【シドニー時事】オーストラリア南部で先週、集団発生した花粉飛散期と嵐が重なって起こる「雷雨ぜんそく(Thunderstorm asthma)」で、呼吸困難などによる死者が8人に達した。 豪メディアが29日報じた。地元ビクトリア州は「救急医療体制を改善する必要がある」(アンドルーズ州首相)と判断、救急隊員450人の増員を決めた。 ▲巻き上げられた花粉は水分で膨張破壊、より細い花粉粒子へ、降雨で水分が抜け凝縮した粒子は乾いた風に乗り吹き付ける 雷雨ぜんそくの患者は21日夕、激しい雷雨に見舞われた後に出始めた。午後6時からの5時間だけで2000人近くを救急車で搬送。救急現場はパンク状態となった。計8500人以上が手当てを受けた。死者には若者も含まれる。 雷雨ぜんそくは高温多湿の中、花粉が降雨で水分を急に吸収して膨張後、微細に分裂することで発生する。鼻毛などに引っかからず肺まで届いて付着し、呼吸困