した。また、4月10日にはサルマーン国王がエジプト議会で演説を行った。 評価 シーシー政権にとってサウジアラビアは、2013年7月のクーデター直後から政治的、財政的な支援を継続的に提供してくれる存在であった。他方、サウジアラビアにとってエジプトは、イランとの対立関係を深
2016湾岸・アラビア半島地域サウジアラビア 公開日:2016/07/22 7月にリリースされ全世界で3000万ダウンロードを記録するヒットを見せているスマートフォン向けゲームアプリ「Pokemon GO(ポケモンGO)」に関して、サウジアラビアの宗教界の対応に注目が集まっている。一部報道では、ポケモンGOを禁止するファトワー(宗教令)が出された、あるいは、2001年に出されたポケモンのゲームを禁止するファトワーが更新されたと報じられているが、最高ウラマー委員会は公式Twitter上において、「委員会はポケモンGOに関してファトワーを発出していない」とし、メディアが報道しているものは、公式ホームページのトップページに掲載されている 2001年に発出した過去のファトワーに基づくものであると指摘している。さらに、今回新しく出たポケモンGOに関しては「新たなファトワーが必要である」とし、それは未
東地中海地域2023/12/05 №139 イスラエル・パレスチナ:再燃したガザ戦争#9――戦闘再開と南部での攻撃開始湾岸・アラビア半島地域2023/12/04 №138 UAE:COP28の開幕、化石燃料の扱いへの注目北アフリカ地域2023/12/04 №137 リビア・トルコ:リビアへの派兵期間の2年延長を決定湾岸・アラビア半島地域2023/12/04 №136 イエメン:フーシー派がイスラエル批判・パレスチナ支援の「有言実行」ぶりをアピール東地中海地域2023/12/01 №135 イスラエル・パレスチナ:二国家解決案とまだ早い戦後シナリオ湾岸・アラビア半島地域2023/11/29 №134 サウジアラビア:2030年万博のリヤド開催が決定東地中海地域2023/11/27 №133 ヨルダン:イスラエルとの水供給・エネルギー協力の見直し湾岸・アラビア半島地域2023/11/2
2016シリア東地中海地域 公開日:2016/03/17 2016年3月17日未明(日本時間)、日本人の安田純平氏が何者かに囚われていると述べる映像が発表された。安田氏は、2015年6月にシリアやトルコ南部に出されている海外安全情報を無視してトルコ経由でシリアに潜入していた。映像は、日本の報道機関に寄せられたもので、後にfacebookでも公開された。1分10秒ほどの映像中、安田氏は家族へのメッセージと「my country」へのメッセージとして話をしたが、その中には自分を捕らえた主体やその要求事項、或いは脅迫的な内容は含まれていない。また、映像の背景や映像中に安田氏を捕らえて今般の映像を作成した主体の身元や安田氏の所在地を判断できる材料は含まれていない。 評価 今般の映像とその内容からでは、安田氏を捕らえた主体が何かは判断できない。現時点で憶測に基づく過剰反応をすべきではない。その一方で
2016イランサウジアラビア湾岸・アラビア半島地域 公開日:2016/01/04 2016年1月3日夜、サウジアラビアのジュベイル外相は、同日に在イランのサウジ大使館が暴徒の襲撃を受けたことを主な理由として、イランとの外交関係を断絶することを発表した。イランに駐在する自国の外交官の召還とともに、サウジに駐在するイラン外交官に対して48時間以内の国外退去を命じた。 ことの発端となったのは、1月2日にサウジ内務省が、東部州出身のシーア派高位聖職者ニムル・バーキル・ニムル師を含む47人の死刑執行を公表したことである。内務省の発表によると、47人はいずれもテロ活動に従事した罪で死刑判決が下されていた者であり、大半は2003年から2006年にかけてサウジ国内でテロを起こしたアル=カーイダ関係者である。ニムル師は、2011年に東部州で発生した抗議活動を扇動した容疑で2012年に拘束され、2014年に死
2015シリア東地中海地域 公開日:2015/11/11 2015年11月10日付のレバノンの『サフィール』紙(民族主義、世俗主義寄り)は、住民への取材を基にシリアにおけるアル=カーイダである「ヌスラ戦線」やアル=カーイダと親密な関係にある「アフラール・シャーム(シャーム自由人運動)」を主力とする「ファトフ軍」が占拠したイドリブ県の状況について要旨以下の通り報じた。 イドリブ市では、戦闘で破壊された廃墟に(イスラーム過激派の)黒旗が翻っている。この光景は「イスラーム国」が占拠しているラッカ市と同様である。イドリブ市には「ファトフ軍」の侵攻前にはおよそ60万人が居住していたと思われるが、現在居住者の4分の3は町を離れた。彼らは、イドリブ県の地方部、ハマ県、ホムス県、沿岸地方などシリア国内のほかの地域へと避難した。 イドリブ市で最も発言力が強いのはサウジ人のアル=カーイダ活動家であるアブドッラ
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『公益財団法人 中東調査会』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く