『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが、政治へのあきらめが広がる日本社会と、トランプ運動で分断されているアメリカ社会との比較を通じて「日本の明日」を考える。 * * * 自民党の政治資金不正疑惑について、多くの人は怒っている。けれど、同時に「政治が良くなることはない」という冷めた諦念が広がっていることも事実でしょう。トランプ運動がまたも熱を帯びているアメリカと比較すると、それぞれの社会の特異性がより明らかになる――日本で長く暮らすアメリカ出身者として、そんな実感を新たにしています(どちらがいい、悪いという話ではなく)。 大前提として、社会の分断を加速させ、民主主義そのものを否定するかのようなトランプ運動に私は極めて批判的です。ただ、そこには(事実認識が間違っているとしても)「壊れたアメリカを自分たちが立て直す」という確かな熱が