麦茶の人気が高まっている。この十数年で麦茶飲料の市場規模は3.5倍に拡大した。その中で、日本で一番売れているブランドは伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶」だ。なぜ愛され続けているのか。経済ジャーナリストの高井尚之さんがリポートする――。 なぜ「麦茶」が3.5倍も売れるようになったのか 猛暑の時季にありがたい清涼飲料水。全国清涼飲料連合会が発表した「清涼飲料水統計2024」では約4兆4460億円(前年比107%)という巨大市場でもある。 全国清涼飲料連合会「数字でわかる!見て学ぶ!2024」 その中で販売金額の多いカテゴリーは1位が「コーヒー飲料」(シェア率21%)、2位が「茶系飲料」(同19.2%)となっている。こうした清涼飲料水市場の中で、近年最も伸びているのが茶系飲料の中の「麦茶飲料」だ。麦茶飲料の市場規模は約1400億円(2023年)で、この十数年で3.5倍に拡大した。 昔から夏の定番飲料