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『鳳鳴(フォンミン)――中国の記憶』 FENGMING A Chinese Memoir (2007、中国) 監督・脚本・撮影:王兵(ワン・ビン)/編集:アダム・カービー/録音:申晋光(シェン・ジングヮン)/ 製作:レイ・ユウ、ルイーズ・プランス/カラー/ビデオ/183分 ひとりの老女が殺風景なアパートへとつづく上りの道を、靴を鳴らしながら黙々と歩いていく。衰えが目立つわけではないものの、確かとまではいえない彼女の足どりに、キャメラはあくまで一定の距離を保ってついていくのだが、アパートの谷間の冷えきった大気に反響する頼りなげな靴音を聴きつづけているだけで、今始まったばかりのこの映画がただならぬ傑作であることは容易に確信されるだろう。 全3部、計545分にもおよぶワン・ビンの前作『鉄西区』(2003)を見た者であれば、とりわけその第一部での、暗闇に怪しげな赤い光線が走り、蒸気が立ちこめる、
*2005年5月19日、立教大学文学部で行なった成瀬巳喜男にかんする講義。 《リハなし、ワンテイク一発撮り現代映画論講義》の枠内で採り上げたため(全概要はこちら)、 講義当日に作成したごく簡単な手書きのメモとビデオクリップしか残されていないのだが、 記憶を頼りに、言葉が足りなかった箇所を適宜補いながら再現を試みる。 (余談だが、講義当日は、『ちくま』7月号に掲載されたエッセイ「ナルセは活劇だ!―― 百歳の成瀬巳喜男は今も生きている」の締め切り前日にあたっていた) 成瀬巳喜男の100歳を祝いたいと思います。 今年生誕100年を迎える成瀬巳喜男は、間違いなく日本を代表する――いや、世界映画史に燦然と輝く偉大な巨匠のひとりでありながら、監督作品の大半がレンタルビデオ化されていないという実に馬鹿げた理由により、今日に至るまで正当に評価されているとはいいがたい状態がつづいています。こんな馬鹿な話は
2005年は、誰が選んでもこうなるだろうという並びにしかならなかったので休止したベストテン選びだが(どうしても一言しておきたい作品については【Texts】に書いてしまったということもある)、2006年はまたスクリーンだけで250本ほどの作品を見ることができたので、選出を再開したいと思う。とはいえ、週最大12コマの講義と、毎月の連載を含む執筆をこなしながらのことなので、もとより見逃してしまった作品は少なくないし、現在上映中の作品に気になるものがまだ残っているが、それでもこれらを上回ることは簡単ではないだろうという10本――にはどうしても絞れなかったので、実は11本ある――を記録も兼ねて書き残しておくことにする。今回も順位はなし、邦題の五十音順に並べた。 『百年恋歌(英語題:スリー・タイムズ)』(侯孝賢[ホウ・シャオシェン])や『選ばれた瞬間』(ジャン=リュック・ゴダール)、そして現代のアメリ
*以下は2004年12月11日、アテネ・フランセ文化センターで行なった 講演の原稿に一部加筆したものです。 活字化の話は結局実現せず、そのまま放置していたのですが、 このとき話したことは――不幸にして――いまだに意義を失っていないらしいということを 最近また痛感させられましたので、ダニエル・ユイレ(1936〜2006)への追悼を兼ねて、ここに公開します。 内容のアップデートはあえて行なわず、最小限の加筆にとどめました。 講演の機会を提供してくださったばかりか、ストローブ=ユイレ自身が読めるように英語で書くことまで 勧めてくださったアテネ・フランセ文化センターの松本正道氏にあらためてお礼申し上げますが、 今はユイレの存命中に「約束」を果たさなかった自分の怠惰を恥じるばかりです。 1971年といいますから『オトン』(1969)と『歴史の授業』(1972)のあいだのきわめて早い時期にジャン=マリ
最終更新日 2008年8月1日 u-go.to/oblique でこのページに転送されます。 リンクは自由ですが、引用の範囲を超えた無断転載を固く禁じます。 Only Japanese version available Copyright (C) 2004-2008 Theatre Oblique. All rights reserved. お問い合わせはメールでこちらまで。
<ハリウッド>をもう一度殺す 『太陽の帝国』、あるいは<孤児>への変貌――スピルバーグの決別 藤井 仁子 (2004年9月11日公開/2008年3月9日公開終了) └ レッツ・ゲット・ロスト――スティーヴン・スピルバーグ論講義 補講 藤井 仁子 (2005年1月1日公開) └ 彼らは内側からやってきた――スピルバーグの『宇宙戦争』 藤井 仁子 (2005年7月23日公開) American Finale――クリント・イーストウッドの「敗北」 藤井 仁子 (2005年6月17日公開) ソダーバーグを勝利させないことの思いがけない難しさについて――現代アメリカ映画のポストモダン的シニシズム 藤井 仁子 (2005年2月21日公開) 『光る眼』と<シネマ>の到来をめぐって
『アワーミュージック』 Notre musique (2004、フランス=スイス) 監督・脚本・出演:ジャン=リュック・ゴダール/製作:アラン・サルド、ルート・ヴァルトブルゲール/ 撮影:ジュリアン・ハーシュ/録音:フランソワ・ミュジー、ピエール・アンドレ、ガブリエル・ハフナー/美術:アンヌ=マリー・ミエヴィル/ 出演:ナード・デュー、サラ・アドラー、ロニー・クラメール/カラー/スタンダード(1:1.37)/DTS ドルビーSR/80分 *いまだ『アワーミュージック』という邦題も決定していなかった2005年1月16日、 東京日仏学院での「第10回カイエ・デュ・シネマ週間」において先行上映されたゴダール最新作。 本稿の最初のヴァージョンはその直後、1月21日に公開されたが、 2006年2月2日、訂正を施した決定版に差し替えた。 「付記」も今回新たに付け加えたものである。 とうに70歳を超
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