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上田祥行特定講師らの2件の研究が日本心理学会第86回大会で特別優秀発表賞を受賞しました。 上田祥行特定講師らが行った2件の研究発表が、2022年9月8–11日に行われた日本心理学会第86回大会で特別優秀発表賞に選ばれました。 1件目は、上田特定講師(筆頭著者)が、中山真孝 本研究院特定講師、阿部修士 同准教授、内田由紀子 同教授、齋木潤 京都大学大学院人間・環境学研究科教授らと共同で発表したもので、発表題目は『「こころ」の概念に関する多国間調査―「こころワールドマップ」の作成に向け… 広井良典教授が武蔵野美術大学・日本総合研究所主催の共同シンポジウム「自律協生社会のデザイン」で基調講演を行いました(11月1日)。 広井良典教授が武蔵野美術大学・日本総合研究所主催の共同シンポジウム「自律協生社会のデザイン」で基調講演を行いました(11月1日、武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス)。 本シンポジ
> スタッフ 教員メンバー センター長 河合 俊雄 Toshio Kawai 臨床心理学 副センター長 広井 良典 Yoshinori Hiroi 上廣倫理財団寄付研究部門・兼任 公共政策・科学哲学 教授 河合 俊雄 Toshio Kawai 臨床心理学 小村 豊 Yutaka Komura システム神経科学、比較認知科学 広井 良典 Yoshinori Hiroi 上廣倫理財団寄付研究部門・兼任 公共政策・科学哲学 吉川 左紀子 Sakiko Yoshikawa 認知心理学・認知科学 吉岡 洋 Hiroshi Yoshioka 特定教授 美学・芸術学 准教授 内田 由紀子 Yukiko Uchida 社会心理学・文化心理学 阿部 修士 Nobuhito Abe 特定准教授 認知神経科学 熊谷 誠慈 Seiji Kumagai 特定准教授 上廣倫理財団寄付研究部門 仏教学・チベット学・ブー
皆さん「科学」というものに、どのようなイメージをお持ちでしょうか。 これは科学者の側の被害妄想かも知れませんが、しばしば「科学的」というと「ゼッタイに正しい」「ゼッタイとは言わないまでも、かなり正しい」と思われていたり、そこから逆に「こんな妙な話を”正しい”というのだから、科学は怪しい」とか思われることがあるように感じます。被害妄想かも知れませんが。 「科学の定義」については、色々な意見があることと思います。ただ一つ言えることは、「一人の天才科学者によって、世紀の大発見がなされる」という科学へのイメージは、しばしば誤りである、ということです。 もちろん、天才的な科学者、すごい研究者という人々は存在します。ヒライシが憧れる研究者も多くいます。それらの方々の研究を学会で聴いたり、論文で読んだりして、新たな発見に感動したり、目からウロコがボロボロ落ちることも多くあります(注1)。しかし「科学的発
雨の中出かけて、やっと借りられた話題のDVD。なのに面白くない。見始めて5分で確信。最後まで見ても絶対つまらない。でも、払ったお金がもったいないから・・・・最後まで見ました。 こんな経験、したことありませんか? つまんないと分かっているDVDをみてしまうようなことを「サンクコストの誤り」(Sunk Cost Fallacy)といいます。そう、これは「誤り」なのです。でもなんでこれが誤りなのでしょう? サンク(Sunk)は直訳すれば「沈んでしまった」といった意味。だからサンクコストは、沈んでしまったコスト=もう取り返しがつかないコストということです。なぜつまらないDVDを見続けることが「取り返しのつかないコスト」の「誤り」になるのでしょうか。 ちょっと違うバージョンを考えてみて下さい。 テレビをみていたら、面白そうな映画がはじまったので見てみた。でも5分も見たらつまんなそう。さて、この映画を
子どもの頃のある冬の晩、ふと見上げた夜空に三つの明るい星が並んでいることに気が付きました。きれいな星を見つけたことを親に得意げに伝えたら「あれはオリオン座だよ」と簡単に返されました。その時に「ああ、みんな思うことは同じなんだな」と感じたことを覚えています。 オリオン座という名前は知っていました。でも、それがどんな星座かは知りませんでした。それでも、あの三つ星は「特別なもの」としてヒライシの目に映ったのです。20世紀のアジアの片隅に住む少年にも、古代ギリシャの人々にも、あの三つ星は特別に見える。古代のシュメール文化、エジプト、中国などでも、オリオンの三つ星は特別なものと考えられていたそうです(Wikipeida; オリオン座)。時代も言葉も文化も違う人々が、同じものをみて同じように感じる。人間にはさまざまな違いがあるけれど、同じ「こころ」もあるのだと思うと、ちょっと嬉しくなります。今回はそん
皆さん、写真うつりを良くするために、どんなことを気をつけていますか? にっこり笑うとか、目力を込めるとか、人によりさまざまな戦略があることと思います。今回は、どんなポーズで写真を撮ると魅力的にみえるか?という研究を紹介してみましょう。 ただし、効果は女性限定です。 と、もったいつけてみましたが、おそらく大半の女性はすでにご存知のことかも知れません。 「うつむき加減から上目遣い」 だそうです。 心理学の研究を見ていると「そんなこと、知ってた」という現象が報告されていることが少なくありません。「別に大真面目な顔して"研究"とか言わなくても、そんなの分かってた」という研究。今回のも、そういうものと言えば、そうかも知れません。 しかし一方で、心理学の歴史は、人間の"直感"とか"常識"が、いかに間違いやすいものであるかも、繰り返し示してきました。だから「そんなん知ってる」という話であっても、やっぱり
皆さん、ご無沙汰しております。 お元気でしたか? 「こころ学」担当の田村です。 今回は、人間は「他人の目」がとっても気になるというお話をしたいと思います。 皆さんはよくファーストフード店や学校のカフェテリアで、ランチやお茶をすると思います。 こうしたお店の多くではセルフサービス方式を取っているため、食べ終わった後に食器を自分で片付けなければいけません。 このとき皆さんは、きちんと食器類を片付けるでしょうか。 それとも、たまには片付けを面倒に思って、つい食器類をテーブルの上においたまま、席を離れたりしませんでしょうか。 お店の人にとって、食器類を片付けてくれないのはとても困ります。 それではどうしたら、利用者に食器類を片付けてもらえるのでしょうか。 レジでの会計の際に片付けてもらうようにお願いする? それとも時々店内を見回って、片付けない人がいたら注意する? どちらも、効果が見込めない、ある
2024年 ■開催日 ■イベント名 ■カテゴリー 2023年 ■開催日 ■イベント名 ■カテゴリー 2022年 ■開催日 ■イベント名 ■カテゴリー
2022/11/11 センターニュース 上田祥行特定講師らの2件の研究が日本心理学会第86回大会で特別優秀発表賞を受賞しました。
惨めな思いをしたりつらい状態に追い込まれたとき、私たちはそれを「痛い」と感じます。 また、他人からほめられたりラッキーな思いをしたとき、それを「おいしい」と表現することがあります。 これらの言葉は比喩として用いられているように見えますが、脳の中を見てみると実はそれが単なる比喩とは言い切れないことが最近の研究で分かってきました。 針で刺されたりつねられたりしたときに人は痛みを感じますが、そのとき脳の中では前部帯状皮質という部分が反応することが知られています。 こうした痛みは物理的な刺激によって生じるものですが、こころがちくりと痛むような場合も、なんと脳の中では同じ部分が反応しているようです。 Takahashi et al.(2009)*1による研究では、実験参加者を脳の活動を測定する機械の中に寝かせ、そこで自分より成功している人のことを想像させました。 つまり自分が劣等感を持つような状況を
ある日あなたが教室に入ると、真っ黒のゴミ袋を頭から被った男が後ろの方の席に座っている。見えるのは裸足の足先だけ。ところが教師は、何も言わずに淡々と授業を進める。ゴミ袋男は月、水、金の2限にやってきて、クラスの一番後ろで静かに授業を受ける。そんなことが数週間にわたって続く。 あなたはどんな気持ちになるでしょうか? 実際に、そのような「実験」をした教師がアメリカにいたそうです。そして、学生たちのゴミ袋男への態度は、敵意から好奇心へと変化し、最後には友情が芽生えたそうです。 昨年末に亡くなったZajonc(ザイアンス)の代表的な論文「単純接触が態度に与える効果」(Attitudinal Effects of Mere Exposure)は、そんなエピソードの紹介から始まります。 ザイアンスはこのエピソードから、モノや人を繰り返し目にするだけで(単純接触:mere exposure)、そのモノや人
皆さんは、映像や写真で他人が注射をされている場面を見たとき、まるで自分が注射をされたときのように「イタタッ」となりませんか? こうした心理現象は「共感」の一つであり、痛みを感じている他者を助けるときの動機になっていると考えられています。 しかも興味深いことに、脳科学研究では、自分が実際に痛みを感じるときに活性化する脳部位が、他者が感じる痛みに対しても同じように活性化することが明らかにされています。 すなわち、他人の痛みは自分にとっても「本当に」痛いわけです。 それでは、こうした痛みの共感はどんな場合にでも生じるのでしょうか。 近年の研究では、相手の性質によって、これが起こる場合とそうでない場合があることがわかってきました。 ロンドン大学のシンガーさんを中心とした研究グループは、どういう相手に対して痛みの共感が生じるのかということを、相手の「公正さ」に注目して実験的に検討しました。 この実験
男性ホルモンと聞いて何を思い浮かべますか? 筋肉増強、体毛、声変わり、そして禿げ。男性ホルモンは、良くも悪くも「男らしさ」の活性化に重要な役割を果たしています。では、脳に対する影響はどのくらいあるのでしょうか? 巷では、「男脳」と「女脳」はどう違うのかといった議論も流行していますが、こうした話にホルモンはどの程度関係しているんでしょうか? 試しに、「男性ホルモンが濃そうな人」をイメージしてみてください。見た目はやっぱり、立派な筋肉、濃い体毛、低い声といった感じで、まさしく360度肉食系。では性格は? どうやら多くの人は、「攻撃的」と想像するようです。たしかに肉食獣は攻撃的ですからね。でも男らしい男性は、本当に攻撃的なんでしょうか? ただの迷信? それとも真実? 今回はそんな研究をご紹介します。 確かに男らしさと攻撃性には関係があるように思えます。男性が女性に比べて体のサイズが大きく、筋肉量
私たちはとても多くのモノ、コトを覚えて生活しています。例えば、13才児童の語彙量は3万語前後という報告があるそうです。生まれた瞬間から毎日単語を覚えていったとしても、一日あたり平均6.3語ほど新しい単語を覚えてきたことになります(閏年を無視して一年=365日で計算した場合)。中学高校で英単語を覚えるときにした苦労を思うと、母語を覚えるときの記憶力にビックリします。 それでは、私たちはいったいどれくらい沢山のコトを覚えることができるのでしょうか?そもそも記憶力に限界はあるのでしょうか?時間さえかければ、人は無限に多くのことを覚えられるのでしょうか。円周率を10万桁暗唱した方の話などをきくと、ひょっとすると人間の記憶力は無限なのかも知れない。頑張ればいくらでも沢山覚えられるのかもしれない、なんて気もしてきます。 イリノイ大学のVossさんは、この疑問に果敢に取り組みました(※1)。 Vossさ
皆さんは落書きのない場所と落書きだらけの場所のどちらで、捨てる場所に困ったゴミをついポイ捨てしてしまいますか。 また、違法駐車がまったくない道路と何台かが違法駐車している道路のどちらで、横断禁止の標識を無視して通りを横切ってしまうでしょうか。 1990年代中盤、落書きや器物破損、ポイ捨てといった軽犯罪の多発に頭を悩ませていたニューヨーク市は、「生活の質キャンペーン(Quality of Life Campaign)」という政策を実施しました。 この政策は、街なかの落書きを消し、通りをきれいに清掃し、治安の悪化を示す様々なものを除去するというものでした。 この政策は非常にうまくいき、ニューヨーク市の軽犯罪数は急激に減少しました。 実はこの政策の裏には「割れ窓理論(Broken Windows Theory)」という心理学の理論があります。 この「割れ窓理論」とは、ちょっとした治安の乱れや軽い
みなさんこんにちは。 朝晩はずいぶん寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。 今日は、つい最近まで日本経済新聞の「やさしい経済学」というコラム欄で取り上げられていた「ゲーム理論」に関連するお話をしたいと思います。 少し抽象的な説明になりますが、あなたとあなたの友人が二人で協力して作業を行った結果、たまたまどちらかが大きくお金を稼いだという場面を想像してください。 二人とも同じくらい仕事に貢献したのに、残念ながらあなたのところにはお金が入ってきませんでした。*1 さて、このようなとき友人があなたにほんの少しだけ分け前をお情けで恵んでくれるとしたら、あなたはどのような行動をとるでしょうか。 おそらくあなたは怒って「そんな施しみたいな額なら、おまえさんにくれてやらあ」と受け取りを拒否してしまうのではないでしょうか。 心情的には非常に理解できるこうした行動ですが、経済学の世界ではこのような
前回の記事から時間がたってしまいましたが、指と日本の伝統的格闘技、すなわち「大相撲」の関係について、ご紹介したいと思います。実はのんびりしている間に、大手ブログサイトで論文が紹介されてしまったり、研究チームのリーダーである大竹文雄先生ご自身がブログで紹介されたりしたので、研究結果の大枠について、すでにご存知の方も多いと思います。そこで、それらの記事で触れられていない、論文の細部、重箱の隅の味わい方をご紹介しようかと思います。 Continue reading
令和3年度のプロジェクト一覧 「教育プロジェクト」「研究プロジェクト」「実践活動」「社会発信」「一般公募プロジェクト」「人社・文理融合プロジェクト」でプロジェクトを推進しています。
この秋、私にとってちょっとしたニュースがありました。私が専門とする「進化心理学」という領域から、(イグ)ノーベル賞が出たのです。*1 「排卵周期がラップダンサーのチップに与える効果」というタイトルの研究で、米国ニューメキシコ大学のGeoffrey Millerさん、Joshua Tyburさん、Brent Jordanさんの共同研究です。*2 ”ラップダンサーってなに??なんの研究なの??” 私もそう思いました。そしてそれは全て論文に書かれていました。ご紹介しましょう。 研究には(他のイグノーベル賞受賞研究と同じく)いたって真面目な目的があります。 他の動物と異なり、人間の女性には発情期がないと言われています。例えばチンパンジーでは、妊娠可能性の高い性周期にあるメスは、お尻が真っ赤にふくらんで、ハッキリとそれと分かります。 でも人間の女性にはそうした、妊娠可能性を示すハッキリした目印はない
誰でも一度くらいは心霊現象に興味を持ったことがあるんじゃないでしょうか。霊が出没すると言われる深夜の山道や廃墟になったホテル。よくあるテレビの心霊特集では、レポーターが「確かにあそこに誰かいたよ!」と震える声で言っている。さて、こうした心霊現象は、科学的に解明可能なんでしょうか?(*1) 実は、既にそれっぽい研究がいくつか行われています。今日はその中から、幽体離脱(out-of-body experience)についての研究を紹介しようと思います。 幽体離脱とは要するに、自分自身がどういうわけか自分の体の外に抜け出してしまった状態のことですね。自分の体はベッドの上で横になっているにも関わらず、自分自身は天井のあたりにフワフワと浮いており、そこから寝ている自分の体を見ているように感じられたりします。実はこの現象、広く世界中で報告があるそうです。 で、スウェーデンのEhrssonという人が、幽
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