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「自己家畜化現象」とは、人類が野生生物とは異なり、自らつくる文化的な環境によって身体的にも特異な進化を遂げたことをいい、自己をあたかも家畜のごとく管理する動物であるとの認識から生まれた人類学上の概念です。 自然淘汰から大幅に解放され、科学技術の発達によって寿命が延びた今日のわれわれを象徴しています。 「家畜」とは、野生から切り離され、形や習性を変えられた動物。そうだとすると、自ら作った社会制度や文化的環境によって飼い慣らされ、それに適応して自らを変えてきた人類も、「家畜の一種」と見なされる。 快適な生活を求めて作り上げた文明社会によって、生物としての耐性を衰弱させられていく人類…。ひとたび家畜となった動物は、自然に戻しても生きていけないことが多い。 出典:尾本 恵市 (国際日本文化研究センター教授) 人間の「自己家畜化」 無痛文明論(1) 森岡正博 :『仏教』44号 1998年7月 62−
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