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ドラクエ3
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料理の際、日本酒やみりんを加えアルコールを飛ばすという作業はごく一般的に行われる。フレンチでもステーキなんかにブランデーを加えてアルコールを燃やすフランベとかっていうのがある。でもアルコールってそう簡単に飛ぶのだろうかとずっとギモンに思っている。 まあフランベのように燃やしちゃえばそれなりになくなるような気はするけれど、鍋で水分といっしょに煮る場合、完全になくすのは難しいだろうというのは、有機合成をやってる人なら誰でも思うことではないだろうか。 ざっくりと検索してみると、一般には、アルコール(=エタノール)の沸点(約78度)は水の(100度)より低いから、加熱すればアルコールが先に蒸発するという記述が多数派。でも中には完全には除けませんと書いてあるページもある。 実際にどれくらい煮込むとどれくらい飛ぶのかの実測数値データを探したんだけど、見つけられず。でも有機溶媒を日常的に使う合成化学者は
先日のエントリーで、研究業務のアウトソーシングをどんどん進めているアメリカの製薬会社には大きな問題があると書きました。今回はそのあたりについて。 研究の現場の仕事の大部分をアウトソースし、こちらでそれをマネージしている人たちは、そうなる以前は自分の手で実験をする研究員でした。企業の研究で、チームやプロジェクトをマネージできるようになるためには、通常ラボなどの現場を含めてそれなりの年数の実務経験を積む必要があります。 創薬研究というのはmulti-disciplinaryなプロジェクトなので、まず自分の専門分野の仕事が独立してできるのは当たり前、そして実際の研究を遂行する過程で、専門以外の分野もある程度理解していく必要があります。創薬研究で言えば、有機化学、分析化学、分子細胞生物学、生化学、薬理学、ゲノミクス、薬物速度論、薬動力学、代謝、毒性、さらには製剤などの各分野をそれなりに理解する必要
昨日は過去10年間に起こった医薬品業界の変化と現状について書きました。今回はその背景と、それを踏まえた今後について。 製薬企業がダウンサイズを繰り返し、創薬研究の現場がほとんどアジア、中でも中国のCROに移っていく流れとなったそもそもの背景として、90年代後半から欧米製薬大手による新薬の開発と上市、いわゆるパイプラインの拡充が期待したほど進まず、その間にも主力製品(ブロックバスター医薬)の特許切れが続き、多くの会社がこの先に向けてかな~り厳しい見通しを持たざるを得ない状況がありました。 前回、大手製薬が合併を繰り返したことがダウンサイジングの理由と書きましたが、それではなぜ合併を繰り返さなければならなかったかといえば、90年代後半からこのパイプラインの枯渇が見えてきたためです。医薬品の研究開発はひとつの製品に10年以上の期間がかかりますから、この先数年の間に期待の新薬が出せるかどうかという
バイオ合宿などやるたびにいつも思うことですが、最近も米国での交換留学を終えて日本に戻ったある学生さんとメールのやり取りをし、さらに日本からシリコンバレーを訪問している何名かの学生さんたちと話す機会があって、みなさんが海外での仕事に興味を持っているということを聞き、大変頼もしく感じています。 多分何度も書いていますが、私自身は学生の頃、海外への関心などまったくなし、完全にゼロでしたので、こうやって実際に様子を見にやって来る学生さんたちは本当にすごいなと思います。 そのように意識の高い学生さんたちなので、私なんぞが何も言わなくてもきっとすばらしい人生を切り開いていくのだろうと思うわけですが、中でも医薬品業界に興味があるみなさんに、この数年間にこの業界で起きている変化と現状みたいなものを、お知らせしておくのも無駄ではないかなと思いました。大雑把に現状と今後ということで、2回に分けて書きます。 と
特許の検索とか実際のドキュメントの入手は、製薬業界(特に研究や事業開発)では必須のスキルというかツールというか、とにかく避けて通れないものです。特許というのは国ごとに申請、認定されるもので、医薬に関わる重要なものは基本的に必ずUS、EU、日本には出願されます。通常は自国に最初に出願し、それから1年以内に日本だと優先権主張、アメリカだとnon-provisionalという形でPCT出願という複数国を一括した出願が行われて、さらにその後、翻訳を含め各国への国内移行という形になっていきます。 特許出願された内容は、取り下げとかせずに上記のプロセスを経ていくと、最初の出願からおよそ18ヵ月後に自動的にpublishされます。この時点で公開情報となります。PCT、US、EUといった出願の公開情報は、それらを検索できる数々のウェブサイトがあり、使い方も簡単で、あっという間にPDFファイルをダウンロード
日本の企業は博士号取得者を採りたがらないとよく言われますが、こと製薬企業に関しては、特に大手は昔から相当数の博士号取得者を採用しています。中堅どころでもそれなりに採用されていました。しかし採用人数という全体の枠が狭められる中、厳しいのは何も博士だけではなく、修士や学士だって全員が希望する企業に入れるわけではないのが現状ですから、数ばかり増えて求人が減っている博士にとってはなおのこと厳しい時代でしょう。 日本の企業が博士号取得者を採用したがらないのは、彼ら彼女らが人材として使いにくい、あるいは扱いにくいからだとよく言われますが、これは上記に加えてさらにという部分になります。採用側からすると何がどうあれ結果的にそうなるという側面はあるのかも知れませんが、これだけが理由ではないような気がします。 アメリカのことを持ち出すと不愉快な方もいるかも知れませんが、ともかくアメリカでは、製薬会社の研究員と
In the Pipeline のDerekがブログで紹介している自身のコラムによると、PfizerにはWyethの買収前、900名のケミストがいたそうだ。そこにWyethの350名が加わったわけだが、合併後のケミスト総数が1250のまま行くと考えていた人はさすがにいない。1000名前後に落ち着くのではというのが大方の予想だったようだが、ふたを開けてみれば何と850名に削減なのだとか。つまり合併前のPfizer単体の時よりも少なくなるということ!今年はJ&Jも大規模なレイオフを発表しているし、Schering Ploughを吸収して先日新たにスタートしたMerckでも同様なことは起こると予想される。 さらにこれまでは、レイオフといえばPh.D.の中間層が主に対象となって、ベンチワークの主力であるBSやMSのケミスト(RA)は、人件費が低いことと現場の実働部隊であることから比較的安全とされて
堅いタイトルにしてしまいましたが、初めて転職という可能性を考えたのは、日本の会社に入社して12年目くらい、海外の共同研究先に出向して確か9ヶ月くらい過ぎた頃。確かに会社には自分を育ててもらいました。曲がりなりにも研究職を続ける間に上司や先輩、時には後輩からもいろいろ教えてもらったし。その上、海外ベンチャーに派遣までしてもらった(行きたくないのに行かされたのではなく、希望して行った)わけですから、当然会社には感謝こそすれ、恨みとかはまったくゼロではないにしても(^^;)、まあほとんどありませんでした。 でも感謝することと忠誠を誓うみたいなこととは、当然ながら別のことです。育ててもらったから、その会社のために尽くそうという心理がある程度働くのはもちろんあると思いますが、絶対にそうせねばならないというほどのものではありません。一社員と会社の関係というのは、うまくいっている間は何も問題がありません
SVツアーとか、ここ数年いろいろな機会に日本の若い人と接していて、感じることがあります。ちょっと苦言のようになるので、本当はあまり書きたくはないのですが、そういうことを書かれる方が少ないようなので、ちょっとがんばって書こうかなと(^^)。 それはひとことで言えば、サポーターになりたい人ばかりが多すぎるんじゃないの?ということ。 まだ社会に出てもいないうちから、産業界を支えたい、新たな枠組みを作りたい、ベンチャーを起こす人たちを応援したい、アカデミアとインダストリーをつなぐ仕事がしたい、VCになりたいといった、そういったビジョンに共通することは、みんな「サポーターになりたい」ということなのではないかなと。もっと言えば自分は比較的安全な高台みたいなところにいて、でもエキサイティングな現場に関わりたいという、ちょっとおいしいところだけ狙いすぎなのではないかと・・・。 逆に言えば、フィールドプレー
日米の3社で、会社員/サラリーマンを30年近くやりました。もうだいぶ昔のことになったので、覚えている限りで、私の給料がどんな感じだったか、ご参考までに記しておきます。 大学院修士を終えて就職した1989年、初任給は確か16万8千円/月とかだったように思います。安いですね~笑。ただバブル期だったこともありますが、一応初年度からボーナスが5か月くらい出て、年収としては300万円弱程度だったように思います。そんなでも独身の暮らしはなんとかなりました。 2000年にカリフォルニアの共同研究先ベンチャーに出向となりましたが、この頃は管理職(主任研究員)まであともうちょっとという感じの中堅研究員で、年収にすると750-800万円あたりだったと思います(妻と子供二人あり)。ただ日本(町田)にいた時は3LDKの社宅に1万5千円/月くらいの社宅費で住んでいたので、福利厚生費を考えれば実質は900百万相当くら
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