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衆院選
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2015年の現在、自転車を指して「チャリンコ」という言葉が使われることも一般的です。しかし、「チャリンコ」が自転車を意味するようになった理由は、ハッキリとわかっているわけではありません。今回は、「チャリンコ」という言葉が自転車を指すようになった経緯について調べ、どれが正しいのかを考えてみることにします。 チャリンコの語源・由来については、およそ3つの説があります。 ■戦後「(戦災により浮浪児となった)こどものスリ」を指す言葉だったチャリンコが意味変化(または言葉の廃物利用)を起こしたという説 ■自転車のベルや走行音から来た擬声・擬音語(オノマトペ)説 ■明治3年に東京の竹内寅次郎が考案した(3輪の)「自転車」という言葉の韓国語読み 「チャジャンゴ」が日本に再輸入・変化したという韓国語再輸入説 これらの説や時代状況を、時系列的に箇条書きで並べてみると下記のようになります。大雑把に言うと、60
「あれマツムシが鳴いている。ちんちろちんちろ、ちんちろりん…」という歌詞で始まる文部省唱歌、「虫のこえ」を知らない人は、おそらくいないことでしょう。けれど、この心地良く懐かしい詞が誰の手により書かれたのか…ということについて知っている人はいない、といっても過言ではありません。なぜかというと、明治43年に発行された「尋常小学読本唱歌」から始まる尋常小学校唱歌は、”国が作ったことを強調するため、個々の歌に関する作詞者や作曲者は伏せられていて、文部省も当事者に口外しないよう指導していた”からです。そのため、時を経る間に作者が漏れ伝わった数少ない歌以外は、 その詩や曲を誰が書いたかを知る人はいない…というわけです。 今回の記事は、ある手掛かりをもとにして、「虫のこえ」の作詞者は一体誰なのか?という謎の答えを明らかにしようとするものです。。 現在歌われている「虫のこえ」の歌詞は、作詞者が作ったものと
ヨーロッパの中北部は、とても身長が高いことで知られています。日本の平均身長は、男性なら172cm、女性なら159cmほどですが、たとえばオランダやデンマークなどでは、男性平均身長はおよそ182cmです。そんな(男性の)平均身長が180cmを遙かに超えるような国に行くと「小便」をする大変さに悩まされます。…どういうことかというと、男子トイレに入っても壁に並ぶ小便器の位置が高すぎて、それらは小便器ならぬ単なるオブジェにしかならず、結局のところ数少ない個室トイレを使うしかないからです。 たとえば、右の写真は(男性平均身長がおよそ182cm強の)オランダのトイレで撮影した写真ですが、後ろの便器の縁(ふち)が、私の腰の高さにあることがわかります。私の身長は163cmほどなので、この小便器(の受け口)高さは約70〜80cmくらいの高さに位置する、ということになります。…この高さの小便器に放水するのは実
仕事をしていると、時に「デスマーチ」と呼ばれる時期を迎えることがあります。それは、「○×が動かなくなり、今も復旧していません!」とか「△□にバグが見つかりましたが、解決策は全く見つかっていません!」とか、さらには「もう全然どこも動いてないです!」といったアナウンスが15分おきくらいに流れ続けるような状況です。そんな時、脳内で「クラリネットをこわしちゃった」が流れる人も多いと思います。ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない…それなら一体どんな音が出るんだ!?という恐ろしい状況です。 ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない。 ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない。 …どうしよう…どうしよう。 オ−、パッキャマラド、パッキャマラド、パオパオ、パンパンパン! オ−、パッキャマラド、パッキャマラド、パオパオパン! まるで地獄に向かって軍隊が行進していくような、それはまさにデスマーチを連想させ
17世紀オランダの画家、ヨハネス・フェルメールが描いた「真珠の耳飾りの少女」は、美しい少女が口元に微かな笑みを浮かべるように見えるさまから「北方のモナリザ」とも称される名画です。オランダのデン・ハーグのマウリッツハイス美術館が所蔵する「真珠の耳飾りの少女」は、日本でも人気高いフェルメールの中で、最も愛されていると言っても過言でない名画です。現在では「真珠の耳飾りの少女」と呼ばれているこの作品ですが、少女が身につけている「耳飾り」は、実は「真珠じゃない」というのが定説です。 この絵を所蔵するマウリッツハイス美術館も、「少女が身につけた耳飾りの大きさ(天然真珠にしては異常に大きい)」や「歴史背景(大きな天然真珠はフェルメールがモデルに身につけさせることができないような非常に高価なものだった…等)」といった理由を挙げて、以前から「おそらく、当時流行っていたヴェニス製の安いガラス製真珠風耳飾りだろ
クリスマス・年末・新年会…シャンパンやビールを片手に立食パーティなどに参加する機会も多い時期です。話をするのが苦手だったりすると、そんな場は「手に持ったグラスを眺め、ただ飲み続ける�時間」になったりします。けれど、それはあまりにもったいなさ過ぎる!というわけで、��手に持ったグラスを眺める時間を新鮮で楽しい発見・研究タイムに変身させる「役立つ知識」をご紹介します。 まずは、シャンパンをグラスに注ぎ、乾杯を終えたら、グラス中に昇る泡の動きを観察しておきましょう。そして、しばらく時間が経った後、もう一度、泡の動きをよく観察してみて下さい。…すると、シャンパンがグラスに注がれた当初は「たくさんの速い大きな泡が立ち上っていた」はずなのに、時間を経た後には、いつの間にか「小さめの泡が何列かに整列し、ゆっくり歩調を合わせて昇っている」ことに気づかされるはずです。 しかも、自分のグラスだけでなく、�周り
“中2病”という言葉で呼ばれる妄想爆発の中学2年生、そんな多感な彼らの「突拍子のない妄想」を実現させるための実験サポートをしてみました(ヨルスパ!妄想ガキレオ!〜中2の方程式〜)。 サポートした妄想内容はズバリ、 「走った風でスカートめくりできるか?」 です。まさに、中2男子が10人いたら10人全員が頭に思い浮かべたことがあるはずの「妄想」です(参考: 中学2年生の妄想を実験!野爆・川島「童貞に戻った気分」)。 軽い材質のスカートなら、秒速7〜8メートルの風が吹けば、計算上はめくれあがります(「風でめくれるスカート」の科学!「涼しく晴れた朝の地下鉄駅をドジっ娘が走る」とスカートは必ずめくれる!?の法則)。つまり、100メートルを十秒台前半で走るくらいの俊足スプリンターくらいの速さの風を起こすことができれば、スカートをめくることができるわけです。 …しかし、たとえ妄想中2男子が俊足スプリンタ
明日・明後日(23日・24日)、「作った色々なもの」を展示するお祭りMaker Faire Tokyo 2014�が東京ビッグサイトで 開催されます。そこで、「第3ホール19島の7(理科教育研究フォーラム)」という場所で、流体�シミュレーションを活用した「インタラクティブ空気砲」を展示しています。 ドーナッツ状の煙を大砲のように発射する「空気砲」は、日本では、でんじろう先生ネーミングで大ヒットした(らしい)実験です。空気の動きの不思議を強く感じることができる楽しい道具です。�…けれど、そんな空気砲の中で何が起きているかを�、その中でどのように流体が動いているのかは、よくわからなかったりします。…そこで、流体力学シミュレーションを活用した「インタラクティブ空気砲」を作ってみました。 というわけで、明日・明後日(11/23,24)、東京ビッグサイトでお会いできたら幸いです。 1968年、東京都
「知っているとトクする裏ワザ」紹介は、TV番組でもネットまとめ記事でも、定番中の定番です。裏技を知っていればいつか役に立つこともあるかもしれないし、あるいは、裏ワザを使わなかったとしても、それを話のネタにして楽しめるかもしれない、というわけです。実際のところ、数々ある裏ワザ中で現実に役立つことというのは意外に少ないものです。なぜかと言えば、普通に役立つのであれば、それは「裏」ワザなんて役回りでなくて、社会常識の必須知識なお得ワザになっているはずです。…だから、つまりは「あまり役立たないけれど面白いこと」を言い換えたものが「裏ワザ」と呼ばれるエトセトラになるわけです。 そんな実際のところ役に立たないものばかりの「知ってトクする裏ワザ」の中で、これは意外に使えるかも!?と(裏ワザの科学解説をした際に)思わされた裏ワザが、今回の記事で紹介する「汗ばんだ時、顔の油テカリを拭き取りつつ、ついでに(拭
デジタルカメラやスマートフォンで撮影した画像は、色彩を協調して色鮮やかに変えてみたり、陰影を強調することで起伏をわかりやすく画像処理することが今では一般的になっています。かつて、フィルムカメラを使っていた頃は、そんな処理を実現するためには、暗室の中での作業をする必要がありました。だから、現実的には、そんなことをするのは、ごく限られた人たちだけでした。…しかし、今ではそんな画像加工は誰でもできる一般的なことになっています。 今は、景色などを撮影した写真を眺める機会も多いものですが、漫画やアニメーションの画など、イラストレーション画像を眺める機会も多いものです。しかし、そんなイラストレーション画像に対しては、未だ画像処理を掛けることは一般的になっているとは言えません。そこで、今回は「アニメ的な画」に対して画像処理を掛けて、より立体的・リアルにしてみることにしました。…ちょうど、Tweetでアニ
先端に穴を開けた段ボールや筒の中に煙を入れて、さらに空気(煙)を瞬間的に押し出すことでドーナッツ上の煙を発射するこども向け実験の定番ネタがあります。「空気砲」とでんじろう先生が名付け広まったこの現象は、ボルテックスリング(渦の輪)と呼ばれるもので、タバコの煙を口から小刻みに押し出すことでも作り出せたりします。 ボルテックスリングを作ろうとするとき、段ボールやハサミを使って工作で作るにしても、たばこの煙を使って自分の口で作るにしても、 どんな風に空気を押し出せば「ドーナッツ状のリング」が形作られるののかがわからないと、「どうやれば良いのか」悩んでしまったりするものです。そこで、今回はコンピュータシミュレーションを使って、「ボルテックスリングを作るコツ」を研究してみることにしました。 どのようなことを行うかというと、まず煙を入れた空気砲やタバコの煙を含んだ口を考えて、そこから空気(煙)を短く押
湖や川の先にある景色が水面で反射して、地上の景色が水上に鏡のように写し出されていることがよくあります。そんな時に、水面に写る景色の方が、水の向こうにあるオリジナルの木や草よりも、不思議に色鮮やかに見えるという経験はないでしょうか? 実は、水面に映る景色の方が色鮮やかに見えるということは全く不思議ではなくて、とても自然な話です。なぜかというと、水面に映る景色は、私たちが目にする景色の「それ自身の色」をより多く写し出されているからです。 太陽や照明が放つ光に照らされた物体は、空気と物体の屈折率の違いにより、ある程度の割合の光を物体表面で反射します。そして、表面で反射されずに内部に入り込んだ光が物体の色に染まり、物体内部色の光として外に出てきます。わたしたちが眺める景色には、物体内部の色に染まった光と、物体表面で反射した太陽や照明の光そのままの色の光=多くの場合は白い光、が含まれています。緑の木
Microsoft Excel で ” - 1 ^ 2 ” を計算すると、なんと「その結果は” 1 “になる!」という話があります。「”-1^2″が”-1″でなく”1”になってしまうなんて!」「演算(子)の優先順位から言って、^すなわち冪乗演算(子)は減算演算(子)より優先されるはず。だから、”-1^2″は”-1″になるはずじゃないか!」「これってトンデモないバグじゃないの!?」とビックリする人もいるかもしれません。…しかし、” - 1 ^ 2 “をExcelで計算した結果がイコール”-1″になるということは、実は「Excelの仕様」として結構有名な話です(Topic: Excel Math Bug, Incorrect order of operations in formula)。 エクセルで”= – 1 ^ 2 “と入力すると、この”-”は「AからBを引く」ということを行う「AとBの
右の画像は、モネがえがいた「夕日の国会議事堂」です。この絵の夕日部分を眺めると、とても眩しく明るく感じます。 けれど、よくよく考えてみると、少し不思議なことに気がつきます。夕日部分を塗っている色自体は、決して、光り輝くようなとても明るい色というわけではありません。けれど、モネ描く夕日を、私たちはとても眩しく感じているのです。 こうした現象を理解し、さらに活用するために役立つのが、グレア錯視という視覚・認知の特性を理解しておくことです。グレア錯視というのは、たとえば、暗い背景の中に明るい部分が明るい領域があり、その境界に明るさや色のグラデーションが存在していると、明るい部分をより明るく・眩しく感じる、という特性です。 たとえば、下の画像を眺めてみると、左画像の中央にある白い部が(右のグラデーションがない画像の中央白い部分より)明るく・眩しく感じられるはずです。これが、グレア錯視です。 だから
一桁の掛け算を計算することができる「九九」は誰でも知っています(右画像は、1627年に吉田光由が書いた数学本「塵劫記」に書かれている「九九」)。知っているどころか、「ににんがし。にさんがろく。にしがはち…」と誰しもそらで口にすることができます。しかし、掛け算の計算結果を暗記するための「九九」の割り算版「八算」を言える人はとても少ないのではないでしょうか?…それどころか、割り算版の「九九」である「八算」の存在を知らない人も多いかもしれません。 八算は、中国で割り算を計算するために使われていた「九帰」が元になっています。そして、「1で割っても値が変わらない」ことから1の段が省略されて八算と称されるようになりました。そのため、2の段冒頭「二一天作五(にいちてんさくのご)=10を2で割ると五ができる」というように、「割る数・割られる数(*10)・割った結果・(あれば余り)」の順で割り算の結果を並べ
“青い”静脈、実は“灰色” 目の錯覚と確認 という研究報告を紹介した記事があります。研究報告の内容は「腕などで青く見えている静脈の色は実際は灰色なんだけど、周りの肌の色と比較すると青いので、相対的に青く見える」というものです。人間が色を認識する時には(測定機器でも同様ですが)、眺める領域の周囲を基準にした色の認知を行うことで、色の恒常性を得たり(照明光の補正を行ったり)します。だから、肌の上から見た静脈が周囲の肌より「青く」見えれば、静脈は青く見えるわけです。 …しかし、そもそも「赤い血」が流れてるはずの静脈がなぜ「青く」見えるのでしょう?青い静脈(専門用語では”blue pipe”)に流れているのは赤い血のはずで、皮膚の上から見たとき、皮膚の色に静脈の色が重なって見えるとしたら、「皮膚の上から見た静脈部分」は周りの皮膚よりも赤く見えそうです。そうだったとするならば、静脈は周りの皮膚より「
尿意をガマンした後に、トイレに行ってようやく立ちションした瞬間、体がブルブルッと震える経験は、誰しもあると思います。「立ちションなんてしたことない!」という女性の方はそんな感覚は未体験かもしれません。しかし、多くの男性は、そんな感覚を馴染み深いことでしょう。 この「立ちション後に体がブルッと震える現象」について、その原因として「おっしことして熱エネルギーを放出する」ことが挙げられたりします。おしっこをすると周りの気温に比べて温度が高い尿を体外に放出することになるので、失った分の熱エネルギーを補充しなければならず、体温が下がってしまう、という説明です。…しかし、少し考えてみると、この説明はかなり「変で筋が通らない」ことがわかります。まず、膀胱から尿を排出したとしても、(そのこと自体からは)熱をどこかに補給する必要はありません。 人間の体の中は約37度に保たれています。この温度は中枢温とか深部
「方程式で未知数を”x”として表すことが一般的になったのはアラビア語に由来する」という話があります。xやyあるいはzといった文字で未知数を表し、a,b,c…といった文字で既知の値を表すのは、17世紀に活躍したフランスの学者 デカルト が使い、その結果広まったとされる流儀です。この流儀の背景には、8世紀から15世紀にかけて盛んだったイスラム数学が反映されているという「へぇ〜。なるほど〜」と感じさせられる説明です。 「未知数”x”の語源はアラビア語」というのは、次のような説です。たとえば、西暦820年に書かれた“hisāb al-jabr wa’l muqābala”「約分と消約の計算の書」に「方程式の未知数を (“thing” “something” “object”といった意味にあたる)”shay’”"shey’”という言葉で表す」と記されているように、イスラム数学では未知数を”shay’
「運動エネルギー」というキーワードで、日本の憲法や法律・法令といった文章に検索をかけてみると、どうなるでしょう? 憲法や法律文章を調べても、理科の実験で習うような「運動エネルギー」なんて言葉は登場しないものでしょうか? それとも、意外な場所で出現していたりするものでしょうか? 実は、とても重要な法律の中に「運動エネルギー」という言葉が登場しています。 それは「銃砲刀剣類所持等取締法」「銃砲刀剣類所持等取締法施行規則」で、けん銃や小銃といった「銃砲」がどういうものかを定義する箇所です。銃砲刀剣類所持等取締法 第一章 第二条 と 銃砲刀剣類所持等取締法施行規則 第三条によれば、「銃砲」というのは、運動エネルギーが「20 × 弾丸の断面の面積(cm^2)」ジュールを超えるものを指すのです。 銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年三月十日法律第六号) 第一章 第二条 この法律において「銃砲」とは、け
「使用比率が多い文字でインク使用量の少ないフォントを使えば、印刷代金を安くすることができるよ!」という米国14歳少年の研究(「フォント変えれば数百万ドルの節約に、米14歳が政府に提言」)がありました。「英語で頻繁に使用される5文字(e、t、a、o、r)に着目し、4つの書体で各文字に使用されるインクの量を調べて頻度を眺めてみたら、ガラモン・フォントを使えばインク消費量が大幅に減るということがわかったよ!」というものです。 この自由研究が面白かったので、日本語フォントならどうなるかを大雑把に調べてみました。 やってみたことは、常用漢字に入っている1715文字を ・ヒラギノ明朝 Pro W3 ・小塚明朝 Pr6N R ・MS 明朝 で出力して、各フォントで「各文字に使用されるインクの量を調べて、各フォントでの”インク使用量”の頻度分布を描いてみた」のです。その結果が、右に貼り付けたヒストグラムで
(もう今更?という古い話題になってしまいましたが)佐村河内守氏が書いたという作曲指示書(右図)が、何だか妙にマメで妄想力に溢れていたことに心から猛烈に感動し(←褒め言葉のつもり)、佐村河内守氏の顔を描く方程式を作ってみることにしました。つまり、「初音ミクやアラレちゃんを描く曲線」を作るテクニックの秘密で解説した「フーリエ記述子」という技法を使って、佐村河内守氏の顔を描き出してみることにしました。 「任意の周期関数は、三角関数を足し合わせとして表現できる」というフーリエ変換を使えば、ありとあらゆる(任意の図柄を表現する)曲線を描くパラメータ列を三角関数の足し合わせ(フーリエ級数)として表すことができます。 「初音ミクやアラレちゃんを描く曲線」を作るテクニックの秘密 というわけで、作成してみた「両耳の聞こえない作曲家」の顔を描き出す「佐村河内守の方程式」が下の長い数式です。そして、 この「佐村
便意を催してトイレに入り、そして大きな”ひと仕事”をし終えた後、大便があまりに大きくて「この大便、流れなかったらどうしよう?」と心配になったことはないでしょうか?特に、サイホン式の洋式便器で用を足した時など、曲がりくねる排水管の中を大便がきちんと通過してくれるか、不安になったりすることがないでしょうか? …そんな心配をしたくなった時のために、知っておくと良い決まりがあります。日本において、便器が満たしていなければならない「決まり」が書かれているJISA5207(衛生器具-便器・洗面器類)には、次のように定められています。 1. 適用範囲 この規格は,主に建築物で使用する衛生器具のうち,便器・洗面器類(大便器,小便器,洗面器,手洗器,洗浄用タンク及び掃除流し)(以下,器具という。)について規定する。 8.2.3 排出試験 幼児用を除く大便器は直径 44 mm 以上(中略)の変形のない球を排水
ピアノの弦、つまり、ピアノ線と言えばミステリ小説やミステリマンガで、殺人の道具に使われるベスト1(というかワースト1というか)なアイテムです。炭素鋼で作られた細いけれど非常に堅く強いピアノ線は、被害者を切断したり・その死体を吊したり…と、危険極まりないスペシャルでデンジャラスな道具としてよく使われます。 ピアノ線(ピアノ以外での利用): 戦争では人の頭ほどの高さに設置し、車輌の乗員の首を刎ね飛ばすことを狙った使用法も見られた。 ノモンハン事件では、ソ連側が鉄線を使った対戦車障害物を設置した。 他にも絞首刑の道具としても使われた。 しかし、ピアノ線はピアノの中にも張り巡らされているわけですから、「もし、ピアノの中でピアノ線(弦)が切れたら、どうなるんだろう?切れたピアノの弦が、演奏者の方に跳んできてその首を切断してしまったり…そこまで至らないにしても、演奏者が怪我をしてしまったりしないものだ
韓国内で消息不明となった内閣府職員が、北九州市の海岸近くでゴムボート内で遺体として発見された、というニュースが世間を賑わせています。釜山市で購入したゴムボートで日本への渡航をしようとしたのではないかとか、亡くなった状態でゴムボートに乗って冬の日本海を北九州市まで辿り着くはずがない、といった推測や疑問が渦巻く不思議な話です。今回は「もしも、ゴムボートに乗って釜山近郊から対馬海峡へと向かったら、ゴムボートはどこに辿り着くか」を考えてみることにします。 対馬海峡に流れる海流は、基本的には東シナ海から日本海へと流れています。たとえば、左下の図は海洋大循環モデル(RIAMOM)による2014年1月10日の(海流の)平均速度です。対馬海峡のあたりでは、(対馬が流路を狭めることで、海峡が狭まった部分では海流の速度を速くなり)およそ秒速 50cm(時速1.8km)ほどで南西から北東に向かって流れていること
トイレットペーパーには、表面と裏面があります。裏面はゴワゴワな肌触りが堅い表面で、それとは逆に表面(おもてめん)はフンワリ肌に優しい柔面になっています。表面と裏面を見た目で区別することができなくても、その表面性の違いは、たとえば指で撫でてみたりしたならば、指の先に感じる抵抗を手掛かりにして、いともたやすく区別することができます。…このトイレットペーパーの裏表の違いは、とても不幸なことに、多くの場合「裏面」がお尻表面を撫でてしまうという構造になっています。なぜかというと、多くのトイレットペーパーは、「回転面の内側に粗裏面が向くように作られている」からです。 壁に設置されたトイレットペーパーを手を伸ばして自然に丸めようとすると、やってみればわかりますが、手前側に向かって丸めることになります。たとえば、下の図は、回転面の内側に「粗い裏面」が向くように設置されたトイレットペーパーが「壁に離れた側か
地球の自転軸が太陽に対して傾いているため、夏は日が長く・冬は日が短くなります。 日(太陽が地上に昇っている昼間)が一番長くなるのが夏至で、日が一番短くなるのが冬至です。冬至は「太陽が出ている時間が一番短い」のですが、しかし、太陽が地平線から昇る「日の出」時刻が一番遅いわけではありません。たとえば、日本であれば、日の出時刻が一番遅いのは、冬至を過ぎて1月に入った頃です。…どうして、「太陽が出ている昼間の長さ」と「太陽が地平線から顔を出す時間」が一致していないのでしょうか? まず、最初のヒントは「そもそも、正午に太陽は真南に位置するわけではない」というものです。もしも、太陽が正午には真南にいたとしたならば、昼間の時間と日の出(や日の入り)の時間は、同じような変化をすることでしょう。たとえば、日が長ければ太陽は東の空から早い時刻に昇るでしょうし、日が短ければ太陽が昇る日の出時刻は必ず遅くことでし
今回は、「洋式小便器ではどこを狙うのが、飛沫をまきちらすことなく、一番周りを汚さずにすむか」ということと(参考記事:小便器で飛沫を飛ばさないコツは「真ん中を外した左右・水平より少し下目」を狙うこと!?)、「洋式大便器での立ちしょんべんは、なぜお勧めできない・あり得ないのか」ということを証明してみようと思います。 まず、これまでに行われた研究、特に米国研究者らによる「小便を模した放水実験」を高速度カメラ撮影した解析結果から、 ■ 小便を、壁面になるべく沿った角度であてることで (表面張力と壁面と小便との付着力により)飛沫が飛びにくい ■ 小便が「粒として分離した状態」で壁に当たってしまうと、 飛沫が多量に生じてしまう ということがわかっています。 そして、(あたかも、水をホースから出す時のように)最初は繋がって飛び出した「おしっこ」が、自身の表面張力によって、いくつもの粒として分離しまうまで
フェルメールは、普通の風景を柔らかく写実的に描いた17世紀オランダの画家です。そのフェルメールが描いた「ミルクを注ぐ女」の世界を3次元空間として復元したのが、View Paint(Point)です(詳しい動画解説)。「ミルクを注ぐ女」が一点透視図法で精密に描かれていることを利用して、幾何学的な関係式やさまざまな歴史資料を元にして、絵画「ミルクを注ぐ女」が描かれた部屋や登場する人や物を、すべて3次元空間上で作り直した…というわけです。その製作秘話(凸版印刷 奥窪氏)を聞き、一番面白かったのが、「ミルクを注ぐ女」を3D化した際に気づかされたという、「絵画に描かれている、現実の世界ではありえないこと」でした。そのひとつが、「ミルクを注ぐ女」が持つ水差しは「ミルクが流れ出ることは不可能な角度だ」ということです。 確かに「ミルクを注ぐ女」を眺めてみると、「ミルクを注ぐ女」が手に持つ水差しからはミルク
「潮の満ち引き」などを起こす潮汐力に関して「よくある疑問」が、「月に引かれてる」のに「反対側も盛り上がる」のはなんで?という疑問です。 月に引かれて、月に面した側の(海面や地面)が盛り上がろうとするのは納得できるけど、逆側も盛り上がるのは何だかよくわからない…という話をよく聞きます。そこで、今回は、「月に引かれてる」のに「反対側も盛り上がる」理由を図示してみることにします。 月による潮汐力を考えるため、まず地球と月が引き合いながら回転しているようすを描いてみました。それが、右の図です。地球と月は、(地球と月を合わせた)共通重心を中心として回転(公転)しています。そんな公転を地球上の各位置が行う時には、地表上の各点は同じ等速の円運動を行い、(その等速円運動する状態を基準とすると)どの点も「月がいる方向とは反対側に働く」同じ大きさの遠心力を受けることになります。そして、地球重心では、その遠心力
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