京都は長い間、御所があり、神社仏閣の中心の地でもあり、茶道の発祥の地でもありました。 また、地下水の豊かさ、近江の米、丹波の小豆など菓子の材料になるものも周辺に豊富にあり、材料も地方から集まってきました。 そんな歴史から、京都では菓子の文化が花開いたのです。 「京菓子とは、京の文化のひとつの花ですやろなぁ。」と山口さん。 京都はお菓子屋さんがとても多い町。 「お菓子屋はん」「おまんやはん」「お餅屋はん」の三種類があり、それぞれが補い合い重なり合って共存しています。昔は各町内に一軒ずつのそれぞれの店がありました。京都の人も上手にそれを使い分けてきたのです。 「お菓子屋はん」はおやつではなく、「おもてなし」「贈答品」の菓子を作るところ。 砂糖が貴重品だった頃から神社仏閣や公家、茶家など特定のお客様を中心にその要望に答える、いわばお菓子のオートクチュールです。