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コーヒー沼
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私立ヴァンダービルト大学の2024-25年度の学費が10万ドルに迫る額であることが明らかになり、大きなニュースとなった。なぜ、それほど高額な学費が必要なのか? 毎年10万ドル近くを大学に払う価値はあるのか? 米「ニューヨーク・タイムズ」紙が分析する。 大学が「学費を年10万ドル(約1560万円)に引き上げる」と口にするのも時間の問題と思われていた。だが、今春、その兆しが初めて現れた。 ヴァンダービルト大学工学部にこの秋から入学する学生宛てに送られた書面によると、寮費、食費、個人の生活費、高性能ノートパソコン代などすべてが含まれた学費が9万8426ドル(約1530万円)になることが明らかになった。テネシー州ナッシュビルのキャンパスからロサンゼルスやロンドンに1年で3回帰省する学生の場合、その合計は実質1桁上の10万ドルといっていい。 この目が飛び出すほどの高額な学費は、異常だ。ここまで大金の
コンビニで働く外国人の姿は、いまやおなじみの光景になっている。英誌「エコノミスト」が、ミャンマー人として初めてセブンイレブンの店舗オーナーに就任した女性に取材し、コンビニを中心に広がる日本の多文化共生を考察した。 いまの日本社会を知りたいなら、東京都港区にあるセブンイレブンに行ってみるといい。 コンビニは、日本が誇る質の高いサービスを体現している場所だ。店のドアが開くたびに、店員は「いらっしゃいませ」と声を張り上げて客を迎える。 棚には季節限定のお菓子が整然と並べられ、レジ前からは揚げたてのフライドチキンの香りが漂う。 港区にあるこのコンビニも一見、どこにでもある普通の店舗だ。同店が他と違うのは、セブンイレブンで初めてミャンマー人がフランチャイズチェーン(FC)加盟店のオーナーを務めていることだろう。 オーナーのメイジンチイツを含め、スッタフは全員ミャンマー人だ。
ケイトリン・パルミエリは恋人を亡くした過去を乗り越え、ふたたび新しい愛を見つけた。しかしその相手も、結婚式当日に亡くなってしまう。二度の悲劇に見舞われた彼女は、あるインスタグラムの投稿を通じて、衝撃の真実を知ることになる。 謎に包まれたままの「元彼の死」 ニューヨークに住んでいた2018年の初め頃、私は出会い系アプリを通してエリックと知り合った。彼はハンサムで、おしゃべりで、面白い人だった。私は彼を好きになったが、彼は私について、知っておかなければならないことがあった。 2015年のことだ。当時、私はマイクという男性と付き合っており、私の30歳の誕生日に、両親が自宅でパーティーを開いてくれた。私たちはみんなで楽しい時間を過ごしていた──兄がマイクの名前を叫ぶのを聞くまでは。 物音のするほうへ走っていくと、家のプールのそばでマイクが地面に倒れていた。 彼はすべってプールに落ちたらしく、すでに
2028年までに全個体電池を量産すると発表している日産。しかし、日産は世界的な電気自動車の市場争いで後れを取っているうえ、世界で競争するための規模も不足していていて、危険な賭けにでていると英紙は指摘する。 全固体電池をめぐる日本と中国勢の見解はわかれている 日産は2028年までに全固体電池を量産すると明言している。その一方で、全固体電池の技術はまだ黎明期にあるとの声もあがる。日産の幹部は2024年4月半ばに、その全固体電池を製造する工場内で、懐疑論を唱える企業は過去にしがみついているだけだと反論した。 「電池メーカーはどこも、現在使われている液体電池でずっと儲けていきたいと考えているのです。すでに多額を投資していますから、CATLのみならず、電池メーカーはどこも、全固体電池にあまり前向きではありません」。その幹部は工場見学の最中にそう語った。 幹部がそのように言うのは、電気自動車(EV)の
「情報は無料ではないし、無料だったためしもない」──だが、インターネットの無料ゾーンに溢れかえる、出所不明で信頼性の低い情報を前に、「2024年の大統領選挙期間中、選挙関連報道を無償化すべきだ」と、米「タイム」誌の元編集長で、オバマ政権下で国務次官を務めたリチャード・ステンゲルは米「アトランティック」誌への寄稿で訴える。 うろ覚えのニュースや、簡単には見つからない事実、ある特定の記事を探そうとパソコンの画面に向かい、やっとお目当てのページに辿り着いた直後、画面に表示された──「半年間1ドル」、「1年目は40%オフ」、「特別オファー」、「すでに購読済みですか?」の文字──何度こんなことがあっただろう。 このとき決まって直面するのが、「カネを払うか、払わないか」というジレンマだ(当誌「アトランティック」で本記事を読もうとして、同じジレンマに直面した人もきっとおられるだろう)。これは思っているほ
不安は人の心身に大きく影響し、人生を変えてしまうほどの力を持つ。不安になったら、われわれはどうすればよいのか。米メリーランド大学医療センターの精神科医・精神分析家が、米紙「ワシントン・ポスト」でわかりやすく解説する。 圧倒されるほど強烈な不安を覚えることもあるだろう。深刻な不安を抱えたある患者は私にこう言った。 「安心に感じるものは何もなく、この世界に大人はひとりも残っていないと感じるのです」 また別の患者は、誰かが自分について批判的なことを言ったと思うと、きまってひどく不安に感じるという。 誰かが自分の精神に「毒を盛った」みたいだとその患者は表現した。その言葉をたびたび反すうして、それ以外のことが何もできなくなったり、考えられなくなったりするからだ。この患者は精神が落ち着くまで、ひとりになって、仕事を休まざるをえなくなった。 こうした特定のことをきっかけに、心配とストレスが次々と押し寄せ
日本で大きな社会問題となる「カスタマーハラスメント」に英紙「フィナンシャル・タイムズ」も注目。労働力不足が慢性化するなか、「お客様は神様」だという営業方針は日本企業にとってもはや「高コスト」だと指摘する。 最近、世界的に有名なある高級ブランドが、各国直営店の状況を調査した。それぞれの地域で客を装った覆面調査員を店舗に送り込み、顧客サービスを評価させたのだ。 すると、前評判はよかったにもかかわらず、日本の直営店の評価は惨憺たるものだった。同社の担当者は、この状況を次のように説明する。 「サービスではなく、覆面調査をしたお客様に問題がありました。我々も日本の店舗のサービスは他国とは比べものにならないほど優れていると考えています。しかし私たちが調査をお願いした日本人のお客様は、他国なら誰も気がつかないようなマイナス点を目ざとく指摘されました」 このエピソードを、うらやましいと思う人は多いのではな
2024年3月に就任したフィンランドのストゥブ大統領 Photo: Maxym Marusenko / NurPhoto / Getty Images 対ロシアの「最前線」 ロシアと国境を接し、歴史的にロシアとの紛争や緊張関係を繰り返してきたフィンランド。伝統的な中立の立場を放棄し、2023年4月に北大西洋条約機構(NATO)に加盟したことで、およそ1300キロメートルにわたるNATO対ロシアの「前線」が出現した形になった。 長引くロシアとウクライナの戦争において、NATO諸国がウクライナを強力に支援しているため、業を煮やしたロシアがNATOとの直接対決に踏み切る可能性も指摘されている。 そのようななかで、2024年3月にフィンランドの新しい大統領に就任したアレクサンデル・ストゥブは、NATOとの結びつきをさらに強めていく構えだ。ストゥブの大統領としての初の外遊先は、従来の伝統だった隣国ス
最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2024年6月4日(火)の「BBC」に次の一文がありました。 Japan’s transport ministry raided the headquarters of motor giant Toyota on Tuesday, as a scandal over faulty safety data escalated.
『ワーク・シフト』『LIFE SHIFT──100年時代の人生戦略』の著者リンダ・グラットンが、変化の激しい現代のワーク・ライフ・バランスを論じる連載。 生成AIによる仕事効率アップや働き方改革の影に隠れた、「働き方」と同じくらい重要なこととは? 私たちはそれに充分に向き合えているのだろうか──。 古代ローマ人の「余暇の哲学」 ポンペイに行く人は多いが、ヘルクラネウムを訪れる人は少ない。 ローマ帝国のビーチリゾートだったこの街は、西暦79年のベスビオ山噴火によって、火山灰と火砕流に埋もれてしまった。そのため当時の様子がそのまま残っており、私たちはそこを散策することができる。じっくり遠回りするのがいいだろう。 ガイドが言うように、この街はカントリークラブの特徴をすべて備えている。壮大なプール、リラックスにもってこいの浴場施設、それにきらめく地中海の景色が楽しめるテラス。 目立つ場所には、古代
かつて「漢江の奇跡」とまで言われた韓国経済の失速が著しい。製造業への依存や財閥支配といった過去の成長モデルから脱却できないからだと、英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」が報じている。そんななか、韓国政府はAI特需を見込んでソウル郊外に巨大な半導体集積地を築こうとしてるが……。 世界最大規模の半導体クラスター ソウルから南に40キロ離れた龍仁(ヨンイン)市郊外では、韓国の大統領が世界的な「半導体戦争」と呼ぶ状況に備えて、無数の掘削機が準備を進めている。 掘削機は1日に4万立方メートルもの土砂を運びだし、山を真っ二つに切り崩しながら、新たな半導体クラスター(集積地)の土台を築いている。その一角には、世界最大規模の3階建て製造工場も建設される予定だ。 半導体メーカーのSKハイニックスが910億ドル(約14兆円)を投じて建設したこの1000エーカーの製造拠点は、サムスン電子による300兆ウォン(約
米国製と「違いは明らか」 米国の寿司レストランのなかには、魚をわざわざ日本から輸入している店もある。より美味しいものを提供したいという情熱のもと、寿司の本場から材料を仕入れているのだ。 そしていま、米国のバーまでもが「とあるもの」を日本から輸入している。どこにでも手に入りそうな、だが最高のサービスを提供したいバーテンダーたちが追い求める、最高品質の「氷」である。 「米国のカクテルバーは、日本のバーテンダーの緻密で優雅な技術に、長らく魅了されてきた。日本のスピリッツ、その他の材料や道具、技術などの特徴的な要素を自分たちのドリンクに取り入れている」 そう報じるのは、飲料に特化した米メディア「パンチ」だ。現在、こだわりが強く高級な米国のカクテルバーのなかには、日本から直接輸入した氷を使用している店も増えているのだという。 ニューヨークのカクテルバー「バー・モガ」のシンタロウ・エレアザル・トッツォ
クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 米半導体大手エヌビディアが5月22日に発表した2-4月期(第1四半期)決算は引き続き好調で、同社は大いに波に乗っている。だが、人工知能(AI)ブームの中心にある同社の立場を弱めかねない脅威が生まれつつある。 競合他社や主要顧客はエヌビディア製品との差を埋めることができる半導体チップの生産を目指している。その一方で、AI市場は変化しており、エヌビディア製品の人気を低下させる可能性がある。 AI企業は大手、中小を問わず、より小規模なモデルを構築・展開する方法を模索するようになっている。このようなモデルは特定のタスクに有効に機能し、エヌビディア製チップに頼らなければならないほどの演算処理能力を必要としない。
1972年浙江省温州市生まれで、英国オックスフォード大学の社会人類学の元教授で、現在ドイツのマックス・プランク社会人類学研究所員である項飆(シャン・ビャオ)。気鋭の人類学者である彼が、不景気のなかにある現代の中国の若者たちが何を考えているのか、また、今後の中国にどのような影響を与えるのかを語る。 ──中国の若者は景気後退にどのような影響を受けているのでしょうか? 若者たちは高齢者に比べてはるかに大きな影響を受けています。高齢者たちは過去40年間の高度成長の恩恵を受け、貯蓄や不動産を持っているような人々です。 一方、いまの新卒の若者たちは、将来に大きな期待を持って育った世代です。彼らにとって現実とのギャップは非常に厳しい。仕事もキャリアアップの機会も少ない。また、就職できたとしても、IT業界のように、企業は激しい競争を繰り広げているため、条件がより厳しくなっているのです。 もちろん、社会集団
2024年3月、東京から加賀温泉駅まで新幹線1本で行けるようになった。そこで、加賀に魅せられて山中に住居を構えた米国人記者が、旅行者の視点で3つの温泉街をまわってみた。 加賀市は、日本海に突き出す緑豊かな石川県の南西端にある。市を構成する各町には現代アートや建築と並び、伝統工芸が盛んだ。 そのうち、片山津、山代、山中の3つの町は温泉が有名だ。数百年前、僧侶や廻船商人らはこうした温泉を巡礼して心身を癒やした。17世紀(江戸時代前期)の俳句の師、松尾芭蕉もこの地を訪れて2句を詠んでいる。 毎年秋、日本人の観光客は燃えるような紅葉とズワイガニ目当てに加賀の三温泉郷にやってくる。しかし東京から容易に行ける旅行先ではなかったため、当地を訪問する外国人観光客はほとんどいなかった。 それもいまは昔の話だ。2024年3月に北陸新幹線が延伸し、加賀温泉駅にも停車するようになった。いまは東京-加賀間が新幹線1
日中戦争のさなかに中国共産党軍の捕虜となった日本人兵士のなかには、現地での反戦活動にのめり込んだ人もいたという。彼らを反帝国主義に駆り立てたものは何だったのか。『後期日中戦争 華北戦線 太平洋戦争下の中国戦線Ⅱ』から抜粋して紹介する。 捕虜となった日本兵は反戦運動を始めた 「後期日中戦争」のなかでは、龐炳勲(ほうへいくん)のように日本軍に帰順して傀儡軍となる部隊もあれば、最後まで戦い抜いて敗れたり、戦場から逃げ遅れたりして捕虜となる中国兵も数多くいた。 立川京一(防衛省防衛研究所)「日本の捕虜取扱いの背景と方針」(『太平洋戦争の新視点─戦争指導・軍政・捕虜』、2008年3月所収)によると、太平洋戦争開戦前までに成立していた捕虜の取り扱いに関する国際条約は、前述のハーグ陸戦条約と、1929年7月にジュネーブで調印された、「俘虜(ふりょ)待遇条約」だ。 日本は両条約に署名しているが、後者は批准
この記事は、ベストセラーとなった『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の著者で、ニューヨーク大学スターン経営大学院の経営学者であるスコット・ギャロウェイによる連載「デジタル経済の先にあるもの」です。月に4回お届けしています。 どんな生き物でも、存続するためには2つの事柄に報酬を見出さねばならない。「セックス」と「闘争」だ。性欲の重要性は自明だが、もし人類に闘争への欲求がなければ、繁殖しなかった生き物と同じ運命をたどることになる。 進化とは資源を巡る競争であり、争いは避けられない。生態系はフェアプレーなどお構いなしだ。あらゆる生き物は誰かの餌食となり、資源、配偶者、縄張り、そしてプライドを巡って争いが起こる。戦うべきか否かを賢明に判断できる報酬系を発達させなければ、それを得意とする他の種の餌食になるしかない。 人間も例外ではない。人よりも強く、速く、鋭い鉤爪を持つ生き物がサバ
佐藤オオキが2002年に設立した「nendo」は現在ミラノにも拠点を構え、いまや彼は世界中で引っ張りだこのデザイナーとなった。そんな彼が「師匠」と呼ぶ三宅一生とドラえもんから、複数のプロジェクトを同時にこなすことを可能にする彼のルーティン、そしてAIについてまで、スペイン「エル・パイス・セマナル」誌に語った。 「日本の卓越したミニマリストデザインの権化」と専門家に称されるデザインオフィス「nendo」の創設者、佐藤オオキ(46)。彼は、自分には2人のメンターがいると言う。伝統とテクノロジーを融合させて20 世紀のテキスタイルに革命をもたらしたファッションデザイナーの三宅一生と、50年以上にわたって日本の子供たちを楽しませてきたドラえもんだ。 三宅は、佐藤のキャリアに決定的な影響を与えることになる椅子の制作を依頼する。のちに「cabbage chair」と名付けられるその椅子の制作を通して佐
若い女性客に高額な売掛金(ツケ)を不当に背負わせる悪質商法が問題視されているホストクラブ。日本特有のこの現象はなぜ起こってしまうのか、英誌「エコノミスト」が考察した。 日本特有のホストクラブ 東京の歓楽街、歌舞伎町で女性記者を取り囲むのは、4人の若い男たちだ。柊咲恋(25)は髪をブリーチして明るくし、黒のタンクトップ、シルバーのネックレスを身につけている。彼はシャンデリアの下でピンクのアイシャドウをきらめかせながら、温かくおしゃべりし、魅惑的な視線を送る。 彼の3人のアシスタントは、記者の焼酎グラスにお酒を注ぎ続け、彼女の容姿を褒めつづけている。彼女はそれらの言葉が本心からではないと理解しながらも、不思議と喜んでいる。1時間半後に受け取った会計は、3万円だった。 日本ではホストクラブがブームになっている。K-POPスターのようなメイクアップをし、着飾った約2万1000人の若い男性が、ホスト
2024年3月、日銀が17年ぶりに利上げを実施した。預金金利が上昇し、住宅ローン金利が上昇するなど日常生活に金利がある世界が戻りつつある。しかし、金利とはいったい何なのか? 800年の歴史から金利の正体について、英紙の記者がひもとく。 800年の歴史から見た金利 債券投資家にとって油断のできない状況が続いている。ほんの数ヵ月前まで、米連邦準備制度理事会(FRB)は年内に6回の利下げを実施し、初回の利下げは間近というのが市場のコンセンサスだった。 だが2024年4月10日の時点で、投資家の利下げ予想は大幅に下方修正され、多くが利下げの開始は11月までずれ込むとみなしている。実際、予想を上回るインフレデータが相次いだことで、ローレンス・サマーズ元米財務長官は、「FRBの次の動きは利下げではなく、利上げの可能性もある」と警告を発したほどだ。 超低金利下で活況を呈してきた業界にとっては、気がかりな
フランスでは、日本人建築家が高い人気を誇り、数々のコンペティションを勝ち取っている。だが、日本の大規模プロジェクトでは、彼らの活躍の幅は意外にも狭く、個人や海外からの発注に逃げ場を見つけているという。そのことに気づいた仏紙記者が、日本の建築事情を深掘りする。 日本は「建築の国」なのだろうか。最近のニュースからすると、そう言えそうだ。2024年3月、日本人建築家の山本理顕がこの分野の最高の賞であるプリツカー賞を受賞した。日本でこの栄誉ある賞を受賞したのは山本が9人目で、これによって日本は建築分野を率いる存在になった。世界中が口々に日本のスター建築家を称えている。 特にフランスでは、日本人建築家の人気は高く、権威あるコンペティションをいくつも勝ち取っていて、象徴的な建造物を多く生み出している。たとえば妹島和世と西沢立衛による建築家ユニット、SANAAは「ルーヴル美術館ランス別館」(ついでに言え
宗教的にも文化的にも重要で、大きな観光資源でもある野生動物をどう保護・管理していくのかという課題は世界各地にあるだろう。日本の天然記念物にも指定されている奈良公園の鹿の事例を、世界の知られざる事象を紹介する米トラベルメディア「アトラス・オブスキュラ」が紹介する。 滑らかな枝角が生えそろった雄鹿が1頭、奈良公園内にある春日大社の古い石柱のあいだでのんびり草を食んでいる。朝方、ホルンの音が響くと、この雄鹿や数百頭の鹿が集まってきて、観光客からせんべいをもらう。 公園内に生息する1200頭の鹿は、厳密には野生だが、こうした鹿と人の特別な関係は1000年以上も昔から続いている。 ニホンジカ(学名はCervus nippon)は、神道では神聖な生き物と考えられている。その宗教的な地位は、春日大社がのちに奈良公園となる場所に建立された、1400年近く前にまでさかのぼる。奈良公園は、日本の古代の首都だっ
5月27日月曜日から、SNSは1枚の画像で溢れかえっている。「All Eyes On Rafah(ラファから目を逸らすな)」──並んだテントが、その文字を浮かび上がらせる。AIによって生成されたその画像は、インスタグラムだけで木曜までに4600万回以上リポストされており、拡散はいまも世界中で続いている。 この画像のメッセージについて、「ラファでの状況から目を逸らさず、停戦を要求し、人道支援も届かないキャンプでの生活を余儀なくされている人々を支援するよう呼びかける」ものだとヨーロッパメディア「ユーロニュース」は説明する。 All eyes on #Rafah ???????? pic.twitter.com/bg3bAtl3dQ — The Palestinian (@InsiderWorld_1) May 27, 2024 スローガン「All Eyes On Rafah」はどう生まれたか
より多くの子供を持つことの重要性を主張する「出生主義者」が、米国の特にテクノロジー界で増殖している。イーロン・マスクやサム・アルトマンなどの著名人も、この思想を支持していることで知られている。 彼らはマスクの「出生率の低下は地球温暖化よりも文明にとって大きな脅威である」との警告に賛同し、英紙「ガーディアン」によれば、「出生率の増加が人類の文明を維持し、進歩させるために不可欠だと信じている人たち」だ。 また、そのアプローチは、「子は神が与えし恵」と考えるキリスト教など宗教的なものではなく、徹底的にデータに基づき、合理性を重視した「効果的な利他主義(根拠と理性を使って、何が大多数の他人のためになるかを考え、それに基づいて行動する)」の運動だと主張する。 同紙は、プロナタリスト(出生主義者)財団の創設者でこの運動の実践および代表者を務める、米ペンシルバニア州在住のコリンズ夫妻に取材をしている。3
「エラーなし」の原則はない ラベンダーを使用した上級将校である証言者Bは、取材に対し、現在の戦争で諜報機関の職員たちはAIシステムの評価を独立して精査することを求められていないと繰り返した。それは時間を節約し、支障なく人間の標的を量産できるようにするためだ。 「すべてが統計的に、とてもドライに整然とおこなわれた」とBは言う。この監視の欠落は、内部調査でラベンダーの正確性が90%にとどまるとわかっていたのに承認されたという。言い換えるなら、殺害対象とされた人間の標的の10%はハマスの軍事部門のメンバーではまったくないと、事前に知られていたのだ。 たとえば、ラベンダーはハマスやPIJの戦闘員と似ている通信パターンを持つ人物を誤って戦闘員とみなすことがよくあったという。そこには、警察、民間防衛組織のメンバー、戦闘員の親戚、名前やニックネームが戦闘員とたまたま似ているだけの人、かつてハマスの戦闘員
スマートフォン事業で成功した中国シャオミの創業者で会長兼CEOのレイ・ジュンが、電気自動車業界でも世界的な成功を狙っている。レイが抱く野望とは。 中国版「スティーブ・ジョブズ」と呼ばれて 米アップル社を真似することから始まった中国のスマートフォンメーカー・シャオミが設立されてから10年と少し。創業者でCEO兼会長のレイ・ジュン(54)は、スマートフォンの分野でついにアップルをしのぐ存在にまで至った。 アップルは2024年、10年の歳月と数十億ドルの予算を費やした電気自動車(EV)開発プロジェクトをひっそりと凍結した。一方のシャオミは、今この瞬間も北京の工場でEV生産を進めている。 シャオミのCEO兼会長のレイは、そのマーケティングセンスと思いつきを次々に製品へと変えていくという特徴のためにスティーブ・ジョブズとも比べられ、中国では「レイ・ジョブズ」という愛称で呼ばれている。 レイの野望であ
【今回のお悩み】 「日々のストレスはどうやって対処したらいいですか?」 数えたらきりがないくらい、私たちは仕事や人間関係でさまざまなストレスを抱えています。一体どうしたら、そのイライラを軽減できるのでしょうか? 哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 嵐の日に、鳥が強い風に押し戻されて飛んでいるのを見たことがあります。私はそれを見て、人も風に抵抗して懸命に羽ばたいて飛ぼうとしている鳥のようだと思いました。 ストレスを引き起こす外からの刺激をストレッサーといいます。人と関われば摩擦が生じ、仕事をすればストレスも伴いますが、生きている限りストレッサーを避けることはできません。ストレッサーは鳥が飛ぶのを阻止しようとする風のようです。ストレスに対処するためには、この風を止めたり弱くしたりする方法を考えるのではなく、それをどう受けとめるのかということを考えなければなりません。 とはいえ、できれば強い
日本では大半の中高生が制服を着る。費用がかかるうえ、不要に思える時代錯誤な「着用ルール」もあるが、多くの学生たちは依然として制服を着たがっているという。 日本の制服の歴史、そして進化した現代の「制服事情」について、仏紙「ル・モンド」が報じた。 痛い出費だが… 毎年4月になると、日本の子供たちは新学年に合わせて新しい「制服」の準備に取り掛かる。 制服は、日本の大半の学校で義務化されているものだ。そして2024年、親たちの主な関心事は、その値段だった。 「大人のスーツよりも高いのです。学校指定の体操服も、その品質のわりに高すぎます」と、ある匿名希望の高校生の母親は嘆く。もうすぐ中学校に入学する二人の娘を持つヨコヤマ・レオナも、こうした費用は「生活費がますます高騰するなか、会社の交渉で決まった賃上げでは相殺されないような追加コストです」と語る。 子供支援に特化しているNPO法人「キッズドア」で理
ハーバード大学をはじめ、その他の米国のエリート大学の学生を調査したところ、Z世代の学生の大半が、社会よりも「自分が豊かになること」を最重視していることが分かった。 「社会を変えよう」といった理想主義的な追求よりも、金融やコンサルティング、テックなど「儲かるキャリア」を優先する傾向が、数年前から顕著になっていると、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じている。 最近では、キャンパス内でガザ戦争への抗議運動をする学生の様子がニュースになったが、「その学校のほとんどの学生は抗議運動よりも、卒業後の自分のキャリアのことに焦点を当てている」と、同紙は述べている。 Z世代といえば、気候変動活動家のグレタ・トゥーンベリをはじめ、社会正義のために声をあげたり行動するイメージがあるが、エリート校の学生たちは「驚くほど大手志向である」。 もちろん、それは今日にはじまったことではない。エリート大学は常に金融やコン
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