観光産業は好調のように見えるが… 1980年代、日本の好景気(最後はバブル崩壊に終わったが)に対し、米国経済は停滞気味だった。しかし、その後、IT革命の波に乗ったGAFAMなどの新興テック企業が古いタイプの大企業を軽々と追い越していった。 日本では、この間、かつての電機や自動車に取って代わるような巨大産業は生まれなかった。従って、大量の輸出で日本に外貨をもたらす力が衰えてきた。自動車会社も電機メーカーも米国や欧州などの消費国に多くの生産拠点を移転しているが、外国で稼いだ外貨は現地で再投資することが多く、日本へはあまり還流しない。それも、貿易収支の悪化に拍車を掛けている。 日本経済の停滞は、10年前くらいまでは、「失われた20年」と呼ばれたが、今では「失われた30年」だ。このままでは、「失われた40年」になるかもしれない。戦後日本の経済発展を牽引したのは、明らかに製造業、すなわちもの作りだが