サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
体力トレーニング
educ.titech.ac.jp
奇妙な営み、ゲームから考える 「知のサバイバルキット」としてのリベラルアーツ 【学術史、ゲーム学】山本 貴光 教授 「全部を相手にする」哲学は あらゆる学問のベース 私が東工大で担当するのは「哲学」です。それと、新入生全員が受講する「東工大立志プロジェクト」も、着任と同時にかかわるようになりました。「立志プロジェクト」では、学生同士の双方向のやりとりが生まれるように心がけています。毎回のディスカッションでは、テーマについて考えたり思い浮かんだりしたことを、失敗上等で自由にどんどん発言してね、と学生たちには伝えています。とはいっても、「自由に発言」って案外むずかしくて、実際にはトレーニングを要するのですよね。そんなことを考えながら、学生たちが積極的に発言できる場をつくろうと試行錯誤しています。 おもに2年生が受講する「哲学B」では、哲学の歴史を辿りつつ、古くから人間が問い続けながら、解決され
心理学者がなぜ ノーベル経済学賞をとったのか 認知科学とは、「知的な仕組みがどう動くのか」を探る学問です。 人や動物は、周りの世界といろいろなやりとりをして情報を得て、また情報を発信して、自分や周囲の人にとって都合のいい振る舞いをしようとします。その営みが、どんなときにどうなるのかを解明する学問といえます。 なかでも私は、意思決定のメカニズム、特に「なぜ間違った選択をしてしまうのか」を研究しています。例をあげて説明しましょう。 15年ほど前に、実際にイタリアで起こった騒動なのですが、2ケタの数字を当てるナンバーズくじで、「53」という数字が過去2年間出ていないことがわかりました。 そこで人々はどう思ったか。「次こそ53が出るはずだ」と先を争って「53」のくじを買ったのです。全財産をつぎ込んだ人もいました。ところが次の当たりも「53」ではなかった。結果、家計破たん者が続出し、自殺や無理心中も
ジャクソン・ポロックの抽象画を嫌う東工大生 私は、芸術の科目を担当しています。 東工大で絵画や彫刻について教えている教員は私だけなので、鑑賞と制作、歴史も含めて幅広く教えています。1年生の授業ではパルテノン神殿から19世紀まで、2年生の授業では20世紀以降の美術史を扱います。ただ、私自身の専門は美術史学ではなく美学なので、人間がどういうものを美しいと感じてきたのか、作品が生まれた当時の社会状況や科学技術の発展が人の感じ方にどう影響を与えたのか、といったことを重点的に扱っています。 リベラルアーツというのは、「自由になるための技」だと言われることがあります。私はこの芸術の授業を通じて、東工大生が当たり前だと思っている考え方、感じ方から少し「自由」になれる視点を授けられたら、と思っています。 その視点とは、「偶然の価値」です。芸術は偶然を大切にしています。思いがけないものができてしまうことのほ
理工系の学生こそ 宗教リテラシーを高めるべき 宗教学と聞くと、キリスト教や仏教を解説する学問のようなイメージを抱くかもしれません。でも私が受け持っている宗教学の授業は、スピリチュアリティつまり特定の宗教に依拠しない宗教意識や、人のもつ価値観に焦点をあてています。 目的の1つが、理系の学生たちの宗教リテラシーを高めること。理由は後述しますが、意外なことに理工系の優秀な学生は、一方でカルト宗教に引き込まれやすい傾向があるんです。オウム真理教による地下鉄サリン事件や松本サリン事件の実行犯の中には、東工大の工学部や東京大学の理系学部出身者、慶應義塾大学医学部出身の医師が含まれていました。学部1年生を対象にした授業では、信仰とは何か、信じるとはどういうことかを一緒に考え、リテラシーを高めます。 2年にはスピリチュアルブームや若い世代の死生観について、講義やワークショップを通して学び、3、4年には、映
リベラルアーツ研究教育院のジョン・ミッチェル講師制作の番組が、第23回(2023年度)「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」を受賞
過去の歴史から研究者のあり方を学ぶ 東工大というブランドが持つ使命とは? 私は東工大で「現代史」を教えています。2012年にリベラルアーツセンターの教授として着任し、2016年にリベラルアーツ研究教育院が設立され、その年から特命教授として、一貫して現代史を学ぶ大切さを学生たちに教え続けています。 歴史を知ることは、今の社会を読み解く重要なカギとなります。ところが、高校教育で習う日本や世界の歴史は第二次世界大戦まで。戦後から現代までの歴史は学校で教えてくれないのです。つまり、戦後の高度成長期や東西冷戦やベトナム戦争はもちろん20世紀末のオウム真理教事件や21世紀初頭のアメリカ同時多発テロも、公式に教わることがないのです。いずれも現代の学生たちにとってみれば、直接知らない歴史にもかかわらず、です。この知識の空白を埋めることで、日本や世界の歴史や社会の成り立ちについて、もっと関心を持ってもらいた
Vision 豊かな未来社会を実現するために。 技術経営、イノベーション科学の観点から 社会のリーダーとなる人材を養成します。
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『educ.titech.ac.jp』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く