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体力トレーニング
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──技術進歩とも関わることですが、二一世紀の映画はどうなっていくとお考えでしょうか。 【ゴダール】映画の未来がどうなるのか、私にはわかりません。今、技術進歩という言葉が出てきましたが、技術進歩といっても、進歩は相対的なものだと思います。現在のパナビジョンのカメラは、リュミエール兄弟の頃のカメラとあまり違っていません。たとえばソニーの小型カメラがありますが、それでクロッキーを作ったり、メモをしたりするのには面白いものだと思います。しかしあまりにも容易に撮れてしまうので、その簡単さによって、人々はだまされると思います。この小型カメラで自分が映画作家と思い込んでしまう危険があります。たとえば鉛筆を持っているからといって、自分がデッサンを画ける画家だと思い込んでしまってはいけません。鉛筆があっても、レンブラントやゴヤのようにデッサンができるわけではないのです。ソニーのカメラにしても同じです。ソニー
(このインタビューは、第十四回高松宮殿下記念世界文化賞の式典があった2002年10月23日に行われた。原稿掲載を快諾してくださった週刊『読書人』編集 明石健五氏に感謝いたします。) ──昨年の9月11日以降、映画作家として現実の世界に対して、どのようにコミットしていくことができるとお考えですか。 【ゴダール】私は映画作家に過ぎません。映画を作ること以外に何かをすることはできません。ただし、次のことは言えるかもしれません。今年、一周年の追悼式があった時に、ワールドトレードセンターで亡くなった人たちの名前がすべて読み上げられたのに対して、飛行機の中で死んでいった人間の名前に言及されることはありませんでした。その点に関して、映画作家として関わっていくことが、映画の使命ではないかと思っています。 ──あなたが映画を作り続けるのはなぜですか。 【ゴダール】映画を作ること、それしかできないからです(笑
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