サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
Switch 2
courrier.jp
小国モナコに次いで、高齢化率が世界で2番目に高い日本。そんな日本のなかで、高齢化率1位の村が、群馬県にある。スペイン「エル・パイス」紙の記者が現地を訪ね、地方が直面する「過疎化」と「出生率の急落」という二大問題の解決策を探る。 群馬県南牧(なんもく)村は、高齢化率が世界で突出して高い日本で、高齢化率が全国一の村だ。南牧村では65歳以上の人口が全体の3分の2以上を占め、子供は3%に満たない。村民のうち約100人が、村にある高齢者施設に入居しているか、毎日通っている。一方、村の学校では教員の数(26人)が生徒の数(22人)を上回る。日本の大都市では住宅価格が高騰しているが、南牧村には空き家が597軒あり、どうやっても住人が見つからない状況だ。 南牧村の人口は約1500人。130キロほど離れた東京を走る電車1編成に収まる人数だ。村の平均年齢は69歳以上。人口ピラミッドの形は、ハート型にも似た逆三
※本記事は『ロックの歴史』(中山康樹)の抜粋です。 ロックはどうやって生まれた? 定番のフレーズに従い、「ビートルズからすべてが始まった」ことにすれば、どんなに楽だろう。実際にこれまでのイギリス・ロック史は、ビートルズを出発点として語られることが多かった。だがビートルズ以前にも無数のミュージシャンやグループが存在した。 そして「ビートルズが初めて」とされる事柄のいくつかも、すでに彼らの手によって実践されていた。しかし、そうした事例を列挙したところで、「イギリスの謎」が解けるとは思えない。 そこで試みとして、音楽の地図を1900年代初期にまで遡って広げてみる。そうすることによって、主にアメリカとの関係性から、ビートルズやローリング・ストーンズが登場するまでの音楽的な推移や変遷が、ある程度はつかめるだろう。 どうしてイギリスに「あのようなロック」が生まれたのかということもわかるかもしれない。そ
※本記事は『ロックの歴史』(中山康樹)の抜粋です。 戦争の傷痕が残る故郷 のちに「戦争は終わる。もしもあなたが望むなら」と歌うジョン・レノンとその世代にとって、第二次世界大戦はどのように映っていたのだろう。 第二次世界大戦が終結した1945年当時、近未来にビートルズやローリング・ストーンズとして世界を制覇する若者たちは、まだ音楽にも出会っていない少年や子供だった。生まれていない者さえいた。ローリング・ストーンズのキース・リチャーズは次のように語っている。 「俺たちは、戦争の名残の空爆の残骸と瓦礫に囲まれて育ったんだ。ロンドンには大きな建物もあったけど、角を曲がると、突然3エーカーの空き地が広がっていたし、車もほとんどなかった。通りは馬糞だらけさ。馬糞の臭いと石炭の煙があちこちでディーゼルの黒煙と入り混じっていた、あのころのロンドンが懐かしいよ。命取りになる猛毒の混合物さ」 ビートルズのメン
「ペイパル」「オープンAI」「パランティア」などテック大手の共同創設者、起業家、投資家、億万長者であり、ドナルド・トランプ米大統領の一期目では政策顧問も務めたピーター・ティールが、英高級紙「フィナンシャル・タイムズ」に論説を寄稿し、物議を醸している。 「真実と和解のとき」と題されたその論説で、ティールは“予言者”めいた書き出し方をしている。 「トランプが米大統領に返り咲くことは、アンシャン・レジーム(旧体制)のさまざまな秘密のアポカリプシス(暴露)の前兆だ」 フランス革命前の政治・社会体制を指す言葉を使ったり、わざわざギリシャ語の「アポカリプシス」という単語を持ち出してみたりと仰々しいが、トランプ二期目では、米国の「旧体制」が国民に開示してこなかった、もろもろの「真実」が徐々に明らかにされていくだろうと言いたいようだ。 このアポカリプシスは報復を正当化するものではなく、「再建と和解」のため
歴史家・人類学者のエマニュエル・トッドはかつて、米ドナルド・トランプの第一次政権について、「偉大な大統領だったとは言えないが、重要な大統領ではあった」と評価していた。そのトッドが、仏紙「フィガロ」のインタビュー番組に出演。トランプ次期政権についての展望を語った。 ソ連の崩壊や英国のEU離脱を予言したフランス最大の「知性」はいま、「トランプ2.0」の世界をどう見るのか。 「米国が敗北したときの大統領」として名を残す インタビューは、「トランプが大統領に返り咲いても、米国は偉大な国には戻れないのか」という問いから始まる。 これに対しトッドの答えは、「米国が偉大な国に戻れるとは考えていません」。「いま、多くの人がトランプを勝者だとみなしていますし、実際、トランプのシステムのなかでは彼は勝者ではあります。ですが、彼は経済がボロボロになりつつある米国で、勝者になっているに過ぎません。しかも、その米国
世界一の金持ちで、次期トランプ政権では要職に就くイーロン・マスクが、その「帝国」を着々と築いている米テキサス州に、モンテッソーリ式の幼稚園を開く。その動機は何なのか。米経済メディア「ブルームバーグ」が取材した。 この幼稚園は「アド・アストラ」と呼ばれ、米テキサス州バストロップ市郊外で開園することが、公開請求によって入手した、同州当局への提出書類からわかっている。 ロケットや電気自動車、脳インプラント、ソーシャルメディア、さらには次期トランプ政権と並行して、イーロン・マスクは幼稚園から大学に至るまで、教育にますます注力するようになっている。 2023年には、「ブルームバーグ・ニュース」の報道で、マスクの構想の一部が明らかになった。「マスク財団」がおよそ1億ドル(160億円弱)を確保して、テクノロジーに特化した初等・中等学校をテキサス州オースティンに開き、やがては大学まで開く計画があることがわ
日本にとって史上最大の賭け 世界的な最重要技術を専門とする日本の第一人者らは、138回にわたるZoom会議を経て計画を策定し終えた。ここ半世紀あまりで日本最大となるであろう産業復興に向けた青写真が完成したのだ。 2020年に安倍晋三首相(当時)に進言されたこの極秘プロジェクトは、世界をリードする半導体産業を短期間でにわかに出現させることを目的としていた。日本はかつて、6000億ドル(約90兆円)もの規模をもつ半導体業界をリードする国だったが、やがて米国、韓国、台湾にその座を明け渡すこととなった。それを取り戻そうというわけだ。 半導体業界のベテラン経営者で、このプロジェクトグループを率いた小池淳義は「日本にとっては明治時代以降でもっとも重要なプロジェクトだと、私は安倍元首相にお話ししました」と振り返る。日本が近代世界への仲間入りを果たして変貌を遂げた19世紀になぞらえたのだ。 この青写真から
日本製鉄によるUSスチールの買収計画について、米国のジョー・バイデン大統領が国家安全保障上の懸念を理由に禁止命令を出してから10日後の1月13日、米製鉄大手「クリーブランド・クリフス」が別の米鉄鋼メーカーと協力してUSスチールを買収する可能性があると、米経済メディア「CNBC」が報じた。 クリーブランド・クリフスはUSスチール全体をすべて現金で買収し、それからその子会社「ビッグ・リバー・スチール」を鉄鋼メーカーの「ニューコア」に売却するとの情報を関係者から入手したと同メディアは伝えている。買収額は、1株あたり30ドル台後半の見通しだという。 一方、日本製鉄は1株あたり55ドル、総額140億ドル(2兆2000億円超)以上でUSスチールを買収する計画を提示している。 13日、クリーブランド・クリフスのローレンソ・ゴンカルベスCEOは記者会見を開き、USスチール買収に改めて意欲を示したが、詳細は
成人男性が、妻の母乳を毎日飲む──そんな衝撃的な慣習が、2018年にウガンダの保険相の発言によって明らかになった。こうした行為は、母体だけでなく赤ちゃんに与える悪影響も懸念されている。 母乳を摂取する男性たちは「元気がでる」「セックスのきっかけ作りになる」と言うが──。 ジェーン(仮名)の夫は母乳が好きだ。 「味が好みだし、健康にもいいと言っています。母乳を飲んだあとは、体調がいいと言うんです」 ウガンダ在住で、生後6ヵ月の赤ちゃんがいる20歳のジェーンはそう語る。彼女によると、夫が母乳を求めるようになったのは、彼女が出産を終えて病院から帰宅したその晩のことだったという。 「夫は、私の母乳を出やすくするためだと言いました。私も、飲ませても問題ないと思ったのです」 赤ちゃんを差し置いて母乳を飲む夫 ウガンダの一部地域やタンザニア、ケニアの一部で、パートナーの母乳を飲む男性は珍しくない。しかし
『ワーク・シフト』『LIFE SHIFT──100年時代の人生戦略』の著者リンダ・グラットンが、変化の激しい現代のワーク・ライフ・バランスを論じる連載。 パンデミックの時期は、日々の事柄にうまく対処するマネージャーの役割が重要視された。しかし「ポスト・パンデミック」のいま、組織のなかで働く人々のやる気や当事者意識は、長期的な明るいビジョンをトップのリーダーが示せるかどうかにかかっている。 時代の変化は意識の変化 組織の頂点に立つリーダーには何が求められるだろうか? こんな時代だからこそ、私たちはそんなことを考えるものだ。 ビジネスにおいて、部下への接し方がリーダーの手腕の判断基準となっている場合も多い。最もシンプルな形であれば、「この会社にむこう3年の間は在籍するつもりだ」というアンケート項目への回答から判断できる。 あなたの会社が従業員の意識調査アンケートを使っているなら、この問いは最も
遺体は「コレクション」していいのか 2024年10月初旬、オックスフォードシャー州テッツワースの競売会社「スワン」は、西アフリカの頭蓋骨や南米の干し首など、数点の遺体を出品した。ところが、オックスフォードのピットリバース博物館の代表者や先住民活動家がこれに異を唱えたため、数日も経たないうちに出品は取り下げられることになった。 ピットリバース博物館は考古学と人類学を専門としている。同博物館は脱植民地化プロセスの一環として、自らのコレクションから品物を返却してきた過去がある。 スワンによって出品を取り下げられた遺体(装飾された頭蓋骨が大部分を占めていた)は、植民地時代に収集されたものと思われる。推定価格は2000ポンドから2万5000ポンド(およそ38万~480万円)だった。 これらは、雑誌「プレイボーイ」の創刊者でいまは亡きヒュー・ヘフナーや、「ヘッドハンター」を自称する悪名高いカナダの古物
米マクドナルドが多様性への取り組み「DEI」を縮小すると発表。その理由として「the shifting legal landscape(変化している司法の風景)」を挙げたが、いったい何のことなのか? 元NHK解説主幹でジャーナリストの池畑修平が解説する。 世界中でハンバーガーを提供してきたマクドナルドは、米国の一つの象徴といえよう。その米マクドナルド社が1月6日に発表した声明も、いまの米国を端的に表す内容であった。従業員の多様性などを確保するDEIの取り組みに関して、その一部を取りやめると明らかにしたのだ。 DEIは、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包摂性)の頭文字からなる。性別、人種、国籍、宗教、性的指向などによって差別されることなく、多様な人々が尊重され、またその多様性が組織の強みにつながるという考えに基づく取り組みだ。近年、国境を越えて多くの
結論から言ってしまおう。中道政党だけを集めて新たな連立政権を組もうとするやり方を続けているかぎり、フランスがいま陥っている政治の危機から抜け出すことはできない。いわゆる「常識をわきまえている政党」だけを集めて国の統治に当たらせようとする考え方は危うい幻想なのだ。 ここで言っているのは、中道左派の「社会党」から中道右派の「共和党」までを結集して政権を担わせ、「急進的な政党」である左派の「不服従のフランス」や右派の「国民連合」を政権から排除する考え方のことである。 そんなやり方をしていても、失望が重なっていくだけだ。その結果、問題となっている急進政党をさらに伸長させてしまう。 まず言っておきたいのは、「常識をわきまえている人たち」だけを集めて連立政権を作ると、まるで「恵まれている人たち」だけを集めて作った連立政権にそっくりになってしまうことだ。いまは民主主義の危機を切り抜けようとしているときな
大勢の人間をひどく傷つける不倫をした筆者。自分の気持ちに罪悪感を抱きながら、それでも心が求める幸せを諦めることはできず……。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 すべてを壊す「裏切り」 どんよりとした11月のある日、アイダホ州のボイシにあるDKドーナツで、ロンドンにいるセラピストと電話で話していた。現地には夫もいて、もし別の男性と恋に落ちて世界をひっくり返さなければ、私もあっちにいるはずだった。 壮大な裏切りだった。デイヴィッドの妻と、私は何年も仲良くしていた。彼が私の夫と親しくしていたのと同じように。私たちは日曜日のランチや祝日の食事を共にし、両家あわせて50年にわたる結婚生活を送っていて、5人の子供がいる。デイヴィッドと私はいつも静かに惹かれあっていたけれど、そ
新年の始まりはいつも投資家にとって課題となる。戦略とポートフォリオを見直す機会だからだ。 2025年は特に難しい年となる。ドナルド・トランプ氏が1月20日にホワイトハウスに復帰することで、投資家は多くの政策変更を予想している。その中には、移民規制の強化、企業規制の緩和、2017年の減税措置の延長、関税の引き上げなどがある。 さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げを続けると予想される。株式のバリュエーションは、特にテクノロジーや通信サービスなど成長の早いセクターで割高に見える。 つまり、投資家が注視すべき点は多い。金融の専門家10人に市場と経済の見通し、投資家への提言を聞いた。 1.マグニフィセント・セブンを超えて ゴールドマン・サックスの米国株チーフストラテジストのデービッド・コスティン氏は、2025年は市場の上昇銘柄が増えると予想している。 これまで数年間は、グーグルの親会社アル
ニューヨークで見知らぬ人に声をかけ、その人の自宅を訪ねるインフルエンサーがいる。ニューヨーク版の「家、ついて行ってイイですか?」を実践したこのインフルエンサーは、日本を訪れて価値観が変わったという。 2年ほど前、ケイレブ・シンプソンは、ニューヨークに暮らす一般人に自宅を紹介してもらうという試みを開始した。iPhone片手に通りすがりの人々に突然声をかけ、持ち家なのか賃貸なのか、月々の家賃はいくらかと質問を投げかける。もし相手が答えてくれれば(これは稀だったが)、さらに踏み込んで、自宅を見せてもらえないかと頼み、それをSNSに投稿したいと伝えるのだ。 「最初に声をかけた100人全員に断られ、かなりへこみました」と、2015年にマンハッタンのクラブでテニスのコーチをするためにニューヨークに移住した、ノースカロライナ出身のシンプソン(32)は語る。 それでも、めげずに声をかけ続けたが、断られ続け
主演が彼だったら… 1993年に公開されたカズオ・イシグロの長篇第三作目『日の名残り』の映画版で、感情を抑圧した執事スティーブンズを演じたのはアンソニー・ホプキンスだった。しかしいま、イシグロは、ジョン・クリーズが同役を演じていた可能性を夢想する。 「早い段階で出ていた案だったんですよ」。コッツウォルズにある彼の隠れ家から車で少しのところにあるホテルのティールームで、イシグロはサンドイッチとスコーンをつまみながら言う。 執事役にクリーズの名前をあげたのは劇作家のハロルド・ピンターだったが(ピンターは原作の大ファンで、自ら権利を取得して最初の脚本を執筆していた)、結局その案はボツとなった。ホプキンスを「素晴らしい」と褒めたたえながらも、イシグロはこう打ち明ける。 「残念なことに、ジョン・クリーズは自分にはこの役を演じられないと思ったそうです。彼はもっと優れた役者になれたかもしれないと思うんで
ある日の午後、ケースワーカーのブライオン・ジョンソンは、華やかなラスベガス中心部の地下にある暗いトンネルの中を懐中電灯で照らしていた。内部はゴミや脱ぎ捨てられた衣類が散乱している。彼は、この地下トンネルで暮らすホームレスたちを探しに来たのだ。 ジョンソンは「シーザーズ・パレス ホテル&カジノ」の地下で、一人のホームレスが合板のベッドに横になっているのを見つけた。ジェイ・フランダース(49)だ。 背中から腕、手の指にかけて痛みがあるという彼は、ときどき覚醒剤を使用すること、メンタルヘルスの問題があることを認めた。自分がここにどれくらい住んでいるのか正確には覚えていなかったが、数年は経っているとのことだった。 ジョンソンの仕事は、ラスベガスの地下に伸びる排水トンネルから、こうしたホームレスの人々を地上へ誘導することだ。排水トンネルは、警察や異常気象から彼らを守ってくれる一方、洪水で押し流される
3度目の挑戦で生まれた名作 『わたしを離さないで』の新たな舞台版が、2024年9月から英国で上演された。原作は2005年に書かれたイシグロにとって長篇第6作となるディストピア小説で、「もちろん『リアルな英国』ではないが、かといって完全な空想とも言えない」場所を舞台としている。 『日の名残り』と同様に、物語は英国の田舎のある建物を中心に展開する。『わたしを離さないで』で描かれるのは、寄宿学校ヘールシャムだ。その恐るべき真の目的は、増加した人口に対し新鮮な臓器を供給すべく、国家の承認を受けてクローン人間の子供たちを育成することだった。 この悪魔の所業を、クローンたちを「提供者(ドナー)」、臓器提供による死を「終了」と呼ぶ、欺瞞的な言葉遣いが覆い隠す。 イシグロいわく、『わたしを離さないで』の中心となるアイデアは「もともと1980年代の後半に書こうとしていたものだった」のだが、それは簡単には進ま
化石燃料から再生可能エネルギーへの切り替えが世界各国で進むなか、課題となっているのが太陽光や風力で生成された電力をいかにムダにせず、蓄電するかだ。こうしたなか、住友電工が開発を進める北海道安平町のレドックスフロー蓄電施設は、長寿命で環境負荷が少ないことから、「2050年ゼロ排出」の目標達成に向けて重要な役割を果たすとみられる。 日本のGX(グリーン・トランスフォーメーション)革命を牽引する北海道を、米紙「ワシントン・ポスト」が取り上げた。 海からの風が、砂浜から丘の斜面を通り、広々とした高原を駆け抜ける。 日本北端の島・北海道に吹きつける風は強い。この島の電力を賄うだけでなく、日本の他の地域にクリーンな電気を送るのにも充分だ。 だが、風が吹く日に発電した電力を蓄電する技術がなければ、それ以外の日にはせっかくの再生可能エネルギーを利用することはできない。そのため北海道では、大量の電力を貯蔵す
この記事は、ベストセラーとなった『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の著者で、ニューヨーク大学スターン経営大学院の経営学者であるスコット・ギャロウェイによる連載「デジタル経済の先にあるもの」です。月に2回お届けしています。 予測を立てるのは実に難しい仕事だ。当たれば、その結果に至るまでの出来事によって、予測自体が平凡なものに思えてしまう。外れれば、その失態をソーシャルメディアで一日中指摘され続けることになる。 だが、予測の真の目的は的中することではない。むしろ、意見を交わすきっかけを作ることにある。私は毎年予測を発表しているが、その際にまず大切なのは、自らの言葉に責任を持つことだ。そこで、2024年の予測を検証した上で、2025年の展望を語ることにしよう。 パワーカップル:OpenAI & NVIDIA ChatGPTが2022年11月にデビューして以来、投資家たちはテッ
公園に一歩足を踏み入れたときから、親たちの戦闘は始まる。教育手腕を“それとなく”披露し、“さりげなく”子供たちを比較するのだ。フランス「ル・モンド」紙のコラムニスト、クララ・ジョルジュが、公園での親たちの振る舞いを分析する。 私は公園の遊び場が嫌いだ。子供を持つ前には、こんな突飛な造りの場所には注目したことすらなかった。せいぜい若い頃に飲み会の後、「あの回る遊具に乗ったら最高に楽しそうだな」と思ったことがあるくらいだ。 さらに記憶をさかのぼると、母が週末に連れて行ってくれたパリの公園を思い出す。近所の犬が好んでやって来る砂場を私が引っ掻き回しているのを見て、母が一種の躊躇を抱いていることを感じていた。それに、母の態度には、当時の私にはわからなかった「何か」があった。母は遊具から少し離れたベンチに座り、他の親たちとの交流を念入りに避けているようだった。 現在、三人の子供を持ち、10年近くの「
銀はローマ帝国の隆盛に拍車をかけた。コイン中心の通貨により交易が加速し、税収もたんまり増え、軍事征服のための資金調達ができたからだ。 だが、帝国内で銀を採掘・抽出する際、鉛があまりにも多く大気中に放出されたために、住民の知性がやや低下したかもしれないことが、ある研究で示された。 ウィーン大学の大気科学教授で、この研究論文の共同執筆者であるアンドレアス・ストールは、「ワシントン・ポスト」紙にこう語る。 「銀を鉱石から取り出すには粉砕しなければいけません。これはホコリまみれの作業で、このホコリには鉛が多く含まれているのです」 米国科学アカデミー紀要に掲載されたこの研究論文では、銀の採掘・精錬作業で神経毒がたくさん放出され、「広範な認知低下」が起こっていたであろうことがわかったのだ。これにより、ごく普通の人の知能指数(IQ)が多くて3ポイント減っていた可能性があるという。
フランス北部にあるトヨタのオネン工場では2024年、コンパクトカー「ヤリス」の生産台数が500万台に到達した。 コストを理由にフランス国内での自動車生産を避けるメーカーが多いなか、トヨタは現地生産を維持し、むしろ生産量を増加させた。 仏紙「ル・モンド」は「奇跡の日本メソッドだ」と評価する一方、トヨタがEVシフトを乗り切れるのか懸念は拭えないとも報じている。 フランスの自動車産業に「日本モデル」を示した 味噌を使ったブルターニュ産オマールの一皿、ワサビ風味のマカロン、ノルマンディー産シタビラメの天ぷら。フランスの美食界は日本の影響を受けたもので溢れている。 だが、日本がフランスに与える影響は食の分野に限ったことではない。2001年にフランス北部のヴァランシエンヌ近郊にトヨタの工場が建てられて以来、日本の影響は自動車業界にも及んでいる。 2024年11月26日、オネン工場で500万台目のヤリス
メタ社がフェイスブックやインスタグラムなどでおこなってきた、投稿内容の第三者による事実確認(ファクトチェック)を廃止すると発表した。 マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、ファクトチェックが「過剰な検閲」につながっていたと指摘し、メタが「表現の自由に関する原点に立ち返る時が来た」と語った。今後は専門のファクトチェッカーに頼るのではなく、Xが運用している「コミュニティノート」を採用する予定だという。 コミュニティノートとは、イーロン・マスクがツイッター社を買収してからXに実装された仕組みだ。他者が投稿したコンテンツに対し、ユーザーが「誤解を招く」と判断した場合、訂正を追記できるシステムになっている。 トランプ政権に備えるメタ メタはファクトチェックに長らく投資してきたが、タイムによれば、多くの共和党員がこの方針は「右派の思想を不当に抑圧している」と批判してきた。 そして大統領選で
「イゾラド」とは「隔絶された人々」という意味のアマゾンの密林に住む謎の先住民族である。そのイゾラドが30年前頃から文明社会の領域に姿を現すようになった。 その姿を追って話題を呼んだNHKスペシャル「最後のイゾラド 森の果て 未知の人々」の放送から2年後の2018年、続編「アウラ 未知のイゾラド 最後のひとり」が放映された。 20年間にもわたってイゾラドを追うディレクター国分氏に私たちは聞きたかった。追い続けるのは使命感もあるのか? 文明を拒絶する彼らと交流できたのか? 未知なるものを解明することに答えはあるのか? 2025年1月8日(水)午前2:20からの再放送を前に、インタビューを再掲載する。 30年前、アマゾン奥地で素っ裸の二人の男が見つかった。彼らは文明社会と接触したことのない先住民「イゾラド」。ブラジル政府は一人を「アウレ」、もう一人を「アウラ」と名付けた。アウレの表情が頭から離れ
米ロサンゼルスで1月5日夜に開催されたゴールデングローブ賞授賞式のテレビドラマ部門で、浅野忠信が日本人初の助演男優賞に輝いた。2024年に配信されて大ヒットした『SHOGUN 将軍』の樫木藪重役での受賞だ。 『SHOGUN 将軍』は同部門で、主演男優賞を真田広之、主演女優賞をアンナ・サワイが受賞したほか、作品賞も手にして4冠を遂げた。 数ヵ月前に開催されたエミー賞では史上最多の18冠に輝いたが、助演男優賞にノミネートされていた浅野は受賞を逃していた。それゆえ、今回のゴールデングローブ賞での快挙は喜びもひとしおだったようだ。
米国のジョー・バイデン大統領は1月3日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を阻止する命令を出したと発表した。 バイデンは声明で「鉄鋼産業とその労働者は我が国の屋台骨だ」と述べたうえで、国家安全保障上の懸念を理由に買収を禁じると説明した。 買収案をめぐっては、米政府の対米外国投資委員会(CFIUS)が安全保障上のリスクを審査していたが、2024年12月23日の期限までに意見を一本化できず、最終判断を大統領に委ねていた。
どんどんお手頃になっているソーラーパネル バルコニー用のソーラーパネルがヨーロッパ各地で普及している。 特にドイツでは約150万世帯が設置していると、英紙「ガーディアン」は報じている。 屋根ではなく、バルコニーに設置するソーラーパネルは、都市部の「建築環境を利用して自家発電するための新たな一歩」として注目を集めている。
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『クーリエ・ジャポン | 海外メディアから記事を厳選!』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く