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最近は好きな映画もオンラインを通して簡単に見られるようになったが、ふと映画館に足を運びたくなることがある。自宅とは比較にならない臨場感と迫力、そしてポップコーンとコーラを飲みながら楽しむ感覚がなんとも言えず好きなのだ。 しかしその映画館の現況はあまり芳しくないという。米国でも各映画館は日々集客数が減ってきており、事業者を悩ませている。最近では空席率が平均9割近くもあり、平日に限るとなんと実に95%の席が埋まっていないのだそうだ。その一番の原因は、多くの利用者から「映画館は高い」と見られていることにある。 今回ご紹介する「Dealflicks」はそうしたチケット料金の問題に踏み込んだマーケットプレイスだ。同サイトでは映画館が売り残した空席をオンラインでディスカウント販売するという、「映画版Pliceline」とも呼ばれるサービスを行っている。 同サービスでは最大60%も値引きをすることが受け
昨年、島野製作所という日本の中小企業がアップルを訴えたことが世間を騒がせた。 アップルの一次下請けとして電源アダプターに使われるピンを製造納入してきたが、ある時期から発注が激減。島野が特許を持つピンを、アップルが合意に反して別のサプライヤーに安値で製造させていたためだとわかったことで、法的手段に訴えたのだ。 島野はアップルに損害賠償を求めるとともに、特許権侵害の対象である電源アダプターや、それが同梱されているノートパソコンなどの日本での販売差し止めも請求している。 法務部門のある大企業ならともかく、組織的に未成熟で人手も足りないスタートアップでは知財管理どころではないというのが実情ではないだろうか。だが、従業員350名の島野製作所のような中小企業にもそれは決して他人事ではないことを、上の例がありありと示した。 そこで今回は、企業が自社の知的財産を洗い出して管理し、専門家への相談の指針にでき
僕が子供の頃、友人への年賀状はすべて手書きで送っていた。当時はインターネットも携帯電話もなかったので、それが当たり前の話だった。何十枚という年賀状を送るのは子供にとっては大仕事で、書き終えるまでに何日も要したものだ。 いつからか年賀状は年賀メールに取って代わった。テンプレートの中から決まったデザインを選択し文字を入力すれば完了。何十人に送ったとしても数時間で終わった。 年賀状を送る習慣が再び目覚めたのは社会人になってからだ。ただし基本的にPCやプリンターで作成したものなので、作業もさほど時間のかかるものでもないし、完成度も段違いに高いのだが、やはりどこか味気ないと思うこともある。 今回ご紹介する「Bond」はそうした手間の削減もしつつ、より味わい深い手紙やメッセージを送ることのできるサービスだ。同サイトは依頼主に代わって、手書き風の文字をロボットが手紙に直接入力し、サイトのスタッフが手紙と
現在米国では、空いている部屋を旅行者に貸すことを可能にした「AirBnB」、車の空きシートを貸して乗り合い人を集めることを可能にしている「BlaBlacar」を筆頭に、物やスキルを共有しあうシェアリングエコノミー(共有型経済)のサービスがたくさん出てきている。 シェアリングエコノミーが流行るその背景には、人の考え方がただ単に物やサービスを所有するという考え方からもっとお互いに共有し合おうという考え方にシフトしてきている流れがある。また、ITによって情報の共有が容易になったために、これまで活用されていなかった物・スキルといったリソースを有効活用しやすくなったことも大きいだろう。 今回ご紹介する「Roost」も、こうしたシェアリングエコノミー型のサービスのひとつだ。同サイトでは家の余分な空きスペースや倉庫、車庫などを貸し出し、スペースを必要とする人とを結びつけることに成功したマーケットプレイス
以前取り上げたYoubarのように、近年では食品ECサイトにおけるオーダーメイドの進出が目覚ましい。オンライン上のシステムを用いて、利用者のニーズに合わせた食品を組み合わせることができるのは、ECサイトの長所のひとつだ。 今回ご紹介する「Petbrosia」も、同じくオーダーメイドで食品を配合し、配送してくれるサービスだ。と言っても人間が食べるものではなく、犬や猫用のペットフードの分野でオーダーメイドを行っている。 同サイトでは個々のペットの年齢、体重、運動量、アレルギー等の質問項目に答えると、個々の犬、猫に合わせた栄養素を含んだペットフードを購入することが可能になる。こうしたペットの健康状態に合った食事をすることで、痩せ過ぎや太りすぎを抑えたり、より健康的なコンディションを保つのが目的だ。 2012年1月に米国オハイオ州を拠点に設立。創業者のインタビューによると、創業1年目の利益は300
このところ、米国でも日本においても家の掃除などを代行してくれる家事代行サービスを提供するサイトが普及してきている。米国では家事代行サービスの中でも、より専門的な分野にサービスを絞ったサイトが登場し始めている。 その代表格ともいえるのが、壁塗りの代行を厳選された壁塗り職人に頼むことができるサイト「Paintzen」だ。同サイトの売りは、部屋数や天井のおおよその高さなどの簡単な情報を入力するだけで利用料金をはじき出すため、前もって業者に見積もりに来てもらう必要がないことにある。 同サイトがこれまでに受けた投資の総額は200万ドル(約2億4000万円)にのぼる。2013年にニューヨークでサービスを開始して以来4000以上の部屋の壁塗りを完了しており、2014年にサンフランシスコでもサービスを開始し始めた。今後全米各都市にサービスを提供することを目指して躍進中だ。塗装業は業者が家を訪問して見積もり
知育玩具の代表といえばレゴだ。あなたもきっと子供の頃にレゴを組み立てたに違いない。僕も児童館にあったレゴを友達と奪いあいながら組み立てた思い出がある。 いまでもレゴは子どもに大人気のおもちゃのひとつだが、大人にとってはいろいろと頭を抱える問題もあるらしい。たとえば友人宅では子どもにせがまれて買ったものの、一度遊んだら次のシリーズを欲しがったり、家の中のあらゆる場所にレゴのパーツが落ちていたりして頭を悩ませているそうだ。またレゴにお金をかけだすと結構高いという経済的な問題もある。 そんな悩みもこのサイトなら解決できる。レゴのレンタルサービスをおこなうECサイト、「Pley」だ。子供たちの好みやペースに合ったピース数のロゴを選択し、好きな期間だけレンタルでき、気に入った場合はそのまま買い取ることもできるサービスを行っている。 また子ども向けのサービスであることから、一定のピース数の紛失を問わな
現在、アジア進出の足がかりとして、シンガポールで事業展開する企業は後を絶たず、年間500万人ものビジネスマンが出張で同国を訪れている。こうした人たちは何度もシンガポールを訪れるケースが多く、同国に出張でやってくるビジネスマンのうち、61%がリピーターだ。 また、医療技術が優れているシンガポールではメディカルツーリズムが盛んで、健康診断や簡単な治療を受けるために同国を何度も訪れる海外セレブも多い。 しかし、海外旅行者にとって、手荷物の管理は決して楽なものではない。必要な衣服や下着、洗面用具、気に入っているシャンプーなどを詰めたり、手荷物を持ち運び、空港のバゲージクレーム(手荷物受取所)で待たされる時間はなかなか負担が大きいものだ。 1回きりの旅行ならまだ荷物を詰める楽しみもあるが、何度も出張するビジネスマンともなれば、負担を感じる割合の方がはるかに大きいだろう。 今回ご紹介する「Packna
現在米国において、農作物がGMO(遺伝子組み換え作物)であるかどうか、あるいは食品が安全であるかどうかということは消費者にとって、大きな関心事となっている。 消費者に食品を届けるレストランやスーパーマーケットなども、食品の安全性には敏感にならざるを得ない。しかし消費者と同様、身元が確かな食品を手に入れられるような流通システムをなかなか見つけられないのが現状だ。 そこで今回は、レストランやスーパーマーケット、小売店、ケータリングサービス、大学、病院といった買い手と、生産者を直接つなぎ、安全な食品をより安く提供する試みを行っているサイト、「FarmaersWeb」をご紹介しよう。 身元の確かな農家を直接買い手に結びつける試みを行っている事業は数多くあるが、FarmaersWebはただ中間業者をなくしたのみでなく、大口の買い手と農家の間を取り持つサービスに特化していることが特徴だ。 ニューヨーク
今回ご紹介する、オーストラリア発の女性用レギンス・衣服メーカー「Black Milk」は、2014年9月時点で従業員数180人を抱え、世界中に商品を届ける女性用衣服メーカーへと成長を遂げている大企業だ。 このサイトを起ち上げたのは、数年前まではやりたいことが見つからず、ただフラフラしていただけの青年だったという。それが中古のミシンを使って1着のレギンスを作り上げたのをきっかけに裁縫に魅了され、やがて販売を手掛けるようになったそうだ。 また同サイトは、広告費にまったく予算を掛けずに大きな成功を掴んだサイトでもある。彼らはSNSで積極的な情報発信や交流を行い、ファンからの支持を得てきた。 現在Instgramで75万人のフォロワー、facebookでは60万人のlike、twitterで4万人のフォロワー、YouTubeでは15万再生を得ている同サイト。このようにファンを惹き付けるのにはどのよ
大好きなミュージシャンの入手困難なコンサートチケットの購入に成功し、コンサート当日をワクワクドキドキしながら楽しみに待つ......そして当日その興奮と感動は最高潮へと到達する。 そんな体験を「食」を通してゲストにしてもらおうと、レストランでの食事をチケット制にしてしまったシカゴのレストラン、「NEXT」をご紹介しよう。 同レストランは電話番号の公開をせず予約を受け付けていない。サイトから時間の決まった「ダイニングチケット」を購入し、指定された日時に食事を愉しみ、改めて会計をすることなくレトランを去るという仕組みだ。ウォークインも受け付けず、日時指定のお食事券を持つゲストだけがダイニングできる資格を持つ。 レストラン側にとっては、先に料金回収が可能な上、入り具合も事前に分かるため、高品質な食事を低価格で提供することができる。そのため多くのゲストが料理とサービスの質に対してリーズナブルな価格
自分の欲しい商品をAmazonやeBayのようなECサイトに掲載されているような商品価格よりも割安で買うことができるようなECサイトがあると聞いたら、あなたはどんなサイトを想像するだろうか。 これら大手ECサイトに価格面で勝るのは容易なことではないが、それを実践できているのが、今回ご紹介する「Massdrop」だ。同サイトはコミュニティを活発化させ、サイト内で大勢の商品購入を募ることにより、商品をディスカウントさせることに成功している。 ある商品に対して一定期間内に購入を募り、規定の数に達することで安く販売する共同購入は、日本でもネットプライスなどが行っている。多くの場合はサイト側が仕入れた商品が共同購入の対象となるが、Massdropではユーザーたちが対象となる商品をリクエストできるのが最大の特長だ。 2012年7月に米サンフランシスコにて設立。翌年9月には140万ドル(約1億4000万
eコマースは「地理に縛られず、世界中のネットユーザーを顧客にできる」というイメージがあるが、実際には、特定の地域のみを対象に、実店舗を持たずに有益なサービスを提供することで成功しているECサイトも数多い。 もし別の地域で人気になっているサービスが自分の地元にはまだ存在していない場合、需要が見込めるなら、地元の客層に合わせてサービスを適合化し、実現するというのも賢明な選択肢の1つだ。 2006年1月に創業を開始し、ヘルシーな料理の宅配サービスを提供している「The Fresh Diet」はその戦略で大きな成功を手に入れた事例である。 2010年春には、投資家から200万ドル(約2億円)の投資を獲得し、2012年の売上は3800万ドル(約38億円)と推定された。2013年には、Forbes誌の選ぶ米国のもっとも有望な企業の21位にランクインしている。 現在では、サービスエリアはマイアミの他、ニ
友人にお金を立て替えてもらい、いざお金を返そうという時に細かい持ち合わせがなくて「次回必ず」となった経験は誰にでもあると思う。 個人的にお金を借りたままにしておくのがどうしてもイヤなので、近くにコンビニでもあれば崩してすぐに返すのだが、そのたびにいま特に必要のないお茶やガムを買うのもなんだかな、と思ってしまう。が、友人間のお金の貸し借りはトラブルの元だという持論のもと、できるだけ早く返すようにいつも心がけているつもりだ。 今回ご紹介する米国の「Venmo」はそんな悩みを一気に解決するアプリだ。お金のやり取りがスマートフォン上で簡単にできる、送金ツールとして米国で人気を集めているという。 送金ツールといえばPaypalを思い浮かべる人が多いだろう。VenmoもPaypalに似たツールかと思いきや、調べてみるとちょっと変わった機能がついたPaypalとはまた違うアプリだった。 ダウンロード数が
このブログを開始したのは2012年5月25日。早いものですでに2年が過ぎた。何を話題として取り上げたらよいのか悩みながら、どうにか書き上げた第1回では、数々の有名企業がfacebookを商品販売の場に使うこと(fコマース)に挑戦したものの、期待していたような成果につながらず、fコマースからの撤退が相次いでいるという米国のビジネス事情をレポートした。 当時は米企業の多くがfコマースに対して「F評価(落第)」を下しており、マーケティングの専門家による「(facebookで商品を販売しようとするのは)バーで友人と楽しんでいる人たちに品物を売ろうとするようなものだった」という分析にも説得力があった。 家族や友人との交流を目的とする「facebook」は、「コマース」とは相性が良いはずがない......そんな見方が優勢だった2012年5月、「Soldsie」というスタートアップがサンフランシスコで密
シッターというとまだまだ日本では少ない印象があるが、昨年の10月に日経新聞が報じたところでは、共働きの家庭で1千万世帯以上と、我が国でも増加傾向にあるようだ。 対象は乳児や幼児にとどまらず、12歳ほどまで需要があるという。また、ただ子どもの面倒を見るのみではなく、子育てに悩む母親の相談相手になったり、子どもの対人関係を広げるといった効果も評価されている。 12歳以下の子どもから目を離すことが禁じられているという事情もあって、シッターが積極的に活用されている米国では、1つの家庭で複数のシッターを雇うことも珍しくない。予定していたシッターが突然仕事に入れなくなったときにも、他のシッターにピンチヒッターを頼むことができるようになるからだ。 しかし、シッターの数が増えれば増えるほど、情報共有は難しくなる。どのようなことに注意すれば良いのか、どのようなタスクを行って欲しいのか、いちいち密に伝え、理解
先日、当ブログで取り上げた「Outliner」は、ニューヨークに暮らす男性2人が自転車通勤に適した服が見つからなかったことから、自分たちでその不足を解消しようと立ち上げたブランドだった。 2009年12月にバージニア州リッチッモンドで誕生した「Ledbury」も、もともとはアパレル業界とは無縁だった男性2人が共同で創設した紳士服のブランドである。こちらは「ロンドンでなら手に入る身体にフィットするワイシャツが米国ではなかなか手に入らない」という悩みが発端になっている。 米国が不況に突入し、失業者が増加している最中に売り出す商品として、高級ワイシャツは向かないのではないかと危惧する声もあったが、「ハイエンドな商品を中間価格で提供する」という戦略が功を奏し、創設以来、毎年200%の率で成長してきた。 リッチモンドに実店舗もオープンしたが、売上の95%はECサイトから発生している。リーマン・ショッ
宅地面積の限られた日本で一戸建ての主になろうと決意したら、無謀と思えるほど狭い敷地やいびつな形状の土地に家を建てることもやむを得ない場合がある。「狭小住宅の魔術師」や「狭小空間の航海士」といった異名でマスコミで紹介される建築家が存在するのも、日本の恵まれない住宅事情あってのことだ。 一方、広大な国土を誇る米国では、新築住宅の平均サイズは1973年の1525平方フィート(約141.7平方メートル)から2010年には2169平方フィート(約201.5平方メートル)に増加したと報告されている。米国人の身体や電化製品、家具が大型化したことと比例しているのかもしれない。豊胸手術を受ける米国人女性が理想とするバストのサイズが増加しているといったデータと並べて、「米国人はなにごとも『大きいほど素晴らしい』という先入観にとりつかれている」と指摘する人もいる。 ところがその米国で、リーマン・ショック以降、「
今、夏休みにどこに行こうかと計画中の方はいるだろうか? アウトドア好きの人であれば、キャンプ、海水浴、サーフィン、釣り、カヌーなど、さまざまな選択肢があって迷うかも知れない。 ところがアウトドアの中には、グッズを揃えるのに費用がかかるものが結構ある。毎年行くような人であればグッズを揃えておくことも不可能ではないが、メンテナンスや置き場所も必要だし、1度アウトドアを体験したいだけの人がグッズを取り揃えるのは面倒だ。今回はそうした問題を解決するサイト、「Outdoor Exchange」をご紹介しよう。 同サイトは、いろいろなアウトドアを楽しめるグッズを手ごろな値段でレンタルできるアウトドア用品のレンタルサービス。いつでも自分の欲しいグッズをレンタルできるので、高額だったり、保管しておく場所がないために扱えなかったアウトドア用品を手軽に使うことができる。 2014年1月に創業し本格的に始まった
「クラシック」や「定番」とされるファッションの中には、お洒落とはあまり関係のないルーツをもつものも少なくない。 たとえば、リーバイス501のジーンズは、もともとは炭鉱でのきつい労働に耐えられるように作られた作業服だった。また、現在では世界中で愛用されているバーバリーのトレンチコートは、第1次世界大戦の塹壕(トレンチ)戦に対応できるように工夫された英国軍御用達のコートを起源としている。 2008年にブルックリンで誕生した「Outlier」は、リーバイス501やバーバリーのトレンチコートのように機能的で、しかもスタンダードとなり得るアパレル製品を世に送り出すことを理想としている。ちなみに英語の「outlier」には、「働く場所から離れて住んでいる人」「異常値(統計において他の値から大きく外れた値)」といった意味がある。 同サイトの共同創設者2人はいずれもアパレルのデザインや作り方について正式な
当ブログの読者であるあなたなら、コンテンツマーケティングという言葉は何度も耳にしていることだろう。ソーシャルメディアの普及に伴って、シェアされやすい面白いコンテンツを発信することは、ECサイトにとっても重要なマーケティング活動となってきた。 しかし、まだまだ「面白い!」と純粋に思えるコンテンツはなかなか生まれてきていない。原因の1つは、発信者とライターのミスマッチだ。 今日は、質の高い長文を世に出すことにスポットを置き、文章を書くことを愛してやまないフリーランスのライターと、コンテンツを発信したい企業とをつなぐプラットフォーム「Contently」をご紹介しよう。質の高い長文の時代がくると確信して Contentlyの共同創設者はJoe Coleman(写真左、以下コールマン)氏とShane Snow(写真中央、以下スノー)氏、Dave Goldberg氏の3人。 スノー氏自身もフリーラン
「シャッター商店街」という言葉が出てきて久しい。突然大手チェーンが地方に乗り込み、地場のスーパーマーケットや量販店、個人商店のビジネスを奪い取り廃業に追い込まれた光景をリアルに表現している。 一方で「地域密着」という言葉は、シャッター商店街を救ってくれそうなポジティブな言葉だ。地域密着型のビジネスは、商店街のシャッターをもう一度開ける存在になってくれるのでは、と皆が期待している。 今回紹介する米国の「Strolby」は、そんな地元のショップの商品がオンラインで購入できる地域密着のECサイトだ。現在はニューヨークのブルックリンとハドソンバレーのショップの商品を扱っている。 2015年に向けて地域を拡大する予定も進めており、これまでに約40万ドル(約4000万円)の資金調達にも成功。Time誌の「2014年注目のスタートアップ」に選ばれるなど注目度も高い。地元のショップの商品を手軽にオンライン
「タダより高いものはない」とはよく言われることだが、それでもAmazonの「送料無料」をはじめ、「無料ゲーム」、「書籍の無料公開」など、無料で提供している商品やサービスをよく見かける。 オフラインでも、以前マクドナルドが期間限定で行った無料コーヒーキャンペーンは最高益を更新するなど、「無料」という言葉が与える消費者に対するアピール度は群を抜いているのだ。 こういったサイトが存続するためには色々な仕組みが隠されている訳だが、共通して言えることは商品(サービス)自体がお金を出しても欲しいような品質の高いものであることが大前提である、ということだ。 今回紹介する「WunWun」も無料を売りにした、オンデマンドのデリバリーサービスを提供している。アプリで欲しい物を指定するだけで、どうした商品が良いかをスタッフとやり取りし、購入から配達まで一括で行ってくれるのが魅力のサービスだ。 2012年11月に
「Duolingo」は完全無料、ゲーム感覚で語学を学べる学習サイトだ。全米の750万人、ブラジルの240万人、メキシコの150万人が利用している語学学習サイトだ。 そのシンプルで使い勝手の良いレッスン内容と、豊富な語学対応の数から大きな人気を得ており、2013年にはiOS向けのアプリがiTunesのアプリ・オブ・ザ・イヤーにも選ばれている。 Duolingoは無料にもかかわらず、広告も入れること無く運営されている。一体どうやって運営コストをまかなっているのだろうか。 今日はこの不思議な学習サービスの収益のメカニズムを覗いてみよう。Duolingを使ってみる 「Duolingo」はfacebookやeメール、Googleアカウントなどでサイン・アップすることで利用することができる。 利用者はサイトで次々出される問題を通して、母国語や習得している外国語などから、学習したい言語に翻訳する。まずは
シェフという職業は昔から変わらない。他の人が休みの時に働き、灼熱のキッチンで長時間の立ち仕事。上下関係は特に厳しく、仕込みから始まり、料理を担当出来るようになるまでに何年という修行の日々。 有名になれば花形職業だが、シェフのほとんどは自分で店を構えるか総料理長でもない限り、クリエイティブな独自のスタイルの料理を作ることはできない。 その中で、「お抱えシェフ」は彼らの中で人気が高い。求人欄にはめったに出ないが、報酬がレストラン勤務に比べて格段に多いことが魅力であるという。その代わりに自由は少なく、雇用主の都合に合わせて動かなければならない。 しかし、フード産業にもテクノロジーが参入している今の時代では、それがもっとカジュアルな響きに変わりつつあるようだ。もはやシェフの働く環境もレストランの調理場だけではなくなってきた。 今回は、シェフが自由な時間を確保しながら、労働に見合った報酬を得る事がで
Amazonは誰もが認めるEC界の巨人だ。そのAmazonと勝負しながらこの世界で生き延びるための僕の持論は「Amazonの真似をしてはいけない」で、当ブログでもこの言葉を見かけたことがある読者も多いと思う。 今回紹介する米国の「Wish」というECサイトはAmazonに真っ向から対抗するサイトだが、Amazonの真似をすることなく着実に成長中だ。アプリのダウンロード数は1200万件を超えるなど、Walmartをしのぐ人気を得て、facebookのファンは9万4000人もついている。 現在までに2800万ドル(約28億円)以上の資金調達に成功、米国Yahooの創業者Jerry Yang氏からも資金提供を受けるなど注目を集めている。 競争の激しいEC界において、Wishはどのような戦略でAmazonに対抗しているのか。以下で詳しく見ていこう。Googleの広告機能をショッピングに応用 創業者
以前当ブログでも紹介した、僕がプロデュースしているショッピングSNS「People & Store」だが、ついにiPhone版のリリースにこぎつけることができた。 iPhone版のリリースによってユーザー数も増え、納得感のある広告効果もしっかり出てきた。 参加ECサイトの1つ、キュレーションECサイトの「HATCH」では、かなりの効果を実感してくれているようだ。 HATCHは、zozo出身の三浦有人氏が立ち上げた気鋭のECサイトだ。著名人が「セレクター」となり、彼らのこだわりの商品を販売している。セレクターのこだわりがコンテンツ化され、商品に付加価値をつけている。百貨店の伊勢丹ともコラボレーションを進めており、今一番元気の良い国内ECサイトの1つに数えられる。 昨日、僕は三浦氏にPeople & Storeの広告効果についてちょっと聞いてみた。以下は、その時のfacebookチャットの模様
ここ最近、サントリー・角ハイボールのリバイバルにみられるように、ウィスキーは古くて新しいお酒として世間に浸透しつつあるそうだ。ハイボールの躍進のお蔭で低迷していたウィスキー市場にも復活の兆しが見え、2011年にはハイボール缶の売り上げが前年比の157%になったという。 以前ワインテイスティングができるサブスクリプションサービス「Tasting Room by LOT18」を紹介したように、ワインのテイスティング・サブスクリプションサービスやアルコールのデリバリーサービスは多い。しかし、ウィスキーやブランデーなどをテイスティングできるECサイトは、ありそうでなかった。 そこで今回紹介するのが、スピリッツ専門のサブスクリプション型ECサイト「Flaviar」だ。同サイトでは、普段気軽に飲めない高級なお酒をテイスティングすることができる。 現在はEU圏内と米国(一部地域を除く)で展開しており、ユ
僕は掃除や洗濯、整理整頓といったものが苦手だ。さらには事務仕事全般が苦手だ。年を重ねるごとにこの傾向は強まっている。 小遣い稼ぎでやっていたヤフオクをやめた理由もそれだ。お金が無くて困っていた学生時代は仕事と割りきってやっていた。しかし社会人になり、それなりの収入を手にしてから、一度も出品していない。 とにかく、荷物を送る作業が面倒でたまらなかった。慣れない梱包に、配送の手配。売れるのはありがたいが、配送やらなんやら周辺作業のことを考えると途端に億劫になってしまうのだ。 リサーチしてみると、こういう気持ちを持っている人は僕だけではないようだ。個人間取引だけでなく、小規模なECサイトのオーナーたちにとっても、梱包は地味で大変な作業と感じているようだ。 そんな問題点を見事ビジネスに生かしたeコマースアプリが、今回紹介する「Shyp」だ。梱包、集荷から配送会社選定まで全て受け持ってくれるため、利
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