記者会見冒頭、頭を下げる小林製薬の小林章浩社長(左から2人目)ら=3月29日、大阪市北区【時事通信社】 小林製薬の紅麹(べにこうじ)サプリメントが原因と疑われる健康被害は、大きく広がっています。厚生労働省によれば、医療機関を受診した人1434人、入院した人240人、死者数5人(4月18日現在)。健康食品としては未曽有の事件です。日本腎臓学会の調査では、倦怠(けんたい)感や尿の異常、腎機能障害などを訴える人が目立っており、亡くなった方のうち3人にはがんや高脂血症などの持病があった、とのことです。 原因物質はまだ特定されていない 原因物質はまだ特定されていません。製品中に、意図しない成分としてプベルル酸という物質があったことは確認されています。しかし、プベルル酸は急性の腎臓障害を招くほどの強い毒性はない、とみる科学者が多いのです。そのため、原料や製造段階でのほかのかびやかびの作る毒性物質の混入